国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 平成21年10月8日(木)12:07~12:27

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要  12時30分から本日帰国した国際緊急援助隊の隊員の方にお礼を申し上げる会を公安委員の皆さんとやりますので、時間短い中で恐縮でありますが御協力をお願いいたします。

      今日は10時から、公安委員の皆さんと私との可視化法案それから死因究明の法案についての第一回の話し合いがスタートをいたしまして、私から国会へ提出いたしました法案について、あるいはまた背景について、それからどういう手順を粗々考えているかということ等について御報告を申し上げ、委員5人の方々からそれぞれに、大変有意義な、また示唆に富んだ御意見を頂戴いたしました。今後とも、内閣の中あるいは党の中、これらの件について動きがある度にまた御報告し相談申し上げるということを申し上げたところでございます。その後、公安委員会定例会議が開かれまして、お手許にありますような案件について報告がございました。また、台風の現在までの被害状況についても、和歌山での死者1名があるということを含めて、報告がなされたところでございます。議論は、そうあったわけではありません。膨大な報告でございましたので、報告の時間が掛かったというところでございます。予算の問題等についても、少し議論が行われましたけれども、これはこれからということでございますので、具体的には申し上げることは出来ないかと考えております。以上がだいたいの御報告でございます。

問  長官にお聞きしますが、薬物の依存問題で、この間、一部の芸能事務所が芸能人への薬物検査を任意で始めるという思い切ったことを公表したんですけれど、このことへの御所見をお聞かせ下さい。

答  (長官)先月9日に、警視庁が芸能関係の3団体と違法薬物撲滅・根絶のために積極的に取り組むことを申し合わせたことろであるというのは御案内のとおりであります。警視庁では、複数の芸能プロダクションから依頼を受け、所属タレント、マネージャー等を含めて約300名を対象に薬物乱用防止研修会を数回実施していると報告を受けており、今後とも関係団体との申し合わせに沿った様々な取組みがなされるものと我々は認識しております。芸能界において、研修会や薬物検査など、薬物事犯の一掃に向けた取組みがなされていることは、社会全体での薬物乱用防止の機運を高める意味でも、歓迎すべきことでありまして、警察としても、出来る限りの協力をしてまいりたいと考えております。

問  取調べの可視化について説明があったんじゃないかと思うんですけれども、何か委員から出た、取調べ可視化についての御意見をもう少しお聞かせいただければと思うんですけれども。

答  (大臣)個々の御意見ですから、余り私から具体的に申し上げることではないかと思ってますが、私のかねてから申し上げております可視化に伴う新たな捜査手法という中で、やはり御専門ですから、私の発想外のような、こういう方法もあるんじゃないかという御提議を頂いたり、皆さんと同じような御心配を頂いて、可視化ということを早急に考えるよりも、死因究明の方を具体的に進めるのがいいんじゃないかと、手法としてね、というサジェスチョンやらを頂いたと思っております。約1時間に渡って議論をいたしまして、またこれからも、追い追いとやらせて頂こうと、こういうことになりました。

問  取調べの可視化と共に捜査手法ということで、おとり捜査ですとか司法取引ということなんですが、おとり捜査というのは拡大すると、国家が犯罪を作るんじゃないかという部分ですとかという議論は。

答  (大臣)いや、そんな議論ではありません。私がこう申し上げた、それ以外にこういうことを考えたらどうですかというサジェスチョンを頂いたと、それはびっくりした、それはその通りだと、それから同時に、可視化ということだけじゃなしに、諸外国と比べるというのなら、日本の捜査全体の在り方、欧米との違い、こういうことを頭に置いて、局地的な変更ということじゃなしに対応を考えるべきだという大所高所の御意見もございました。

問  司法取引がやはり日本に馴染まないんではないかという具体的な話はなかったですか。

答  (大臣)それはなかったです。そこまで1時間では到底難しいですし、またこれからやってまいります。

問  長官にお尋ねします。いわゆる未解決の重要事件についてのお尋ねなんですけれども、いずれも1995年、平成7年に、一つは八王子で起きたスーパーナンペイでの女性射殺事件の関係なんですが、先頃、捜査員を中国の方に派遣されて、事件に関して言及していたとされる男から事情を聞いたという報道もありました。時効まで残り1年を切って、少なくなった時間なんですけれども、事件の解決に向けてどのように取り組まれるかお聞かせ下さい。また、同じく1995年、平成7年に起きた国松長官の狙撃事件は、いよいよ時効まで半年を切ることになりました。これについても事件解決に向けた取組み、意気込みなどお聞かせ下さい。

答  (長官)まず、八王子の強盗殺人事件でありますが、これは御案内のとおり来年の7月30日に発生から15年が経過するということになるわけであります。現在、警視庁において、被疑者検挙に向けまして、関係者の事情聴取その他の捜査を鋭意推進しておりますが、残念ながら事件の解決には至っておりません。警察としては、このような残忍な犯罪を野放しにすることは許されないと考えておりまして、残された期間、あらゆる可能性を視野に入れて、引き続き、被疑者検挙に全力を注いでまいりたいと思っております。2点目の長官狙撃事件につきましては、今、御指摘のように時効まで半年ということになったわけでありますが、この事件は、我が国の治安に対する挑戦と言うべき極めて重大な事件であり、必ず犯人を検挙して、事件の全容解明を図らなければならないと認識しておりますけれども、これも未だ解決に至ってないのは残念だと思っております。警視庁におきましては、現在、これまでの捜査資料の見直しを行う一方、新証拠の発見に向けた地道な努力を続けるなど、様々な角度、観点から捜査の一層の促進を図っていると聞いております。いずれにしましても、残された期間でありますが、解決に向けて全力で頑張ってまいりたい考えております。

