国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 平成21年9月24日(木)11:29~11:50

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要  本日10時から、定例の国家公安委員会が開会をされまして、ご報告をいたします。出席者は、私を含めて、5人の委員全員でございました。

      議題が1件ございまして、警察庁長官及び地方警務官に係る人事評価実施規程について、そして報告は7件、それぞれの局からございました。お手元にお配りした案件以外では、刑事局長から酒井法子さんの別荘放火事件とみられる案件について、少しご報告をいただいたところでございます。

委員の皆さんからは、人物評価制度について、あるいはインターネット・ホットラインセンターについて、あるいは会計検査院からのご指摘の問題について等々で幾つかの質疑があったところでございます。以上が定例会の報告であります。

問  長官、取調べの全面可視化の方針プラスアルファ、おとり捜査であるとか司法取引等という捜査機関に武器を与えるという方針について何かお考えはありますか。

答  (長官)私どもとしては、大臣の考えをよく伺いながら、第一線における捜査の実情を踏まえて、こうした問題につきまして、適切に対応してまいりたいと思います。

問  今日の報告にないことでなんですけれども、もし現時点で大臣にご所感があればということでお伺いしたいんですが、先週末に福岡県で暴力団を排除する条例案が議会に提出されまして、暴力団を利用したり、暴力団に資金提供した事業者側も罰せられるというかなり踏み込んだ内容の条例案なんですけれども、これについて、今、現段階でどういった評価等、もしおありでしたらお願いします。

答  (大臣)詳しくまだ報告を聞いているわけではございません。ただ、今月末、長官が明日から新潟に行かれるようですが、お帰りになって、全国捜査関係課長の会議の中で、暴力団対策について格別に踏み込んだご発言があるとのご報告がございました。その質疑の中で、少し福岡の暴力団のことについて委員の中から、格別注意をしてやるべきだというご指摘もございました。そういったことも踏まえて、長官のご報告も十分聞きながら対応していきたいと考えてます。 

問  長官にお聞きしたいんですけれども、先週、一部報道に出たんですが、栃木県の今市で、2005年の12月に小学校1年生の女児が連れ去られて遺体が遺棄されるという事件がありましたけれども、その件で、犯人特定の手掛かりになると見られていたいわゆるDNAが、栃木県警の元捜査幹部のものだったと見られるということが判明しまして、捜査活動中に付着したとみられるわけなんですけれども、再発防止策等を含めて、長官の考えがあればお聞かせ下さい。

答  (長官)本年5月に捜査の過程において、ご指摘のような事実がありましたという報告は受けております。栃木県警察だけに限らず、全国の警察の現場では、やはり現場に捜査員が臨場する場合には、帽子とか手袋とかマスク等の着用について徹底して、従来もそういうことを気を付けてやっていた中で、こうした事案があったということでして、栃木県警はこの時点で再発防止策を徹底しておりますし、また改めて警察庁としても全国都道府県警察に対して指導を徹底してまいりたいと思っております。

答  (大臣)今の件で報告忘れたんですが、刑事局長の報告の中に、この足利事件に関連して、菅家さんが平成3年、別件で逮捕されて平成5年に嫌疑不十分で不起訴処分になった件について、被害者の父親から再鑑定の嘆願書が出ているのに鑑みて、手続きをとってDNAの再鑑定をやるという決定をした経過、あるいは、再発防止についての第三者委員会、これらのことについて公安委員会で報告があったことを申し上げておきます。

問  今、委員長が仰った栃木の平成3年の万弥ちゃん殺しの事件についてですが、遺族のご要望もあったということでありますけれども、この事件は既に公訴時効が成立しておるわけでして、DNA鑑定をやる意味合いについては、刑事局長から報告はございましたでしょうか。

答  (大臣)この時効については、こういうふうに考えて対応するとか、あるいはまた、古い事件だからDNA鑑定して本当に何か出てくるかとか、いろんなことがあると、また技術的なこともあると、しかし、強いご要望の下で、しかも警察の捜査の違いということの反省もあって、一応、今やれることをやってみたいと、こういうご報告であったように聞かせていただきました。

答  (長官)若干、補足しますと、足利事件で、菅家さん自身が一度、自供をされているということもあるので、菅家さんの名誉ということもありますでしょうし、また、時効は確かに完成している、形式的にはしておりますけれども、真犯人が明らかになっていないということでありますので、公訴時効の進行が停止している可能性が全くないとはいえないとか、そういうような諸々の判断である旨の報告が刑事局長からありました。

問  長官にお伺いしたいんですが、先程、暴力団の関係で対策という話をされましたが、銀行業界の方で、暴力団関係者と判明した場合は口座の停止などをするということが進められるようなんですけれども、その辺に関してお伺いします。

答  (長官)昨年の11月に、銀行業界がまずはじめに融資取引について、反社会的勢力の排除ということで踏み切ったわけでありますが、今回、普通預金取引、当座勘定取引等の取引からの反社会的勢力の排除にも取り組むということが決定されたわけでありますが、こうした取組みにつきましては、警察としては反社会的勢力の銀行取引を通じた資金獲得活動を遮断するという治安対策上も有意義であり、高く評価をいたしたいと考えております。今後も、銀行業界との連携を図りながら、反社会的勢力の排除ということをさらに推進してまいりたいと考えております。 

問  大臣が先日仰っていた、取調べの可視化とセットにして司法取引ですとかおとり捜査をやるというお話なんですけれども、公安委員の他の方とはお話される機会はなかったのかということと、党内とか連立与党を含めて、その後何かお話されたりすることはなかったでしょうか。

