国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 平成21年10月15日(木)11:34~12:04

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要  お手許にお配りしましたような案件、他に長官から近々行われますいろんな会議についての訓示の大体のお話等いただきまして、また、私自身ICPOに行きました報告等もさせていただいたところでございます。また、補正予算、来年度予算等についても、公安委員の皆さんに対する説明がございました。補正予算の削除ということに関しては、更に踏み込んでいただいて御協力を事務方に随分していただいたと考えております。本予算に関しましては、APECの問題、警備の問題がございます。今週の閣議後の会見で申し上げましたように、APECの警備予算、90億に近い金額を含むとどうしても昨年度予算をオーバーすることになります。このAPECの警備の予算を分離してくれということを閣議でも申し上げました。16日、藤井財務大臣にお目に掛かって、これらの点を詰めていきたいと考えております。そんなことについて、公安委員会の皆さん方に粗々の御説明もあったところでございます。所在不明者発見活動に関する規則について、3つ4つ公安委員の皆さんから議論がございました。これらを受けて、手直しをした後、パブリックコメントにかけるということになりました。以上、大体の御報告でございます。

問  長官にお伺いしたいんですけれども、この報告の案件にも入っていますが、福岡県の条例について、事業者の暴力団に対する利益供与の禁止を盛り込むという特徴があるようですけれども、この条例制定についての中身を含めての御見解をお伺いします。

答  (長官)今お尋ねの福岡県の条例につきましては、このような暴力団排除のための施策というのを幅広く盛り込んだ条例が制定されるということは、これまで初めてだと思いますが、そういう意味で、暴力団対策を推進する上で重要な意義があると考えております。警察庁としては、今後、他の都道府県警察に対しまして、それぞれの地域の実情を加味した暴力団排除のための施策を幅広く盛り込んだ条例の制定に向けた検討を促していきたいと思います。こうした動きが全国に拡がることによって、社会全体で暴力団を排除する機運というのが一層高まっていくことを期待したい。そういう意味で、この福岡県の条例というのは、非常に象徴的な意味でも重要だと思います。

問  長官にお尋ねしたいんですが、ファイル交換ソフト「ウィニー」を作って公開して、著作権法の幇助の罪で起訴された人が、大阪高裁で逆転無罪判決を受けたんですけれども、このことへの御所見をお聞かせ下さい。また関連しまして、インターネット上にある様々な違法なサイトや、違法と疑えるようなサイト、犯罪を助長しかねないサイトがありますけれども、これらへの対策としては、今後どのような点で強化されるのか教えて下さい。

答  (長官)まず、大阪高裁の判決については、司法の判断でございますので、これに対してコメントする立場にありませんし、今後の対応につきましては、検察当局において検討するものと思います。また、後段の質問で、いわゆる闇サイトとか違法サイトの対策でありますけれども、これまでも警察では三つのアプローチ、対策をしています。一つは、違法情報については取締りを推進するということ、二つ目は、違法情報が掲載されているのを知っていながら、これを放置しているサイト管理者については、これは共犯で検挙するなどの対策を進めております。もう一つは、検挙するに至らない違法情報や有害情報について、インターネットホットラインセンターを通じて、サイト管理者等への削除依頼を今実施しておりますが、その削除率が約80%ということで、かなり高い率になっておりますけれども、しかし100%ではありません。今後もこの三本柱で対策を進めていくわけでありますが、やはり違法情報や有害情報を100%削除するためには、更なる対策が必要と感じておりまして、今後、この違法情報の削除に応じない悪質なサイト管理者等に対する対策を検討していきたいと思っております。

