国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 平成22年1月5日(火)11:04~11:23

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要   新春、初めての閣議が予定通り行われました。その前に、総理や仙谷君に昨日の伊勢神宮の参拝のお礼を申し上げたところでございます。大変いい天気で、たくさんの方々に暖かい御声援を受けて、総理自身も「すがすがしい参拝であった」と喜んでおられました。

閣議は、事項処理をいたしまして、その前に総理から、年頭に当たって御挨拶がございました。趣旨は、「いろいろと議論をされて、大いに閣僚懇等活発で結構だけれども、一致結束、正念場の1年、頑張ってほしい。それぞれの担当を十分考えてやってほしい」というお話でありました。

この後、閣僚懇に入りまして、菅さん、仙谷さん等から、前々から言われている、通常国会前に全閣僚、今年1年一体となってどういう方向で省庁の無駄をなくすなり、あるいは税金の節約をするなりということで協力をしていけるか、これについての会議を国会召集前にやるという方向が決まりました。同時に、藤井さん始め何人かから、昨日、今日の株価の高値更新ということについて、大変明るいニュースだと、油断なくこれからも景気対策を進めていけば、今年はかなり予想以上の成果が出てくるのではないかという話等が出たところでございます。原口大臣から、外国人の地方参政権の問題について少しお話がありまして、閣僚懇を終わりまして、後、外の応接間で年始だということでおとそを一杯呼ばれたところでございます。以上が閣議並びに閣僚懇の中身でございます。

それに先立ちまして、9時40分に官房長官の所へお越しをいただきたいということで、出てまいりました。今日、9時から、外務、文科、法務そして拉致対策の副大臣会議が、2回目か3回目だと思いますが行われたようでございます。そこの結論が官房長官の所へ上がりまして、松野官房副長官と二人で私にお話がありました。要点は、「昨年の7月の時点で、麻生政権下で既に入国を許可するというサインが行われていた。総理の元秘書官もこれを認めた」というところで、私もその書類一式を今日、見せていただきました。したがって、「これらを勘案して、今回、北朝鮮の選手団の入国を認めざるを得ない。御理解をいただきたい」という話でありましたので、私も、「そういう書類があって、既に許可をしていたということならやむを得ない。ただ、外務省等がどうして今頃になってそんなものを出してくるんだ。初めから持ってくればいいじゃないか」と、これだけを申し上げて、今回は特別な措置として了解をいたしたところでございます。しかし、これが北朝鮮に対する入国制限措置を緩和するものではありません。このことは確認をいたしたところであります。以上、付け加えて御報告といたします。

問  明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いします。今、お話のあった北朝鮮のサッカーの問題ですけれども、昨年の7月の時点で麻生政権下で既にサインが行われていたというお話でありますが、これは誰が、どのような。

答  外務省の幹部が全部サインしていました。総理大臣の下で、元秘書官は総理の了解も取ったと、こういう証言もあったと書かれておりました。当時の外務省の副大臣、二人ともサインしていました。

問  どういった書類にサインをしていたというふうに。

答  入国の許可証。サッカー協会から入れたいという要望に対して、外務省は、それを了解するというサインでした。

問  沖縄県の読谷村のひき逃げ事件の件で、昨日、容疑者を県警が自動車運転過失致死容疑で書類送検しましたが、まずその御所見と、一方、その容疑者は現在の出頭拒否の状況によりまして事情聴取ができていない状況で、そうなると、事情聴取がないとなかなか難しいとされているひき逃げの容疑については、なかなか立件が難しいとされる状況もあるんですけれども、今後、起訴前の身柄引渡しを求めないのか、それとも起訴前の身柄引渡しを求めていない理由についてお伺いしたいのですが。

答  この間も、読谷村の村長さん以下、議員の皆さん等がお越しをいただいた時に申し上げましたが、これはあくまでもルールに基づいて処理をする、こういうことで、沖縄県民の皆さんの感情は十分承知をいたしておりますが、法の手続きを淡々と進めるということで、沖縄県警が検察と十分相談をしておやりいただいております。したがいまして、年は越しましたが、4日に送致ができたことを大変、私共は御苦労であったと思っています。この後、私が踏み込んで言うことではありませんけれども、せっかく琉球新報さんお越しをいただいて、琉球新報さん独特の取材で、いつも先行型の記事をお書きになるから敢えて申し上げるけれども、この後、検察が起訴なさった段階でいつでも逮捕できる状況になります。そこから取調べが始まるわけでございます、更に。この取調べは、送致した、あるいは起訴した問題以外の、いわゆる御関心のひき逃げということについて、当然調べるんだろうと、こういうふうに私共は想像をいたしております。時間が掛かりましたけれども、しかし順調に、ルール通りきている。私共は、間違いなく立件できると考えております。したがって、さっさと捕まえろ、さっさと身柄を取れと、こういうことだけで要求されるのは、一つ、沖縄県警に対する大変なプレッシャーになるということも御理解をいただいて、是非、捜査の行方をお見守りいただきたい。国家公安委員会委員長としては、ただ、これをお願いするだけでございます。

