国家公安委員会委員長記者会見要旨
1 日時 平成21年11月5日(木)12:05~12:23
2 場所 警察庁第4会議室
3 概要 お待たせをいたしました。今日は、官邸でアフガン関係の閣僚の懇談会が開かれておりまして、私は遅れて公安委員会に出席しました。そんな関係で、少し時間がずれ込みましたことをお詫び申し上げます。
今日は、議題が1件、そして報告が6件ございました。福井県小浜警察署員の殉職事案について、判っているところまでの報告がございました。私も、拉致の関係で7日に富山にまいりますので、もしお葬儀等あるようなら、お参りをさせていただきたいというようなことを申し上げておきました。後は、日本航空に対する威力業務妨害事件について、これは韓国に行きました時も、韓国の警察当局からも報告があって、韓国で逮捕されて日本へ強制送還された男でありますが、その後もJALを電話等で脅迫していたようであります。それを逮捕したという報告を受けたところでございます。天皇陛下の御在位20周年の慶祝行事等に関する警備についても御報告がございました。この日は、ちょうどオバマ米国大統領が来られるということで警備当局は大変なことだろうというような感じでございました。後、監察の方から何件かの報告もございました。これについて、幾つかの質疑が行われたところでございます。以上が大体の状況でございます。
アフガン関係の会議につきましては、警察当局と十分相談の上、警察として提供できる自動車等について報告をいたしました。今回の補正予算等で車両等を思い切って買い替えすることができますので、その買い替えされる車の中で十分使用に耐え得るものや、あるいは通信機械等使えるかどうか等を含めて検討して、提出できるとしたらこんな状況だということを岡田外務大臣や皆さん方に申し上げたところでございます。岡田さんの方からは、第三国でアフガンの警察官を訓練する、これについての資金供与、そして日本警察の人的援助、こういう依頼がございます。今、少し長官より遅れましたのは、警察当局に対しまして、現実にその国と本当に日本警察が協力出来るのか、何が出来るのか、大至急詰めてほしいという要望をいたしておりまして遅れたところでございます。こんなことを中心に議論がございました。外務大臣としては、数年にわたってトータルでこういう援助をしたいということをまとめ上げたい強い意向でございました。しかし、私や藤井財務大臣は、今、政権を引き継いだ時、単年度、これから本年度中にどのくらいのことが出来るか、こういったことを発表する、これが一番大事じゃないかと、こんなところで少し議論があって長引いたところでございます。今日の会議の結果を、官房長官が総理に上げて、その中で御判断をいただくという話になっています。
問 大臣にお聞きしたいんですが、リンゼイさんの事件で市橋容疑者の最近の足取りが明らかになってきているんですが、国民が注目する事件として何かコメントをいただければと思うんですが。
答 (大臣)報告がございました。写真等の入れ替えをして、新たに手配をすることにより是非逮捕に漕ぎ着けたいという強い意欲が伝えられました。未だに捕まっていないことは本当に残念ですし、届出ももう少し早くしていただければ、何とか捕まえることができたのかと思ったりしますが、しかし、届出いただいただけでも感謝をして、これを契機に一日も早い逮捕に結び付けてほしいと思っております。これに結び付くための情報公開をできる限りしていただいて、国民の皆様の御協力もお願いしたいと考えています。
問 委員長と長官にお尋ねします。先週のことなんですが、福岡で十数年前に起きた飯塚事件という殺人事件がありまして、被告は久間という人なんですけど、既に死刑が執行されております。その遺族が、警察のDNA型鑑定について誤りがあったということで再審請求を先週したところであります。今後どうなるのかは分かりませんが、公安委員会、あるいは警察としてこの件についてどういうふうに捉えておられるのか、お尋ねいたします。
答 (大臣)公安委員会委員長に就任しましてから、この件について具体的に尋ねたことはありません。しかし、野党の国会議員時代には、度々話を聞き、また、同時に私が法務大臣就任中は、国会開会中は死刑執行は無かったんですね。それが前々法務大臣から国会開会中でもやるということになって、それが受け継がれて、久間さんは死刑執行がなされた。それがもし、国会開会中にやらずにいたら、菅家さんの事件のような可能性もあったんじゃないかと思って、私は大変残念に思ったのを未だに心の中に抱いています。しかし、国家公安委員会の委員長としてそういうお疑いがあるということであるならば、もう一度自分自身でも捜査の経緯、あるいは、裁判の経緯等を尋ねてみたいと考えています。
