国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 平成21年12月24日(木)13:41~14:05

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要  11時半から宮中で、大臣と副大臣がお招きをいただいた午餐会がございまして、天皇陛下、皇太子殿下と御懇談をさせていただきました。いろんな話題が出まして、つい時間がオーバーになりまして遅参したことをお詫びいたします。

今日は、議題それから報告等、そして監察事案等がございまして、あまり大きく発表することはありません。最後に、委員のお一人から今年最後の公安委員会だということで、1年を総括したお話がありました。私の方からも、3ヶ月間のお礼を申し上げ、年末更に緊張して、いろんな事案に対応してほしいということを申し上げたところでございます。

宮中でも話題となったんですが、今日はちょうど政権発足から100日経過をいたしました。陛下からは、「大変忙しい毎日でしょう。身体に気を付けて頑張って下さい」という御激励をいただいて、一同感激をいたしました。同時にみんな、本当に100日早かったと、夢中で走ってきたということを言い合ったところでございます。私も国家公安委員長として、本当に無我夢中で走ってきたなということを思い浮かべているところでございます。今年1年、御指導、御鞭撻をいただきました記者の皆さんにはお礼を申し上げ、また来年もよろしくお願いしたい、少し早いですけれども、御挨拶といたします。以上です。

問  大臣と長官にお伺いしますが、今日は今年最後の公安委員会ということで、1年間を振り返ってみて治安に関する問題で何か御所見、現状、あと来年に重点的に取り組んでいきたいこと等がございましたらお願いします。

答  (大臣)僕自身は、現場含めて治安を担当する警察全体から政権が御信頼いただけるかということも気にしながらの100日でありました。政治的にあまり介入してもならないし、そうかと言って任せきりというわけでもないだろうしという、この呼吸のはかり方をいつも考えながら、踏み込み過ぎないようにということを気を付けてまいりました。そういった点では、お互いに理解が進んでやってこれたんじゃないかと喜んでおります。同時に、市橋事件を含めていろんなことがありましたが、逮捕されたり、また解決の方向が出てきている大事件等もあって、現場は頑張っていただいていると喜んでおります。ただ、沖縄のひき逃げ事件含めて、まだ残っている問題も多いわけですから、全力で解決に向けて努力をしてほしいという思いです。同時に、御理解いただいて死因究明制度の勉強会、大体委員が固まり、民主党内、政権党内の手続きもほぼ終わりまして来年からスタート出来そうだと喜んでいます。それから、捜査の近代化、現代化に関する研究についても、委員の方もほぼ8割方内諾をいただくというところまできているじゃないかと聞いております。更に年内お願いをして、これも来年からスタートが出来るように頑張ると、まあまあ良い年越しになると思っています。以上が総括です。

答  (長官)私の方は、まず今年の犯罪情勢を少し顧みますと、量的にみますと刑法犯認知件数というのは11月末現在でありますが7年連続の減少となっておりまして、この減少傾向のトレンドは維持しております。特に詐欺につきましては、昨年同期比で約3割減少しているということで、昨年来、全国警察を挙げて講じてきました振り込め詐欺対策に一定の成果があったものと評価をしております。そういうことで、総体的にみれば総量抑止の施策をここずっとやってきたわけですが、これは一定の成果が引き続き上がっているんじゃないかと思います。しかしながらよく見ますと、強盗やひったくりの認知件数が増加していることや、あるいは件数ではありませんが、女子大学生の死体が遺棄される事件等、残忍極まりない事件の発生などから、治安に対する国民の不安を解消するには至っておらず、体感治安の回復へは道半ばという状態だと思います。したがいまして、これまでやってきました犯罪の総量抑止というのを引き続き強化、継続していく必要があるんじゃないかと思います。他方、数量には現れませんけれども、課題や新たな脅威というのも見えてきておりまして、犯罪のグローバル化の急速な進行、山口組における弘道会の勢力の拡大、サイバー犯罪の増加、それから社会からの孤立化を背景とする一匹狼型、無差別型の犯行、あるいはここ年末にかけて注目されております一連の千葉、埼玉、鳥取、島根のような凶悪事件の発生等、そういう課題とか新しい脅威というものが重要な課題として我々は認識しているところであります。来年の抱負については、何と言っても日本警察の総力を挙げてAPECの警備を完遂する必要がある。これに、来年から全国警察を挙げて集中していく必要があると思いますし、それから先ほども言いましたが暴力団対策あるいは犯罪のグローバル化への対応を精力的に取り組むと同時に、先ほど大臣の方からもお話がありましたように犯罪捜査や死因究明制度の在り方に関する調査研究等が始まりますが、この際、やはり捜査の高度化、あるいは近代化を図るための諸施策をもう一度日本警察としてきちっと考えて、将来に備える年にする必要があるんじゃないかと、いずれにいたしましても、非常に変化の激しい時代でありますので、私がかねてから申し上げております「変化に対応できる警察」というものの実現に全力を挙げたい。気を引き締めて来年また臨みたいと思います。