問  取調べの可視化について、千葉法務大臣と昨日お話されたようですが。

答  (大臣)昨日、千葉法務大臣と短時間でしたが、会談をいたしました。会談の中身は、ICPOの会議の中で、米国のオグデン司法副長官と一時間程会談しまして、私の方から、拉致の問題に対する情報提供、あるいは協力依頼をいたしました。向こうからは、「児童ポルノ法案の成立はどうなっているんだ」という話等がありました。この法案についても、私自身も民主党の法案の中身、そして国会の自民党案との調整について十分承知しておりますし、民主党案の取りまとめは千葉さんが責任者でございます。したがいまして、私が海外に行っている間の代理をしていただきました千葉さんにお礼を申し上げ、この米国の話を伝え、臨時国会を含めて、国会の中で各党間の御努力を更に二人で求めていこう、出来るだけ早い成立を帰そうということをお話申し上げ、同時に、前々から言っております可視化、死因究明等について、どういう歩調でやるかということを、打ち合わせをいたしました。予算要求の中で、法務省は可視化についての勉強会をスタートさせるという予算要求の方針であるというお話をいただきました。私の方は、長官ともお話を申し上げ、また事務方にもお願いをして、二つの死因究明と可視化等の勉強会について、二本立ての予算要求をしてもらうということをいたしました。この二本立ての勉強会についても少し警察庁と打ち合わせをいたしておりまして、予算要求というのが認められると同時に、具体的に発足をさせていきたい。そして、1年半から2年くらい掛けて、両省庁勉強して摺り合わせをしていこうかというようなことは、粗々、昨日は雑談でございましたが、終えたところでございます。しかし、二人とも1年半も2年後もやっているかどうか分かりませんから、そこら辺も含めて、きちっとしたものをやっていこうじゃないかということを第一回の相談として話し合ったところでございます。

問  補正と本予算についてお尋ねなんですけれども、補正の新たな削除というのは、金額的にどれくらいで、どんな事業なんですか。

答  (大臣)まだ発表しないことになっているんだと思っておりますけれども、内閣の方針としては、今日、一括で出した後、各省庁それぞれ発表ということになるんだと聞いております。しかし、警察としてはかなり思い切って、不要額等はじき出していただいて、御協力をいただいていると僕は思っています。

問  閣議後の会見の中で、北海道と千葉の訓練場について少し削るみたいな話をされていたと思いますが。

答  (大臣)警察庁も場合によっては、この訓練場、片方はあきらめるかなという配慮もしてくれたんですが、僕は、それは駄目だということで、北海道の方の施設、太陽光発電等が施設に付いていますので、それを止めていただくという中で、10億円近いお金を浮かしていただくというような協力をしていただいて、二つとも施設としてはやっていく。こんな機会じゃないとやれませんから、というような形でお互い努力をして、かなり大きな金額になってきていると思っています。

問  それでは、その10億円以外にもプラスアルファがまだあると。

答  (大臣)それ以外にもございます。かなり大きな金額の上積みということでやっています。他の省庁もこれくらいやってくれたら3兆円突破しますがね。

問  一方、本予算の方は如何でしょうか。

答  (大臣)本予算の方は、先ほど申し上げましたように、APECの警備のお金がございますが、この金額は来年度限りでございます。したがって、それを外してもらえれば方針どおり、21年よりも少ない金額で出せると、しかしそれを入れると限度を超えてという形になると、だから形でいくのか、実質でいくのかと、16日、藤井さんともう少し詰めをさせていただきたい。私としては、APECの警備は、これはきちっと認めてほしいと思っております。

問  長官にお伺いします。足利事件の関係で91年の県警の取調べの中で、取調官の発言によって話す内容を変える場面が、テープに収められているということがこの間明らかになりましたが、自白を誘導されたんじゃないかと指摘されています。今警察と検察で検証中ということですが、そういう誘導めいたことが行われる危険性ということについて現段階でどのようにお考えでしょうか。

答  (長官)御指摘の本件テープについては、裁判手続きが進行中の案件に関するものでありますからコメントは差し控えたいと思います。一般論として、犯罪捜査規範には、取調べにおいて取調官が期待し又は希望する供述を相手方に示唆する等の方法により供述が誘導されてはならないものと書いておりまして、そのような供述の真実性を失われる方法を用いてはならないということは当然であり、今まで心してやってまいったわけでありますが、絶えず不断の努力をしていく必要がありますので、先般、警察大学校におきまして、取調べ専科を実施しております。こういう教養の充実に努めていくということと同時に各都道府県でも捜査員に対してより充実した教養がなされるよう、私どもとしても指導してまいりたいと思っております。なお、御指摘の足利事件につきましては、録音テープの内容を踏まえつつ、検証作業を進めていきたいと考えております。

