人事・教育制度の改革について

1 いわゆるキャリア制度

キャリア警察官は、警部補として採用されると、警察大学校での研修や都道府県警察での9か月間の見習い勤務を経験しただけで、1年2か月後には警部に昇進する。その後、約2年間の警察庁勤務を経て、4年目には警視に昇進(今年からは警視昇任を順次延長)、県警の捜査2課長や公安課長などのポストに出向する。

しかし、若い時期における現場経験は必ずしも十分でなく、時に、国民の感覚から遊離し、指揮官としての資質に疑問符がつくキャリア警察官が見受けられるのも、こうした現場経験の不足に因るところが大きいのではないか。この際、登用・選別方法、教育内容、人事評価制度などを多角的に見直し、社会の安全を守るという使命感に裏打ちされたキャリア警察官の育成に取り組むべきである。

  • ノブレス・オブリージュを自覚させる。
  • 若い時期における現場経験の充実を図る一方、警察本部課長等への赴任までの期間を延長する。
    • 現在の9か月間の都道府県警察における見習い勤務期間を2倍程度に延長し、巡査、巡査部長と共に交番で勤務することからスタートさせ、現在の2か月間の交番勤務期間を3か月から6か月程度に延長する。さらに、この後、刑事特に被疑者の取調べ、交通、生活安全、相談窓口などの主要業務を経験させる。
    • 最初の現場勤務を終えた後は、警察庁において行政官としての勤務をさせ、さらに、国際的な視野を持たせるため海外留学を経験させる。
    • その後、初任地とは別の都道府県警察に出向させ、一線署課長代理、警察本部係長等の現場のまとめ役を経験させる。
    • これにより、警視昇任は入庁7、8年後となり、捜査2課長等への就任は年齢にしておおむね30歳以降となる。この見直しは、ノンキャリア組との年齢格差の是正にもつながる。
  • キャリア警察官は、国際捜査などの知識や指導能力が期待される一方、行政官としての能力が求められることから、実務経験を積む過程で、能力、適性を的確に人事評価し、採用年次にとらわれない適材適所の人事配置(年功序列の排除)、警察本部長への一律登用の排除等その後の異動の参考とする。
  • いわゆる推薦者の警察本部長等への積極的登用や、都道府県警察採用者の適材適所の人事配置を行う。
  • 都道府県警察の優秀な人材を一時的に警察庁の課長補佐、あるいは他府県の課長などに2、3年間出向させ、終了時にはまた採用地に戻すという人事交流制度を充実させる。
  • 職員の能力、適性、性格等を客観的かつ公平に評価するよう努める。

2 第一線における各級幹部の能力と資質

  • 警察が精強な執行力を確保できるか否かは現場の中核である警部補の能力いかんにかかっていることから、その適切な教育、配置、運用を進める。
  • 昇任時教育については、その期間を延長し、各級幹部に必要な知識を確実に教授するとともに、ゼミ方式等により問題の発見・解決能力を高める。

3 職務への取組姿勢、倫理観

  • 学校での各種教育において、服務に関する実践的教育を充実させ、職務倫理意識、とりわけ国民に奉仕するとの自覚の徹底向上に努める。
  • 教官には人格的に優れ、実務に関する経験と能力に秀でた者を充てる。
  • 採用試験において、警察幹部による面接試験の比重を高め、使命感、正義感が強く真に警察官たるにふさわしい者の採用に努める。

4 新たな治安上の課題への対応

  • 各種専門能力を有する者の積極的な中途採用や、女性警察官のより積極的な採用を図る。
  • 学校における専門教育、部外の研修への派遣等により、新たな治安上の課題に的確に対応する。

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