警察刷新会議第11回会議記者会見概要

1.日時

平成12年7月13日(木)
10時25分ころから11時15分ころまで

2.場所

グランドアーク半蔵門 3階 「華」

3.応答者

警察刷新会議 氏家座長、樋口座長代理、大森委員、大宅委員、中坊委員、後藤田顧問

4.概要

  • 「警察刷新に関する緊急提言」を取りまとめ、国家公安委員会委員長に手渡した。
  • 国家公安委員会委員長から、提言を重く受け止め、責任を持って警察の刷新改革を推進し、その実施状況については、節目、節目に委員に報告する機会を設けたい旨の発言があった。

5.一問一答

本日提出された提言とこれまでの議論を振り返っての感想、意見を伺いたい。

氏家座長

これくらい一生懸命取り組んだ仕事は最近なかった。6人の委員が本当に燃えて取り組んだことは間違いない。国民が一億人もいれば、批判もあるとは思うが、最善と思われる結論を出すことができた。この提言を早急に実現することで、警察刷新の実が挙がるように、今後とも政府、関係方面に働きかけると同時に、徹底したフォローアップを行っていきたい。

樋口座長代理

警察に対する国民の関心がこれほど大きいと感じたことはこれまでになかった。具体的な刷新改革を、警察庁及び国家公安委員会を中心として、いかに進めていくかについて、注視していきたい。

大森委員

今回の提言を前向きに受け止めて実行すれば、必ずや国民の信頼は回復できる。刷新された新しい警察として21世紀を迎え、進むことができることを確信している。国民の信頼は必ず回復して欲しいし、また努力によって回復できることを信じている。

大宅委員

いろいろな審議会に出席したが、自分たちで回数を増やしたりする審議会というものは初めてだった。批判は受けるが、初めから100点満点の改革案はないということを分かっていただきたい。飲み屋で警察がけしからんといくら言っても何の改革の道筋にもならない。自分で意見を言う人が出てこない限り、何も改革が進まないという気がしている。問題はこれから後のチェックであって、本当にきちんと改革が進むかどうかを見てもらって、実のあるものにしていただきたい。

後藤田顧問

意見が一致するまで議論を深める、多数決で決めるようなことはしない、という審議の運営の仕方に基づいて激しい議論が交わされた。従来の諮問会議とはまるっきり違う、充実した意見交換の結果が、この提言であったのではないか。国家公安委員会が提言を受け止め、政府がこれを基礎にしながら、是非とも刷新改革を実行していただきたい。

中坊委員

提言は、最善ではないかもしれないが、最良のものではなかろうか。本日の提言に基づいて、国家公安委員会と警察は、刷新に立ち向かっていただきたい。今回の刷新会議には3つの大きな視点があった。1つ目は、国民の代表として警察に対してものを言うということ。2つ目は、今回の警察の不祥事は偶然出てきたものではなく、極めて構造的なものであるから、提言は抜本的なものでなければならないということ。3つ目は、提言として、具体的な処方箋を書くということ。国民にとって頼りがいのある警察にならなければならないが、同時に緊急性を持っている。もっと時間をかければ最善のものが考えられたかもしれないが、限られた時間内においては、最良のものを出し得たと思っている。

会議自体はこれで解散になるわけだが、具体的なフォローアップは今後どのような形になるのか。

氏家座長

公安委員会委員長の話にもあったとおり、進捗状況について節目、節目に報告される、それに対して意見を述べるということになると思う

今回の提言の中で、どの部分に改革のポイントがあると思うか。

中坊委員

何を一番根本的に直していくかということから物事を考えていかなければならない。警察は閉鎖性を持っており、犯罪捜査、予防ということで秘密になりがちである。そこで情報公開を一番に取り上げた。2つ目には、警察は怖いところ、しっぺ返しを食らうというのが国民の間に根強くある。警察にものが言えないというところを直していくため、警察に対する苦情申出権を認め、文書による苦情申出については、文書をもって回答しなければいけないこととした。このように、情報公開をした上で国民との接点を作り、それから警察内部の監察、警察の在り方をチェックする公安委員会の実質化、さらにはこれらをもっと強化する意味における人の問題とかに触れていくという順序で議論を進めることができたことに一番の意味があったと思う。

後藤田顧問

最近の警察の一連の不祥事の続発の原因は、成熟社会が背景にあり、個人中心の生活感覚が社会一般にびまんしているのではないか。それが公務員、ついには競争のない、しかも人権に関係する権力行使を行う警察にまで及んできたのではないか。一番大事なことは、幹部は幹部なりの役割で「ノブレス・オブリージュ」ということを考えなければ、この組織は成り立たないのではないかということ。また、一般の警察官も、住民と一緒になって住民に顔を向けて警察の仕事を行うということでないと、今日の警察は立ち直ることはできないおそれがあるのではないか。

警察には、国の公共の秩序を維持するという役割と、国民の生活を守るという保傅(ほふ)の役割とがある。時代の変化に応じて柔軟に組織、運営を変え、保傅の警察、つまりは国民の生活を守る、不安感から解放するといったような、言葉どおりのお巡りさんになって住民の中に溶け込んだ警察に重点を向けてもらいたい。

大森委員

人が制度を運用しているということから、人と制度の両面から考えていかなければならない。不祥事が続発するに至った原因を考えたときに、これは単発的な事柄の重なりではなくて、制度疲労に基づく構造的な問題として捉えるべきであろうと話したことがある。これを防ぐための刷新策を考える場合には、当面即効的な策と根本的な原因を除去する策の2つを組み合わせて考えざるを得ない。最終的には、第9章の「人事・教育制度の改革」が成果を上げて初めて安心できる事態が生じると思う。これを実現するにはかなり長い時間の絶えまざる努力が必要と考えている。

大宅委員

名札を着けるということを、現場の方の抵抗はものすごく強いと思うけれどもやってほしいという気持ちがある。今の日本は責任感、使命感といったものを気にしなくても生きていける国になってしまった。昔は、権利、権限を与えられた人に対しては、国民は感謝と尊敬の念を抱き、与えられた側は誇りを持って仕事をしていた。「警官だって人間だ。」と言ってしまってはおしまい。名札を着けることで誇りを持ってやっているということになってくれればと思っている。

樋口座長代理

国民あるいは市民社会の視点が一番重要だと考える。提言には、その実現に時間がかかるようなものもあるが、期限を区切って全部やってもらいたい。

警察は、情報が入ってこなくなってきている。情報は漢字で「情に報いる」と書くわけだが、これはうまく書いたと思う。始めに情報をくれと言ってもだめ。制度そのものの中に働く人が近隣の人と心が通じていれば必ず情けに報いて情報が入ってくる。警察もかくあってもらいたい。

氏家座長

目次に書いてある項目は、順番にかかわらず、当面重要だと思っていることである。緊急性の順番で書いてあるが、事柄の重要性はどの項目も同じであると認識している。

今、警察の窓口に行って「ああ、よかった。」と言って帰ってくる人はほとんどいないそうである。警察に相談に行って「よかった」と思われるような警察になってもらいたい。

我々が子供のときはお巡りさんに親しみがあった。親しみのあるお巡りさんが日本の治安を維持していくようになってもらいたい。また、親しみのあるお巡りさんが報われない、ただ誇りだけでやっているというのもあまり近代的ではない。誇りを持ってやっている方が、社会的にも報われるシステムを作るべきである。

速報版のため、事後修正の可能性があります。

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