問  拉致の関係で、昨年も韓国に行かれましたけども、今年もやはり情報収集の面で、例えば日韓の協力、あるいは日米の協力、年頭に当たりましてどのような方向性なのかをお聞かせください。

答  拉致の問題解決には、日本だけではなく他国の協力が必要なことは度々申し上げているところでありますし、鳩山総理もそのように認識をされています。したがいまして、私共ありとあらゆる機会に諸外国の皆さんに拉致の現状、人権上許してはならない問題ということを含めて、お訴えを申し上げております。今年もできる限り行ける国に行って、情報交換ができるような体制を作っていきたいと考えております。今、まだ民間人を入れるという話が官邸等で最終の詰めが残ったままです。それから引っ越しが、フロアーが古くて、建物が、うまく装置が十分使えるようになっておりませんので、これの工事をする等で意外と手間取っております。僕は今の所で構わんのですが、そんなことを終えて、スタートしていきたいと考えております。

問  移転先の工事が結構要るということですか。

答  そうです。引っ越しはね。僕自身がどこへ行くかということは今いろんな所に当たっておりますが、具体的に申し上げるのは御勘弁下さい。

問  EUとの捜査共助の条約の関係ですが、EU側が死刑制度がある国に対して拒否権を持つということなんですけど、大臣はどういうお考えでしょうか。

答  僕は昔、15年前に法務大臣をしました時に、ある国に日本で殺人を犯した外国人が逃げ込んで、それを追跡して引き渡し要求をしたんですが、「死刑がある国には引き渡せない」という強い断わりがありました。法務省並びに検察として、内緒でありますが「死刑の求刑をしないから引き渡せ」ということを申しましたが、日本では求刑以上に重い罰が下ることがあると、したがって駄目だと突っぱねられて、遂に犯人をみすみす見過ごさざるを得なかった事件がございました。僕はこれを強烈に覚えております。今回、何度もの交渉の中で、ようやく話がまとまってまいりました。この話を公安委員会にかけましたところ、公安委員の皆様方は、例えばアメリカも死刑があるじゃないかと、アメリカとEUの関係で、日本と同じようにEUに拒否権があるのか。あるいはEUと中国がこれから結ぶだろう。その時どうするんだという御指摘やら、いろんな御意見が出たところでござます。これらの意見を基に、私も外務省の担当局長等を呼び、交渉の経過等を詳しく聞いてまいりました。アメリカの場合は、先程申し上げた裁判制度の中で、検察当局の要求より重い罪が出るということは刑事罰についてはあり得ないという仕組みになっているそうであります。アメリカはEUとの共助条約の中で、死刑の問題については一冊書いて、EUと共助条約を結んだようでございます。中国は既にスペインやらと共助条約を結んでいて、その中には死刑の問題は、日本と同じような拒否権をスペイン始め、幾つかの国が中国に対して持っていると、今後EU全体となったら、当然、中国も日本と同じような条約を結ぶんだろうと、こういう外務省の解説や判断が伝えられました。私としては、ここでこれを蹴飛ばして、犯人がEU諸国に逃げた時に、こちらが証拠提出やら、あるいは犯人の身柄引渡しやら、そういったことで要求してもなかなかうまくいかないというようなことになるよりも、一方、死刑の問題で向こうに拒否権があっても、身柄引渡しや証拠のお互いの交換がスムーズにできるほうが、犯罪のグローバル化に対して対応できる警察だと判断いたしまして、公安委員会の皆様方には、「公安委員会の御反対は外務大臣に確かに伝える。その上で僕と岡田さんで政治判断をする」という了解をとって、岡田さんと会談をして、岡田さんに申し上げました。その上で、12月にできる限り早い時期に成立をさせて、EUの会議にも間に合わそうと、こういうことになって私共は閣議で了承をしたという状況であります。したがって、御不安、御不満もあろうかと思いますが、日本としてはできる限りのことをしている。そして、国境を越えて逃げる犯人をこれからも徹底的に追い込んでいける。こういうエリアを広げていく、このことが大事だと考えているところであります。