問  長官にお聞きします。所在不明者発見活動に関する規則案についてですが、その背景として、近年、男女間のトラブルやストーカー行為が発展して、その果てに殺人事件になるという様なケースが散見されると思うのですが、今回の規則制定の意義についてどういうふうにお考えなのかをお聞かせ下さい。

答  (長官)ストーカー等についての今回の規則制定でどういう配慮をしたかということは後で申し上げますが、まず、今回の規則制定の意義については、ご案内のようにこれまでは次長通達である家出人発見活動要綱の規程であったのを、今回国家公安委員会規則に改めるということです。これは、所在不明者発見活動というのは国民の生命・身体の保護を図るための活動であるということでありますので、今回そのことを明記し、警察の責務を達成するための重要な活動であるということを明確に示して、意識改革を進めるとともに、警察署長の指揮責任を明確化することによって、組織として的確に対応することを明らかにするということです。また、今回規則案を検討するに当たりましては、過去の取扱いにおける反省教訓事項を踏まえて、今回はより強化しております。例えば届出主体の拡大であるとか、届出受理後に取得した情報の記録というようなことを明記しておりまして、いろいろ強化措置を取っているわけです。いずれにしても、これによって所在不明者発見活動のより確実な実施を図るという気持ちであります。つまり、今回の規則によって意識改革と組織的対応の強化ということを狙いにして、今後、より所在不明者発見活動への対応を適切に行っていきたいと思います。最後に、配偶者暴力やストーカー行為の件ですが、これまでも男女間トラブルを受けたものについて、加害者から届出がされて、被害者が発見された場合には、被害者の意思に反して発見の通知をすれば当然被害者の所在が加害者に明らかになるわけですから、この点については、これまでも被害者の保護を図るための措置を取ってきたんですが、今回の規則案の検討に当たりましては、こうした相手方からの届出があった事案については、本人の同意がある場合を除いては、発見の通知をしない旨をきちっと明記をして被害者の保護を徹底するということで、今回の規則案について、御指摘の点についても配慮する規定を置いたということは意義のあることだと思っています。

答  (大臣)この所在不明者発見活動に関する規則というのは、公安委員の意見が出まして、所在不明者と言うネーミングが悪いじゃないかと、行方不明とか何かもう少し人間に使うようなネーミングにしてはどうかというご意見でした。このことについて考えるということになりました。今のお話で、要は今までは親族からの届出と言うことで家出人捜査のような形になっていたんですが、それが、職場の上司、アパートの家主や施設の責任者などいろんな方が届出をして、これをきちっと受理してもらう。そしてそのシステムを警察庁で作って、早く捜索ができるようにして行こうということです。そこで先程仰ったストーカーやドメスティックバイオレンスの相手からの届出を被害者に累を及ぼさないようにしようというところを配慮した仕組みになっているということです。

問  大臣にお聞きしたいんですが、児童ポルノ対策についてです。民主党が先の国会に提出された案と自民党の案では違いがありますが、この辺は今後どのように調整していくのか目途がありましたらお聞かせ下さい。

答  (大臣)これは、一度前国会でほぼ調整まで行っていたんですが、今回大分メンバーが変わりましたから少し時間を要するとは思いますが、前回の国会の中の調整結果でいいではないかということは、昨日千葉さんと二人で話し合ったし、私自身もそれで結構ではないかと考えています。特に第一は単純所持についてです。千葉さんにも聞いていただいたらいいと思いますが、大体そういう感じでございました。

問  大臣、一昨日の会見の時にもありました可視化の勉強会についてですが、私的な勉強会と警察庁の中に勉強会を作るというお考えでしょうか。それは、変わっていませんか。