答 (長官)今の件につきましては、御指摘のように司法の場で進められた手続きでありますから、警察としてもそれを見守りながら適切に対応してまいりたいと思います。
問 長官にお聞きしたいのですが、振り込め詐欺がこの9月、10月と再び増加傾向になっており、特にオレオレ詐欺が増えておりますけども、こういった増加傾向に転じた原因と今後の対策についてお聞かせ下さい。
答 (長官)振り込め詐欺につきましては、これまで御案内のとおり相当の対策を官民一体となって進め、ピーク時の四分の一程度に減少することができたんですが、ただ、依然として年換算しますと年間100億円に迫る被害が発生しており、これを見ますと依然予断を許さない状況にあります。また、今回強化推進期間を設定してやっているわけですが、その中で、取り分け首都圏を中心として、従来型といいますか、古典的なオレオレ詐欺が増加しまして、しかも被害に遭われた方というのは、多くが高齢の女性であるということで再び要注意の段階に入っているものと思います。従いまして、この前もコメントしましたけども、四分の一ぐらいに減ったものの、最後の四分の一のいわば岩盤が固いと思っています。したがって、プロフェッショナルな犯行グループが依然として活発であり、これをどう叩くかということ、また、これまでも官民一体となって、いろんな対策をやってまいりましたが、更なる知恵を出して高齢者の方を始めとした国民の抵抗力を高めるということをやっていかないと次の段階に一歩進めないんではないかと、そういった意味で、今は大変重要な時期ではないかと思っております。
問 長官にお尋ねします。今のことに関連するんですが、昨日の生安・地域担当部長会議での訓示で仰った、防犯ネットワークを重層的に形成することが治安維持への次の第一歩ですよと。その新しいネットワークの形成というのは、警察が主導して具体的な形で、もっと何か取り組んでいくというようなお考えを既にお持ちなんでしょうか。
答 (長官)例えば、従来の高齢者に対する防犯対策は家族や隣近所に対して行っていた訳ですが、最近では独居老人の方が増えるなど高齢者を取り巻く環境は変わっきています。そのような状況下では、むしろ医療や介護関係者等高齢者に接点がある方々にいろんな対策をお願いすることによって、高齢者の抵抗力を高めるということを振り込め詐欺対策では既に始めているんですが、そういうことをもっと広めていくことで防犯ネットワークをよりきめ細かにしていければと、こういう考えであります。
問 長官にお尋ねします。振り込め詐欺についてなんですが、この頃犯行を敢行する側が、日本国内の人間のみならず、中国に拠点を構えて中国から日本に架電をして、日中の出し子を使って高齢者を騙す被害が増えていて、摘発の実績も神奈川を始め幾つかあるようですが、中国当局との連携が無ければ大元を断つのは難しいと考えているんですが、これについてお考えがあればお聞かせ下さい。
答 (長官)御指摘のとおり、犯罪のグローバル化に伴って振り込め詐欺も国際的になっているということであります。一部検挙はしておりますが、見えてこない潜在的なものがまだ少なくないんじゃないかということになりますと、中国当局と更に連携を密にしないと、この振り込め詐欺の国際的な展開に対して十分対応できないのではないかという点で注意を要すると思います。
答 (大臣)この間、韓国で法務部長官にお目に掛かった時にテレフォンフィッシングと言って韓国では随分と被害が出ているんだと。一緒にいた警察の者を含めて、十分連携を取って中国にも申し入れてやろうということになっていますから、現場同士では日中韓でやっているんだろうと思います。
問 アフガン会議の件で、さっき仰っていた岡田大臣からお話のあった第三国での、これは前回インドネシアというのを挙げておられたと思うんですが、これは大臣のお考えでは実現可能だとお思いですか。
答 (大臣)外務省や岡田君は可能だと言われていると、私共はインドネシア警察に、本当にそういう訓練をする場所があるのか、それから日本の警察が行って、インドネシア警察とは非常に交流の深い関係にありますが、日本がそこに行って本当にお役に立つのかどうか、大至急、今詰めをいたしているところでございます。もちろん、今、日本で年に1回、10人のアフガンの警察官を御招待して一週間、いろんな勉強をしていただいてますが、これを4倍に増やすという考えも伝えてあります。ただ、インドネシア政府そのものが本当に、アフガンの警察を受け入れるという方向で調整されているのかどうかも含めて、まあ外務省が言っているからいいとは言うものの、警察当局同士できちっと確かめてくれと念を押しておきました。明日くらいまでに警察から返事がほしいという話ですので、急ぐように依頼をしたところです。