警察刷新会議第7回会議記者会見概要

1.日時

平成12年5月25日(木)
15時55分ころから16時25分ころまで

2.場所

三田共用会議所 3階 「B・C会議室」

3.応答者

警察刷新会議 氏家座長 樋口座長代理 大森委員

4.概要

  • 警察法上の公安委員会の「管理」について、担当した委員から、
    • 公安委員会が警察行政の大綱方針を定め、警察行政の運営がその大綱方針に則して行われるよう警察庁又は警察本部等に対して事前事後の監督を行うことを一般原則とするが、警察事務の執行が法令に違反し、あるいは公安委員会の定める大綱方針に則していない疑いが生じた場合には、その是正又は再発防止のため、具体的事態に応じ、個別的又は具体的に採るべき措置を指示するということも否定されない。
    との報告がなされ、委員の間で議論がなされた結果、こうした「管理」の概念を誤解がないようにするために何らかの形で明文化すべきであるとの考え方で意見の一致をみた。
  • 監察、公安委員会及び苦情処理の在り方の骨子として次のような項目を取りまとめるに至り、今後提言に盛り込んでいく方向で意見の一致をみた。

5.一問一答

  • Q:「管理」の概念については、委員全員の意見が一致したということか。
    • A:現行警察法上の「管理」の概念の解釈については、特に異論はなかったが、法律上、もう少し「管理」の概念を広げるべきだという立場からの意見はあった。
  • Q:「管理」については、これまで基本的に大綱方針を示して、それに沿った形になっているかどうかを監督するということであり、個別具体的な指示は含まないということであったと思うが、これまでの「管理」の考え方とずれはないのか。
    • A:今話した公安委員会による点検機能の強化の中にも、公安委員会に警察に対する具体的・個別的な監察指示権を与えるという考え方、公安委員のうち一名を監察管理委員に指名し、具体的・個別的な指示に関する監察の遂行状況を機動的に点検するという考え方があり、これらは「管理」の概念に包括されるだろうという解釈である。ただ、議論の過程で、今の「管理」とは一体何だと、これを明らかにしなくてはいけないという問題に発展した。「管理」とはこのように解釈するということを明文化し、皆さんに分かってもらえるようにすることが必要であるということになった。
  • Q:明文化とはどのようにするのか。
    • A:法律かあるいは公安委員会規則か、何か然るべき法令上の措置をするという考えである。具体的にどのようにするかは今後の検討課題である。
  • Q:管区の監察部を設置するとあるが、7管区のそれぞれに設置し、都道府県警察の監察とやり取りさせるという認識でよいか。
    • A:そう。つまり都道府県警察の監察が十分でないという批判にどのように対処するかという問題であるから、管区の監察を強化し、公安委員会の監察能力を強化することによって対処していこうということ。仮に監察については別に分けて第三者機関に行わせるとすれば、それだけで何千という人間を持ってこなければならないが、これは今の状況ではできない。そこで、組織内でいかに独自性を発揮させるかということが重要だということでこういう考え方が出た。
  • Q:第三者機関ではなくて組織内で独立性を持たせる監察ということだが、他の委員も大体同じような意見か。
    • A:もともとそういう意見であった。最初から公安委員会制度を残すと言っているのは、その中に監察機能を持たせようという前提があったからであり、それで一致している。内部における監察の相対的独立性を高め、公安委員会を第三者機関的に機能させることとした。実現可能性、実効性も考える必要がある。
  • Q:6月末に中間答申という話はその後どうなったか。
    • A:今日の部分は一応まとまった。今後のテーマとして、職務執行における責任の明確化、民事不介入の考え方の払拭、キャリア制度の在り方、サイバーテロへの対応などいろいろな問題が考えられるが、ほぼ一番重要な問題がまとまったので、今後の予定として決まっている7月5日(第11回)までには成案をまとめることができるのではと感じている。
  • Q:たまたま6月末という時期は総選挙の日程と重なるが、その辺はどうか。
    • A:総選挙とは何の関係もない。
  • Q:成案の中にキャリア制度についても含まれるということか。
    • A:盛り込めるのではないかと予想はしている。

速報版のため、事後修正の可能性があります。