問  死因究明制度ですけれども、予算については来年中にも方向性が、早ければ来年からということなんですが、法律制度なんですけれども、その辺、目途的にいつ頃を目指すのかということと、予算とは必ずしもリンクしないこともあるのかということをお聞かせ下さい。

答  (大臣)それはこれから、制度の勉強会の中で、どういうスピードで、どういう設計でおやりいただくか、またそれがほぼ見えてきた段階で、厚労省や文科省とどういう調整が出来るかにかかっていると思っています。一昨日の犯罪対策閣僚会議で、私は今、長官が言われたようなことを含めて分析を報告いたしまして、その中に死因究明制度の調査を進めるという一項がございましたら、仙谷大臣の方から「民主党時代に、もう既に法案を作って出している。これに則って早期にやるべきではないか」という提言がございまして、私の方から、先ほど申し上げた勉強会が正式にスタートすると、スタートして8月くらいまでに何らかの方向が見えてきたら、再来年の予算に要求を出すので、仙谷さん、その時はあなた値切っちゃ駄目だよと言うので、みんな満場笑っておりました。そういうことを申し上げました。今そういうことを言っているくらいの段階で、頭の中にきちっと計算されているわけではありません。

問  長官にお聞きします。先程の1年の総括の関連ですけれど、今年を振り返ってみますと、男女間のトラブルに起因する殺人というのが幾つか目立ったように思うんですが、例えば千葉の花見川団地、あるいは東京新橋の耳かき店の女性が狙われた事件であります。男女間のトラブルに起因する事件についての感想と来年以降の取組みについてお考えをお願いいたします。

答  (長官)これは私の感想かもしれませんが、他人に対する思いやりの低下など、社会の変化を背景としているんじゃないかなと思うんですが、男女間のトラブルがすぐに殺人等の凶悪事件に発展するケースが以前よりも目を引くようになってきたんじゃないかなと感じております。こうした事案への対応を誤るようなことがあれば、国民の警察に対する信頼を大きく損なうことにもなりかねないと認識しておりまして、御案内のとおり本年8月に全国警察に対しまして、同種事案に関して組織的な対応を図ることや積極的な事件化をするなどのことを改めて指示しました。男女間のトラブルは本来デリケートな部分があるため、その対応が難しい面もありますが、各都道府県警察で、今この指示に沿って事案の本質を把握して敏感に対応を進めていると思っております。いずれにしても、この問題は、警察改革の原点にも関わる重要な意義を持つ事案と思っておりまして、どの都道府県警察のどの現場でも、同じように感度のよい対応をするよう来年以降も各県を指導してまいりたい。このくらい大事なことと思っております。

問  長官にお尋ねいたします。不祥事についてのお尋ねでありますが、先日千葉県警の警部補が覚せい剤を所持していた容疑で警視庁に逮捕されました。非違事案は数々あれど、現職警部補が覚せい剤を所持するというのは、これは捜査の半ばでありましょうけど、先だっては、芸能界の薬物汚染について長官は厳しく対応を求めたところであり、この身内の警察官がこのような事案に手を染めるというのは、ちょっと悪質の度合いが過ぎるのではないかと思うんですが、これについての長官のお考えと対策についてお聞かせください。

答  (長官)御指摘のように、これは薬物事犯を取り締まるべき警察職員が、こうした容疑で逮捕されたということでありますし、しかも警察が今、芸能界から薬物を一掃する、あるいはそういうことをテコにして、社会全体に薬物乱用防止の機運が高まるように警察が中心になって取り組んでいるそういう最中にこういうことが起きたということで、全く言語道断と言いますか、極めて遺憾だと思っております。こうした事案をどのように防いでいくかということを、今までもいろんな対策をやっておりますけども、更により掘り下げた対策を講じて、絶対起きてはならない事案だと思っております。

答  (大臣)さっき申し上げた公安委員会の方の今年の総括の中で、大体お褒めいただいたんだけども、一つだけ、この内部の不祥事が昨年に比べて大幅に増えていると、このことは大変に残念だという御指摘はございました。