問  死因究明の件ですが、自民党の方でも勉強会をやられたりされてますけれども、法案も流れてから時間が経っておりますけれども、今後の手順については大臣どのように考えていらっしゃいますか。

答  (大臣)先ほどの会合でも少し申し上げたんですが、解剖率が1割位にしかなっていない。こういう状況の中で、見過ごされている犯罪も多い可能性もあるわけです。したがって、47都道府県、全部に解剖医を置いてきちっとやっていけるという体制になるには大変な人とお金もいります。これらを、私共の法案は、5年掛けて5割位、解剖できるように持って行こうというところでございます。同時に、内閣府の中に研究所的なものを作っていこうということでしたが、今日の委員会の皆さんは、とにかくそういう新たなものを作るよりも、今、解剖率を上げるというのを急ぐべきだろうと、それについてみんなでお手伝いしてあげるよと、こういう言い方でございます。また、自民党さんとは国会の中で共同で勉強会をいたしました。民主党の細川君がかなり頑張ってやりました。しかしその時は、僕らは野党ですから、与党を入れ込んで実現可能な法案をということでいたしました。民主党の者に対してましては、民主単独でやれる分は、もうきちっとやるんだというところで、法案の中身をもう一度チェック仕直せということをお願いしたところでございます。例を挙げて恐縮ですが、中川先生の解剖なんかも一月位経たないと原因が分からない。慎重にきちっとおやりいただくというのは、それはそうでしょうけれども、ちょっと混みすぎてる。東京都なんかでやる場合には混みすぎてる。しかし、よそではもうほとんどやられないという状況の中で、私共は死因究明について、もっと医学的な見地から判断ができる体制を早く日本中で作り上げていきたい、こういうところを主眼に考えております。

問  長官にお伺いしたいんでですが、先日、振り込め詐欺でまた新たに強化月間ということを発言されておりますけれども、昨年来の対策で、ピーク時の3分の1程度に減ってると認識しておりますが、今後はどのように取組みをされるかお聞かせ下さい。

答  (長官)今後の対策については、御案内のとおり、来たる10月15日より集中的な取組みを推進する予定であります。警察は、振り込め詐欺を、治安に対する新しい脅威だと認識し、昨年来、官民一体となった諸対策を強力に推進して被害を大幅に減少させたわけでありますけれども、しかしそれでもなお年間被害というのは100億円に迫るペースであり、予断を許さない状況であるというふうに認識しております。予断を許さないということの認識の中身を申しますと、まず、検挙の面からは、やはり依然として手ごわい詐欺グループが生き残って犯行を繰り返しているという点が一つ大きな問題であります。次に、防犯対策の面から見ますと、先頃、被害者及び一般国民に対する調査というのを行ったわけでありますが、それで分かったことは、相当数の国民の方が振り込め詐欺と疑われる電話とかメールとか郵便物等を受け取っていて、詐欺グループの標的とされているということが判明したということ、そしてその一方で、国民の抵抗力の方は未だ十分な水準に達していないということがこの調査で窺われたということだと思います。ですから、この手ごわいグループをどう壊滅するか、国民の抵抗力をどう更に高めていくかというハードルを越えないと、我々が目標にしている撲滅に近付かない。したがいまして、警察としては、国民の皆さんに対して、自分自身を守るための注意力を高めていただきたいということと、詐欺グループから受けた電話等の内容を速やかに警察に情報提供していただきたいということを呼び掛けをいたしたい。そういう迅速な情報提供により検挙を迅速にやるということによって、撲滅に更に近付いてまいりたいという決意であります。

問  補正予算なんですが、再度の見直しの要請が来てると思うんですが、大臣としてのお考えは、どのように考えておりますでしょうか。

答  (大臣)古川副大臣から、各省庁担当の副大臣が呼び出されて会議が行われましたが、私の所は副大臣がおりませんので、文章と電話で来て、中身を聞かせていただきました。まだ少し削れるところがあるのかなというところで、少額ですが削れということについては、これはもう協力する。しかし、残りは、なかなか技術的にあるいは必要度から言って難しいかなと思ってます。事務方が提案をして、また僕がシンガポールから帰ってきてからやるんだと思いますが、そこら辺は十分説明していきたいと思ってます。不要不急のものを削る、節約するというのはもちろんであります。同時に、今回、予算全体は、地方へ配分するもの等について、配分をまだ内示してないのなら、これはやめたらどうだと、こういう形で各省庁はおやりいただいているようでございますが、警察の場合には、この補正の機会に念願の近代化、技術的な向上というものを思い切ってやったというところで、しかも地方へこれを分配するんじゃなく、警察自らで国費でやっていくというものが、少し内示がまだだという形の中で、他の省庁と同じようにチェックしたらどうだ、見直したらどうだという話が来てると聞いてます。ここら辺は十分説明して、必要性というものも主張していきたい。ただ、内閣の大方針については、これは従っていきたいと考えています。本予算についても、概算を削っていく、そこへ可視化や死因究明の調査研究の新たな予算を付ける、そしてAPEC関連の警備の予算を付ける、それで本年の本予算よりも額を削れということですから、これはもう至難の業だろうと思ってまして、15日に向けて事務方と十分連携を取りながら、私も発言できるときには発言していきたいと考えてます。

問  刑事局から報告がありました足利事件の録音テープの開示ですが、これは昨日問題になった、検察からの開示のことでしょうか。

答  (大臣)そうです。これについては、委員の先生からは質疑ありませんでした。