警察刷新会議第1回会議記者会見概要
1.日時
平成12年3月23日(木)
午後7時5分ころから35分ころまで
2.場所
グランドアーク半蔵門4階「富士西」
3.応答者
警察刷新会議 氏家座長 樋口座長代理
4.概要
- メモができなくなるくらい熱心な会議であった。
- 最初に国家公安委員会委員長が挨拶された。
- 続いて座長の私が挨拶した。
- 各委員から挨拶と抱負について次のような話があった。
- 警察の制度疲労という構造的な問題もあり、信用回復が急務である。
- 政治からの中立、民主性を確保するためにも公安委員会制度を堅持することは必要だが、これをどのように充実させ、改革するかが問題である。
- 警察には閉鎖性、秘密性、おごりの問題があるが、最大の問題点は情報公開がきちっとしていないことである。
- 全警察官が総懺悔するような話ではなく、どこに特定の問題点があるかを探し出し、そこを変革していくことが必要である。
- 会議の名称は、警察刷新会議とすることとなった。
- 座長代理は樋口委員にお願いすることとした。
- 会議の公開については、原則としてオープンとした。その方法として、毎回、座長と代理が会議終了後に記者会見を行い、当日の会議の内容を詳細に説明するとともに、各委員も自由に取材に対応する。
- 刷新会議としてホームページを早急に開設し、Eメールを受け付ける。
- 地方公聴会を開催することとする。いつ、どこでということについては、私と代理で今後相談して決めていきたい。
- 会議の頻度は1ヶ月に3~4回を予定している。
- 結論については、6月末から7月初めころに得ることとしたい。
- 次回は、4月4日午後3時から5時、テーマは情報公開と苦情処理。
- 情報公開については、大きな問題であるというのが全員の意見であり、最初のテーマにふさわしいと考える。
- その後の日程としては、4月10日、26日、28日を考えている。
5.一問一答
- Q:苦情処理、情報公開が次回のテーマとなった理由は。
- A:委員の中で一番国民が問題にしているのは警察の情報公開の足りなさではないかという意見が強くて私もそう思った。苦情処理は情報公開の裏返しである。
- Q:それ以外で今後取り扱うテーマについては決まったのか。
- A:次回の会議において議論することとなった。
- Q:保利国家公安委員会委員長の挨拶で何項目か提示があったのでは。
- A:1つの叩き台として参考にさせていただく。
- Q:名称が警察刷新会議に変わった理由は。
- A:組織のみにとらわれず、幅広くやろうということになった。全会一致で決めた。
- Q:キャリア制度や監察は国民の関心事だと思うが、これらについても議論するのか。
- A:もちろん取り上げる。
- Q:国家公安委員会制度に留意しつつ、中身を改革していくことは委員全員の一致した考え方か。
- A:そう。
- Q:改革は可能だと考えているか。
- A:はっきりした意見をまとめていくこととしたい。まとめられた結果をどこまで具体化するかは政府の問題。
- Q:いつごろまでに取りまとめるのか。
- A:6月末から7月初めまでにまとめることとしたい。議論の進み具合ではそれまでにまとめきれないかもしれない。
- Q:まとめられた提言はどこに出すのか。
- A:国家公安委員会委員長に出すこととなる。
- Q:座長あいさつの中で、官邸から話があったというお話があったが、この会議には何か政治的な面があるのか。
- A:この問題については既に各党もいろいろ意見を出している。多忙な方々が集まって検討するに当たり、意見を担保するものがないのでは意味がない。会議の意見をどう扱うのかを官邸に確かめたところ、政府として我々の出した改革案を最大限尊重すると言われた。
- Q:今回は誰から委員就任について依頼があったのか。
- A:警察庁からもあったし、座長からも依頼を受けた。
- Q:官邸からではないのか。
- A:そうではない。
- Q:情報公開が議事とのことだが、どのようなことを議論するのか。
- A:現在、警察がどのような情報公開、苦情処理を行っているのか事務局にペーパーにまとめてもらう。それを叩き台として議論していく。
- Q:公開の範囲も議論の対象となるのか。
- A:捜査情報とかは難しいが、行政情報、経理情報とかまで秘密扱いされてきたのではないか。どの程度まで国民に情報公開していくべきかといったことを徹底的に議論していきたいということ。情報公開をやるということは決まったが、まだ具体的にはなっていない。
- Q:保利委員長から提案のあった5項目以外に、情報公開を次回の議事にしたことは刷新会議の姿勢を感じるが、敢えてそういう姿勢を打ち出そうということか。
- A:保利委員長の挨拶でも、「会議の進め方につきましては先生方にお任せしたいと存じます」とはっきり言われている。
- 私も挨拶でいかなる制約にも拘束されないで議論していこうと明言しており、議論の対象が限られているわけではない。
- Q:6月末から7月初めまでに結論を出すこととした理由は。
- A:来年度の予算に改革案を反映させていくためにはこの時期までに取りまとめ、概算要求に間に合わせたい。
- こういった審議にはスピード感が必要である。予算措置に間に合わせることは必要である。世論調査をしないことにははっきりとしたことは言えないが、国民も早い結論を望んでいるのではないか。
- Q:警察法の国会審議との関係はどうなるのか。
- A:我々の申し上げることではない。
- Q:重要なテーマが入っているので時間をかけてじっくり結論を得るべきという意見はなかったのか。
- A:最初は月2回しか予定がなかったのに、それではだめだろうということで4回行うこととした。各委員が使命感をもって仕事をしている。議論の内容によって積み残しがあれば延びる可能性はある。
- Q:会議は全員出席して行われるのか。
- A:全員出席の上、全会一致。全会一致の結論が出るまで徹底的に議論する。裏返せば多数決ではやらないということ。
- Q:ホームページの立ち上げ作業はどこが行うのか。
- A:事務局にしてもらう。事務局から切り離し、個々の会社の従業員を使って設置するという話もあった。しかし、それもおかしな話であるし、事務局からも信用してくれという話があり、任せることとした。
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