警察刷新会議第2回会議記者会見概要

1.日時

平成12年4月4日(火)
午後5時45分ころから午後6時25分ころまで

2.場所

グランドアーク半蔵門4階「富士西」

3.応答者

警察刷新会議 氏家座長 樋口座長代理

4.概要

  • 今回は情報公開と苦情処理の2点を議論した。
    1. 情報公開については、情報開示のガイドラインのたたき台を事務局に作ってもらって議論することとなった。これについては、1:情報公開法施行後開示請求を受けた場合のガイドラインと、2:開示請求とは関係なく積極的に公開していく場合のガイドラインの2つに分けてやっていくこととなった。
    2. 苦情処理については、国民からの苦情の申立てを権利化・制度化し、警察に回答義務を生じさせることはできないかが議論され、事務局で議論のたたき台を作るよう要望した。
  • 情報公開については、次のような意見、議論があった。
    1. 捜査情報等公開になじまない情報があることは事実であるが、警察はそれを弾よけ、隠れ蓑に使って情報開示を行ってこなかったのではないか。
    2. 出すべき情報を出すということが重要である。捜査情報は秘匿する、行政情報はそういう(秘匿すべき)ものは若干であるとした上で、公開のボーダーラインをクリアにするためのガイドラインを作っていく必要がある。
    3. 警察は無謬である、間違いがないという意識が強すぎたために情報公開が遅れたのではないか。
  • 苦情処理に関連して、次のような意見、議論があった。
    1. 交番のような生活安全部門と機動隊のような警備部門でみた場合、生活安全部門の体制が少なくなっていないか、人員の配置の適正化が今後必要である。
    2. 警察官の絶対数が増えない中、加重労働になる問題もある。「予算がないから何もできない」と言うことも、予算もないのに働かせることもできない。安全はただでは買えない。
  • 公聴会については、5月から6月に。場所は、東京、神奈川、新潟、大阪などが出ている。刷新会議の委員の半数以上の出席により開催することとした。開催場所については、座長と座長代理で一両日中に相談して決めることとした。
  • サイバーテロについては、非常に大きな問題との認識を委員全員が持っている。
  • 当初、6月末位までに結論をまとめようかと思っていたが、法律の改正を必要とする問題、予算の措置を伴うもの等比較的早くやる必要があるもののほか、問題点、議論が広がっていくと、7月以降にずれ込む可能性も出てきた。時間がかかっても議論をしていこうという雰囲気である。

5.一問一答

  • Q:警察法改正案との関連で、6月末ではなく4月中にも一部まとめてほしいという意見が与党内にあるようであるがどうか。
    • A:個人的には国会の日程に間に合うようにという気持ちは持っており、警察法改正が必要となる部分は先に議論しようと思っているが、6月末までにすべての問題をクリアできそうな感じではない。
  • Q:内閣総辞職の警察刷新会議への影響はないのか。
    • A:総辞職の問題とは別個の問題である。政治の動きに制約されるものではない。
  • Q:苦情処理の権利化・制度化は、警察法を改正して行うのか。
    • A:警察の苦情処理の問題であるから、一部改正を必要とすると思う。
  • Q:公安委員会の在り方、警察の制度改革等法改正が伴うので6月末までに結論を出すという説明と、今国会に提出されている警察法改正案とのからみはどうか。
    • A:国会での改正案の取扱いについて、我々が議論する余地はない。
      今国会に間に合わせるという時期のほかに、予算を必要とするものは来年度予算に間に合わせなくてはならないということがある。
  • Q:どういう点について警察法の改正案に議論を反映させていくのか。
    • A:公安委員会のシステムは、中立性の担保の観点からすれば必要であるが、制度的に更に改正が必要と考えており、警察法改正を必要とすると思う。まだ議論していないが、監察制度も作り方によっては、警察法改正が必要であろう。
      個人的には、これらは比較的早く議論してみたいと思っている。
      今国会で間に合わないものは来年度の通常国会で議論していただくように働きかけることになるかと思う。
  • Q:苦情処理の制度化は、今回の警察法の改正に入れて今国会でやりたいということか。
    • A:苦情処理の問題は普遍的な問題であるから、今国会に間に合わなくても次の国会ではやりたいと思っている。
      法改正を伴わないでできるものもあるだろう。
      6月17日の会期末を頭に入れてはいるし、国民の皆様は改革が進むことを望んでおられると思うので、早くしたほうがいいということで進めてきたが、駄目なものは次期通常国会に持ち越してもやむを得ないかなという感じである。
  • Q:法改正を伴わない苦情処理とはどういうイメージか。
    • A:たとえば、クイック・レスポンスでやるとか、たらい回ししないということを明確にしていくことがあるだろう。
  • Q:いつまでにたたき台を事務局に作らせるのか。
    • A:できるだけ早くと言ってある。
  • Q:地方公聴会の開催を一両日中に決めるとのことだが、警察庁の事務局において発表していただけるのか。
    • A:事務局から発表させる。
  • Q:警察職員は、一般職員を含め26万人いるが、警察刷新会議として人員増についても提言する考えはあるのか。
    • A:ある。苦情処理については、受付けを警察の退職者にやってもらうというのも高齢化社会を考えれば一方法だろうと個人的には申し上げた。
  • Q:今国会で間に合わせるテーマはどれで、次でいいものはどれというような議論はどうするのか。
    • A:どの程度までできるかということについては、次回、公安委員会について議論する中で可能性を詰めてみたいと思う。
  • Q:警備部門の人員の問題に手をつけるのは、日本の治安の根幹に関わる問題であるが、1ヵ月半くらいの短い期間で踏み込んだ結論を出すのか。
    • A:警察内部の人員配置の問題であるから法改正の必要はない。そういう問題については、更に時間をかけてやっていこうという感じだと思う。
  • Q:地方公聴会の対象者はどういうふうになるのか。
    • A:できるだけ広く意見を伺いたい。そういう方向で発言者を選びたい。
  • Q:公聴会のメンバーに地方の警察官も認める意向はあるか。
    • A:出られる人がいるのであれば。公聴会はそういうもので、誰が出たらいけないというものではないだろう。
  • Q:警察改革は小渕内閣の重要な政治課題の一つで、内閣が責任を持って刷新会議の提言を尊重するという言葉があったとの紹介があったが、それを踏まえて小渕内閣の総辞職の事態をどう受け止めているのか。
    • A:新聞各紙の論調では、内閣の連続性は保持するような人事が行われる見通しのようであり、そういう意味で内閣との関係は変わらないであろう。お受けした以上は、内閣とは切り離して議論を進めたいと思っている。

速報版のため、事後修正の可能性があります。