答  (大臣)変わっておりません。お願いをしておりまして、今少し、いろいろの調整をしていただいております。

問  それは、可視化については私的な勉強会を作るということですか。

答  (大臣)そうではなく、可視化も含めて司法取引やおとり捜査を含めて全体の取締の近代化、技術向上という大きな枠組みの中で検討してもらうということを申し上げています。その中にはもちろん可視化が中心になることは間違いありません。しかし、全体的にはそういう取調べのレベルアップをみんなで勉強してもらうということです。

問  私的な勉強会と警察庁の中の勉強会のイメージというのはどういうものでしょうか。

答  (大臣)大臣の諮問のようなアドバイザーのような形でやっていただこうと思っていますが、それはもちろん、(いろんな方から)ヒアリングをするということでございます。しかし、今お願いしておりますのは、警察の内部でも徹底的にどういうやり方が近代的であり、技術的に向上するのか、先程の行方不明者の問題の時にもDNAの話を出したんですが、DNAの蓄積をどうするかということも含めて、専門家には海外にも行って勉強してもらおうと思っております。

問  先程の児童ポルノの関連なんですが、民主党の原則に従えば、政府提案ということになると思いますが、その提出時期も含めて法案提出の形についてお伺いします。

答  (大臣)これは国対委員長と何も話していませんし、今の法務委員会の民主党の理事を見ますとずっと前から交渉も含めてやっておられた方がおやりになっておりまして、大体そういう方向でいいんじゃないかと、議員立法で両党の案を足してやってもらえばいいんではないかと、僕は思っております。そこまで、議員立法がだめだと言うわけではないでしょう。

問  大臣と長官にお尋ねします。中国製の毒餃子事件についてなんですが、先だって鳩山首相が中国の首相と会談した折に、この事件について毒の混入はやはり中国である、誠実な対応をとはっきり御指摘をされておりますが、事件から相当時間が経って、相変わらず中国側の捜査が進んでいないように見受けられるんですが、この事件を動かすためにお二人はどうされるのかという辺りをお聞かせ下さい。

答  (大臣)鳩山総理の中国首脳との会談で、どういう御発言があったかということはまだ私どもは聞いておりません。拉致の部分だけ聞いておりまして、大変申し訳ありません。早速確かめて、真意もお尋ねして、その結果を長官等にもお諮りして、中国側と対応したいと思っています。従来の経過も十分聞いてみたいと思っています。ただ、野党時代に鳩山さんと私どもであの事件の中国側の対応についていろんな話をして、大変残念な状況だということをお互い確認した記憶はあります。鳩山さんもそういうところから申されたんだろうと拝察をしておりますが、一応念のためにチェックを入れてみます。そしてまた御報告申し上げます。

答  (長官)御案内のとおり、この餃子事件についてはまだ解決を見ていないということで、これまでの我々の得ている情報では、もちろん中国当局としては捜査に全力を尽くしてやっていただいていると思っています。ただ御案内のとおり、この種の事件というのは日本の中でもなかなか難しい捜査でありますので、中国側としてもなかなか結果が出ないということがありますが、いずれにしても国民の食の安全に関することでありますから、これまでも政治レベルでも首脳会談で話題になるということも含めて、引き続き解決に向かっていろんな努力をされるよう期待したいと思います。

問  大臣、先程の所在不明者の規則についてなんですが、タイトルも今後変わるということでしょうか。

答  (大臣)工夫していただけるんだと思っています。

問  御指摘されたのはこの点以外は何点かあったんでしょうか。

答  (大臣)私もDNAの蓄積ということに関しまして少しお願いをいたしました。

答  (長官)規則案の中身について特段の異論があったわけではありませんが、タイトルに関して御意見がございました。

答  (大臣)規則を今度公安委員会の規則に直していくんでどうですかという問いかけをすることについて、公安委員会の皆さんからは、初めから公安委員会規則案として出したらどうだ、そして、直すならまた直したらいいという御意見でありまして、長官のお話しにもありましたが中身でどうこうということではありません。