警察刷新会議第2回会議議事要旨
1.日時
平成12年4月4日(木)15時5分ころから17時35分ころまで
2.場所
グランドアーク半蔵門3階「光」
3.出席者
氏家座長、樋口座長代理、大森委員、大宅委員、中坊委員、後藤田顧問
保利国家公安委員会委員長、田中警察庁長官、佐藤警察庁次長
4.議事要旨
(1)事務連絡・公聴会について
ア ホームページの立上げについて
事務局から、ホームページが3月31日(金)開設され、4月3日までに合計138通の電子メールが届いている旨の報告がなされた。
イ 公聴会について
5月から6月にかけて、東京、神奈川、新潟、大阪等の候補地のうちから選び、委員の半分以上が出席できる日程で実施することとされた。
意見
- D 4か所全ては難しいが、1か所では少ない。2か所か3か所であろう。
- F 公聴会のやり方については、座長と座長代理とで話し合って決めるというやり方でいかがか。6名のうち半数以上は出ないといけないだろう。
(2)情報公開について
ア 事務局説明
警察庁から、
- 現状として、国家公安委員会及び警察庁は、来年4月から施行される情報公開法の規定に基づいて適切に対応すること、都道府県では9県で警察を実施機関とする情報公開条例の改正が行われ、他県でも検討が進捗中であること
- 問題点として、自らに不都合な情報を隠ぺいする体質があるとの批判や不必要に文書を非公開にしているとの批判、報道対応が往々にして不十分であるとの批判があること
- これまでの対策として、
- ホームページ開設等情報アクセス手段の拡大
- 国民にかかわりの深い通達の公表
- 報道発表の基本事項の再確認
- 地域における各種情報提供
- 被害者等への連絡制度の実施
イ 議論の状況
どこまで情報公開していけるのかについてガイドラインを作成すべきとの意見が出され、事務局においてそのたたき台を作成し、議論に供するよう指示された。
意見
- E 警察の情報公開は情報公開法施行まで待つのではなく、もっと早くやった方がよい。
- A 都道府県における情報公開が問題であり、現在警察が実施機関となっていない30数府県の条例改正を促す手法について検討する必要がある。現在どんな情報が不足しているのか、どんな情報の公開を求めるべきか、情報公開を何のために求めるのか、一度原点に帰る必要がある。
- B 一番大切なことは事実を知ること。事実に基づいてどこがおかしいのかを検証する必要がある。
一連の不祥事案をみると警察組織の中の情報の流れの問題がある。上の方が何となく「これはまずい」と言ったら下がそれを察知するという、そういう組織になっているのは驚きである。 - C 公開してもよい情報と公開できない情報を混同してはいけない。警察には捜査の密行性、個人の人権、公共の安全に関する情報収集などを理由に公開できない情報があるのは分かるが、これらの観点を強調することで公開してもよい情報まで公開していないのではないか。
- D 情報公開法第5条第4号(犯罪捜査等情報)において、不開示とした行政機関の長の判断が優先されることは問題であるが、法律の条文そのものを直すのは困難であろうから、警察がそれを盾にしないよう、公開できる情報のガイドラインを作る必要がある。
捜査情報と、公開してもいい行政情報との区別がついていない。 - F 警察は無謬のものであるという主張を続けてきたが故に、情報公開への対応が遅れたのではないか。
- A 警察の情報公開についてガイドラインを作るというのは、難しいが努力すべき問題である。
- F 不祥事の公開、非公開についても、ガイドラインを作って示してもらいたい。
- A 情報公開法施行後開示請求を受けた場合のガイドラインと、開示請求とは関係なく積極的に公開していく場合のガイドラインとは性格をやや異にするのではないか。
- D 警察がガイドラインを作って示すという姿勢を示すことにより、国民の警察を見る目も変わってくる。
(3)警察の苦情処理について
ア 事務局説明
警察庁から、
- 1 現状として、総合相談及び困りごと相談、110番等の年間受理件数等
(総合相談及び困りごと相談~約34万件(平成11年))
(110番~約722万件、うち要望・苦情関係約65万件(平成11年)) - 2 問題点として、
- 国民に身近な困りごと、事件等に対する消極的対応があること
- 苦情処理体制が不十分であること
- 地域住民からの意見・要望把握が不十分であること
- 3 これまでの対策として、
- 相談業務の抜本的な充実強化の指示、女性・子どもを守る施策実施要綱の制定、地域住民への奉仕者であるとの意識改革
- 広聴制度、「監察110番」等による各種苦情等の受理、対応
- 交番機能の強化、ボランティア活動に対する積極的支援、相談しやすい環境の整備
イ 議論の状況
警察への苦情申立てを権利化・制度化し、回答義務を課すべきとの意見が出され、事務局において制度化のためのたたき台を作成するよう指示された。
意見
- C 110番受理件数等を聞いて、警察は大変だなと思った。生活安全部門の役割が重要になっているが、市民生活の保護は十分ではない。制服警察官の人が足りない。国民には、相談に行こうとしても交番がないという不満が強い。
警察はけしからんというだけではなく、週休2日になった分の労働過重に対して増員するのか。増員できないなら警察官の処遇を国として見る必要がある。 - E 機動隊にばかり重点を置いて人を配置しているのではないか。また、夜間人口の多い東京近隣の県の警察官の人数が足りない。
- B 警察官、看護婦などは、大変だけれどもみんなに感謝される、尊敬されるという土壌があって成り立っていたが、その土壌が崩れて不祥事が起きている面がある。何でもお上頼みという国民の意識が強すぎる。もっと社会が助け合わないといけない。
- D 組織では、上からの指示の「動脈」と下からの苦情を吸い上げる「静脈」が1つの「心臓」につながっている必要がある。苦情をトップに直結するルートが必要。苦情についてはトップが自ら見る必要がある。また、苦情処理には回答義務を課す必要がある。
公安委員会を苦情処理の控訴機関にすることも考えられる。 - A 苦情処理を権利化、制度化する必要がある。苦情処理を権利化するということは回答義務を課すということであるので、苦情をどう処理したか明確にし、その結果を公表すべきである。
- E トップは、苦情の重要なものについて自ら回答してほしい。
- F 苦情処理の問題は、監察制度や公安委員会制度の在り方にも絡んでくるものである。
- C 苦情処理については、現場の処理能力を考慮する必要がある。
5.次回以降の会議予定
次回(4月10日13時から)は、(2)と(3)に関する警察庁のたたき台と公安委員会の在り方について議論することとされた。
意見
- F この次の会議には、((2)と(3)の)たたき台をかけてもらう。また、公安委員会の今までの在り方と、今後どうすべきかということを議論したい。
- F (今後の議論について)法律を必要とするかもしれない公安委員会の問題や監察制度の問題については、少し前に議論したい。全部が全部6月末までにまとめるのはちょっと無理な気がする。
- C サイバーテロの問題は、この際大きく取り上げなければならない。国家的にやる国が出てくるから、国として、真剣に取り組まなければならない。
速報版のため、事後修正の可能性があります。