答  (大臣)党内的には、小沢幹事長の方から、こういう形で内閣と政策決定システムを作るという通知が来ております。これを見ましたが、国家公安委員長の下には副大臣も政務官もおりません。私一人でございますので、党との調整や、あるいは党の会議等、どこの部門でやってもらうかということについて小沢幹事長と詰めたいし、内閣とも詰めていきたいと考えています。内閣には既に、そういうことを対応するようにと申し入れてありますが、小沢さんには、今月中にアポイントを取ってお目に掛かって、そのような実態を申し上げて、そしてその上で実際的にスタートを切っていきたい、このように思っております。

他の委員の方とは、この次の昼間、時間のある時にやらせていただきたいと前回申し入れをしてございまして、今日は時間もございませんでしたので、この記者会見の、こういう状況でやらせていただくという了解を正式に取っただけで、以降に持ち越されておりますが、党内でやる、あるいは閣内でやる前に委員の皆さん方にご理解をいただきたい。なおかつ、それだけでなしに、死因究明とか、民主党の考えている方向についても一度ご説明をさせて下さいと申し上げておりますので、これら全般についても委員各位のご理解をいただきたいと考えております。

問  取調べの可視化に関することなんですが、取調べの全面可視化については、結果的に治安の悪化につながるんではないかと指摘する意見もあるんですが、それについて長官のお考えをお願いします。

答  (長官)これは、今まで申し上げておりますけども、一般論として申し上げれば、取調べの全過程を録音録画することとなれば、我々捜査の任に当たる立場からしますと、真実の解明という問題について影響を及ぼすのではないかという懸念を従来から申し上げているということです。

問  それに対して、司法取引やおとり捜査などが加わることで、治安の悪化を避けられるという考えでしょうか。

答  (長官)新しい捜査手法自体については、以前から警察、検察の課題でありまして、これにつきましては法務省などと緊密に連携して検討すべきもので、これまでもそうでありますが、いずれにしても私どもとしては、先程申し上げておりますように、大臣のお考えを伺いながら、第一線における捜査の実情を踏まえつつ、これらの問題について適切に対応してまいりたいと考えております。

答  (大臣)僕には聞かないですか。今長官は、大臣のお考えということを言われたが、これは民主党のマニフェストに載っている公約ですから、ここのところはお間違えのないようにしていただかなければなりません。逆に言えば、いろんな捜査方法を付与していくというのは、僕の考えが強く出ています。党内全体が、全部賛成かどうかについては、これからの論議になっていくんだろうと考えています。しかし、マニフェストに書かれたことを実行するということでスタートした内閣ですから、ここのところはぜひ皆さんも、私個人でやっているんじゃないということをご理解とご協力をお願いいたします。

問  先程大臣のお話のあった二点についてお伺いしたいのですが、一点は、今度長官が捜査課長会議で踏み込んだ発言をなされるんじゃないかということだったんですが、具合的にはどのようなことをお考えなのかお話いただきたい。それから、DNAの話の中で、第三者委員会を設置するような話をおっしゃられたんですが、どのようなことに対して調べてもらう第三者委員会なのかをそれぞれお答えいただけますでしょうか。

答  (大臣)これは長官にお聞きになったほうがいいかもしれません。捜査担当者会議でご発言ということについて、私どもが聞かせていただいて、その中で暴力団問題というのがあり、その質疑の中で福岡県のことがありましたもので、ちょっと私が漏らしてはいけないことだったかも知れませんが言いましたので、長官からご答弁いただきます。

答  (長官)これはですね、間もなく明らかになるわけですけども、暴力団対策につきまして、山口組の一極支配の中で、この山口組に対して、取締りを行っていくと、今の段階ではそういうことでご勘弁をいただきたいと思います。

あと、第三者委員会につきましては、これは、第三者から意見を聞きながらきちっと調査していくということであります。

問  長官にすみません。カメラが入る会見になったんですけども、これに対するご感想、コメントをいただければと思うんですが。

答  (長官)初めてのことでありますので、慣れない訳でありますが、これからよろしくお願いいたします。  

答  (大臣)いいコラボレーションでやってますから。

問  暴力団対策で、暴対法ができて18年くらい経つと思いますが、大所高所から見て、暴力団対策全般について、法制面などでこういうところを手当てするべきではないかというようなお考えはお持ちですか。  

答  (大臣)僕はあまり詳しくありませんが、昔の警察の暴力団対策と、今の暴力団とは質も何もかもが変わってきているんだろうと、その中で大変現場が苦労しているんじゃないか。そういう意味で法制面の抜け穴があるのであればできる限り埋めてあげたい。おとり捜査等も含めてやり方にどのようなものがあるのかということを、一編現場のご意見も充分聞かせていただきたいと考えています。二つ目は、国税等といろんなつながりの中で、脱税とかに対して捜査がもっとできるようにする方法があるのかどうかということ。時々おやりになるけども、踏み込んだ時には現金が一銭もないという状況で税金をほとんど取れてないんだろう。この面からの対策というのはやはり他省庁との協力というのが要るんだろう。それから三つ目は、国際的な関連、韓国、中国と、あるいは場合によってはアメリカとも、これまでもやっていたんでしょうが、司法当局との密接な連携がなければ到底麻薬事件などには対応できないんだろう。当局側にそういう意見も聞いてもらって、現場の具体的な反応を聞きした上で、共に対応を進めていきたいと思います。