問  長官にもう一度なんですが、児童ポルノの関係なんですが、今年の6月に重点プログラムを警察庁として作りまして、この間は犯罪対策閣僚会議でワーキングチームの話になったと思うんですけども、警察として、来年以降どのような分野に重点を置いてやっていきたいのか、お考えがありましたらお聞きしたいんですが。

答  (長官)児童ポルノが一段と増加傾向を示していることを踏まえて、今年6月に児童ポルノの根絶に向けた重点プログラムを策定して、今取り組みをしているところであります。この中では、児童ポルノ事犯の取締り、流通防止対策、それから被害児童支援の3本柱でやっておりますが、それに関連して特に来年は国際協力というのを強化してまいりたいと思います。やはり、(児童ポルノの問題は)国際的に広がっておりますので、今後は捜査協力や情報交換の面で、外国捜査機関との連携強化をやらないと、やはり画竜点睛を欠くのではないかと思いますので、国内外で対策を強力にしていきたい。それから、去る22日に犯罪対策閣僚会議におきまして大臣の方から提案をしていただきまして、「児童ポルノ排除対策ワーキングチーム」が出来たわけですから、これを土台にして関係省庁と緊密な連携の下により効果的な対策を進めていくということが重要だと思います。いずれにしても、来年は警察庁自身の体制も強化を図りまして、官民一体となって児童ポルノの根絶に向けて大きく前進する年にしたい。その中で、警察庁が主体的な役割を果たしていかないといけないと考えております。

答  (大臣)来年の予算はほぼ決まってきているんですが、その中でポストも一つ、児童ポルノ対策官がどうやら新設されると聞いてますが、まだ正式に決まってませんので、言ってからこんなことを言ってはいかんが、この人達を中心に政府を挙げてやります。

問  今のことに関連しまして、廃案になりましたけれども民主党の児童ポルノの法改正で単純所持の件で、その辺についての調整は終わっているんでしょうか。

答  (大臣)前の国会で、解散前にほぼ当時の与党と民主党の筆頭理事間で話が付いていると聞いて、成立出来ると喜んでいたんですが、解散で駄目になりました。したがって、その話の付いた状況のままで通常国会に出来るだけ早く、こういうのは政党で争っている暇はありませんからやってほしいと、担当の一人の大臣としては委員会の委員長さんや両党の筆頭さんや、あるいは法務大臣やら、いろんな所にお目に掛かる度に申し上げているところでございますし、また国会の答弁等でも是非、超党派でお願いしたいと申し上げてきたつもりでございますので期待をいたしております。中身にまでは踏み込みません。ごめんなさい。

問  長官にお聞きしたいんですけれども、本日、爆発物を巡って通達が出まして、従来の7品目から11品目というふうに対象の爆発物の原料となり得る化学物質が強化されましたけれども、これについての長官の御所見をお願いします。

答  (長官)今日、通達を発出をしたわけでありますけれども、この背景というのは、最近、国内におきましても何件も爆発物製造事案等が発生しているということであります。これは、全く個人が爆発物の原料となり得る化学物質をインターネット等により容易に入手し、爆発物を製造できるということでありますから、これは無差別殺傷事件発生にもつながるものであって、治安の重大な脅威ではないか、非常に私は憂慮すべき情勢にあるのではないかと、そういうことを鑑みて、本日、御案内のような管理者対策強化のための通達を発出したわけであります。今申し上げましたように、この問題の重大性から、爆発物の製造を企図する者を、今後は官民一体となって、社会全体で追い詰めていかなければいけない。社会全体で防止しなければいけない。そういう点で、関係省庁と連携し、事業者に対しましても更なる協力をお願いして、社会全体で未然防止を徹底してまいりたいと思っています。

問  長官にお尋ねします。死因究明に話が戻って恐縮ですが、先ほど大臣が言及されましたけれども、死因究明の研究会を非常に早いペースで行いたいという御意向をおっしゃいましたけれども、これは長官のお立場から見て、例えば期待されること、ないしは来年の8月を目標に作られる中で、こういった部分を是非強化していただきたいという御要望など、長官のお考えとしてはどういったことが反映されてほしいか。

答  (大臣)8月に作り上げるんじゃないよ。8月頃が予算の概算要求になるから、何か見えてきたものの中で、要求できたら要求したいという僕の希望です。

答  (長官)死因究明の方も、更にこれをきちっと在り方を研究して、捜査をより近代化していくために、我々警察庁としてもきちっと勉強していかなければいけない。これはもう、大臣のお考えと同じことであります。