警察刷新会議第8回会議記者会見概要

1.日時

平成12年6月16日(金)
17時35分ころから18時00分ころまで

2.場所

グランドアーク半蔵門 3階「光」

3.応答者

警察刷新会議 氏家座長 樋口座長代理

4.概要

  • 事務局から「桶川事件」、「石橋事件」の概要説明が行われた後、このようなことが起こらないようにするための具体的な方策について議論した。その結果、
    1. 職務執行における責任の明確化
    2. 住民相談への的確な対応
    についてほぼまとめた。
    続いて、人事、教育の在り方について議論し、次回までにまとめることとした。
  • 責任の明確化について、職責への個々人の自覚を促す方策を取ることにより生まれる緊張感が、住民の要望に鋭敏に反応する感覚も育てていくだろうとの趣旨で、警察職員が攻撃や嫌がらせの対象となるような場合を除いて、
    1. 窓口担当職員の名札の着装
    2. 制服警察官の識別章の原則着装
    3. 交番勤務員等の氏名や顔を覚えてもらうための名刺などの積極的活用
    4. 警察手帳を示す際における氏名や階級などが記載されたページの呈示の徹底
    により、警察活動における「匿名性」を可能な限り排除することとした。
    また、上記に関連し、単身赴任の警察本部長や警察署長が多いが、住民との一体感を持つためにも勤務地に生活の根を下ろすべきであるという意見が出された。
  • 住民相談への的確な対応として、
    1. 「民事不介入についての誤った認識の払拭」として、民事に関する事案でも、刑事事件に発展するおそれがある場合には、必要な措置を講ずるのは当然ということを警察組織内に徹底する
    2. 部内教育の徹底として、住民からの相談に当たる警察職員の力量を向上させるため、部内教育を充実する
    3. 業務評価の見直しとして、住民相談や被害者保護などの業務についても、適切に評価する
    4. 組織的な対応として、警察本部長や警察署長は、住民相談への対応、判断を担当者任せにせず、的確に内容を把握し、組織的な対応を図る
    5. 体制の整備として、現場重視の人員配置と事務処理の効率化を進め、その上で、更に足りない部分の体制を強化する
    こととした。
  • 人事と教育については、事務局による現状説明に続いて各委員から発言があり、キャリア制度自体は必要であるということが大方の意見であったが、
    1. キャリアはノーブレス・オブリージを自覚する必要があり、そのためには警察庁内部でも選別を厳しくする、年功序列を廃止するようなことも必要である
    2. 指導者としての資質を様々な観点から見るために民間の考査制度の導入を検討してはどうか
    などの意見が出された。

5.一問一答

  • Q:人員配置の問題だが、県によって警察官の人数が異なり、特に埼玉は非常に少ない。こういった点について議論が出たか。
    • A:出た。警察官の絶対数が足りないということは分かるから、現場重視の配置など徹底した合理化が行われるという条件の上で、各都道府県のアンバランスを是正し、トータルとして住民550人に対して1人の警察官人員を住民500人に対して1人くらいとすることを最終目標としたい。
  • Q:合理化する部門として具体的にどこの名前が挙がっているのか。
    • A:現場重点主義の人員配置をやるということ。今後の検討課題であるが、機動隊を暫定的に使ったらどうか、後方部隊の事務合理化により人員を重点的に前線に配置したらどうかなどの意見が出た。

速報版のため、事後修正の可能性があります。