国家公安委員会委員長記者会見要旨
1 日時 平成22年1月14日(木)11:14~11:39
2 場所 警察庁第4会議室
3 概要 今日は、内閣で決まりました大臣政務官の新設の問題や、あるいはこの間、閣僚懇で私自身が発言をしたことにつきまして公安委員会の皆さんに御理解、御了解をいただくために御報告を申し上げました。また、人事等も内閣で承認された分ということで、既に皆さん御承認されているわけですが、改めて御報告を申し上げたところでございます。その後、10件のお手許にお配りしておるような報告がございました。終わりましてから、池田さんや巽さんや東川さん、そして会務官の杵淵君、一言ずつ退任、転身の御挨拶をいただいて公安委員会終了いたしたところでございます。以上、こちらから御報告を申し上げます。
問 大臣政務官等の件について、今日、国家公安委員会に御報告されたそうですが、その中で、この間、市警察部の廃止とかの案件もあったかと思いますが、それについて何か御議論といいますか、公安委員の方の受け止めですとか、あるいは大臣のもう少し具体的なプランがあればお願いします。
答 (大臣)「内部監察について、今もちゃんとやっているじゃないか」というお話もございましたし、御意見もございました。これらについて私の方から、「常に外部、内部からチェックを受けるべきだ」という私自身の意見を申し上げたところでございます。それから、大臣政務官につきましては、従来、大臣補佐官として御報告を申し上げていたものですから、今回、政務官と名前が統一されたことについて、どうなんだろうと、公安委員会に対して、少し将来的にも関与してくるような恐れはないんだろうかという御疑念もございまして、私の方から、「政務官という名前に統一したんだろうと思う。一切、私共は政治的に公安委員会に対して変化を加えようとしているのではない」と、こういったことを申し上げたところでございます。
問 関連ですが、市警察部の廃止については。
答 (大臣)これについては、質疑はありませんでした。私は詳しく御報告を申し上げ、これから御議論をいただいて、できたら一本になって来年度の予算の中で人員やらポストやら、そういったものの増改廃、これらをやっていきたいということでお願いをいたしたところでございます。
問 長官にお伺いしたいんですが、この間の銀座の天賞堂の事件の関係なんですが、今回は香港の当局との連携で非常にスピーディーに摘発されたと思うんですけれども、今回の事件の長官としての受け止めと、今後の国際連携について何かお考えがありましたらお願いします。
答 (長官)今回は、香港警察の迅速な対応によって早期検挙に至ったということで、まずこれについて非常に良かったと思います。やはり、犯罪のグローバル化の進行に伴って、これまで以上に国際協力とか海外治安機関との捜査協力を進めていかなければいけないのですが、とりわけ今回のようなリアルタイムでの共同オペレーションの実施がますます重要になってくると思います。しかし、リアルタイムでの共同オペレーションというのは、平素からの諸外国の機関との信頼関係が前提となりますから、今回香港とうまくいったというのも、平素からのお互いの連携に向けた努力が実を結んだんじゃないかと思っております。そういうふうに、海外の機関との連携を一層緊密化させていくということを進めていかなければいけないことが一点ですが、二つ目は、捜査だけでなくて、やはり貴金属店というのは一番狙われやすいわけですから、そういう再発防止策ということも考えていく必要があるのではないかと考えており、今後の捜査により明らかとなる教訓を踏まえて、貴金属店における防犯対策の在り方や、警備業者による警備体制等について検証・検討を行っていきたいと思っております。具体的には、近く、貴金属店の業界団体に対しまして防犯体制や、対策に関する点検を要請するとともに、都道府県警察を通じてこれら貴金属店に対して防犯指導を行ってまいりたいと思います。
答 (大臣)僕の方からぶっちゃけて言いますと、香港にはこういう海外での窃盗罪というのは無いんだそうですね。だから、今回の犯人は盗品の輸送で捕まっただけだと、したがって極めて短期の刑になる可能性がある。しかも、犯罪人引渡条約が結ばれてませんから、あっという間に出てきて日本は手を出せないということがありますから、そこのところ何とか工夫してくれと、しますということで今、長官は仰いませんが、香港へ御苦労いただいているところでございます。同時に、中国との犯罪人引渡条約を早く締結するということで、今ちょうど外務省も来月位から交渉が始まると僕らは聞いております。できる限り早期にこれが成立して、中国で捕まえた犯人が日本で裁ける、また日本で捕まった犯人が中国で犯罪なら中国で裁けるという体制を作らなければ、大変な行き来ですから、国民の治安は守れない、これが一つでございます。もう一つにさっきの問題で、長官は上品に仰いますが、僕らから言わせれば、貴金属やお金を扱っているお店が、そんな薄い壁の所にどうなんだと、そして壁にセンサーがない。そして、僕が素人で聞いている範囲では、経費節減か何か知らないが全売店の所に監視カメラが行き届いていない。そうすると、やはりそれを知って、その死角でやっている。日本人、もっと安全と言うことに関して発想を変えないと大変だと、ここら辺を警察の方で十分、各団体、業界に徹底してほしいものだと、こんな機会にまた皆さんにも御協力をお願いしたいと敢えて申し上げます。
問 長官に、北朝鮮への不正輸出事件についてお考えをお聞きしたいんですが、昨年、北朝鮮への不正輸出事件の検挙が相次いだと思うんですけれども、それに対するお考えを一つ、二つ目に第三国を経由、迂回した不正輸出に関して、なかなか検挙や規制が厳しいという指摘があるんですが、それに対してのお考えをお願いします。
答 (長官)北朝鮮への不正輸出事件については、これまでも積極的に取締りをしてまいりましたし、昨年におきましては貿易業者による奢侈品である、化粧品等不正輸出事件を検挙しましたし、タンクローリー不正輸出事件というのを検挙しているわけですが、今御指摘のように、第三国を経由した迂回輸出というのが増えてきた中での摘発であります。ますます手口が巧妙化している状況に対してどういうふうに対処するかということでありますが、やはり海外の関係機関と情報交換をより密接に行うとともに、国内の関係機関との連携を更に密にすることによって情報収集を強化していくこと、これだけで完璧というわけではありませんけれども、そういう努力を更にしていく必要があると思いますし、それによって更に取締りを徹底してまいりたいと考えています。
問 大臣にも、北朝鮮への不正輸出の規制ですとか検挙に関して何かお考えなりあればお願いします。
答 (大臣)これは、拉致対策担当としても、徹底的に制裁を日本はやっているわけでありますし、国連の新たな制裁もあります。それをかいくぐって、金儲けだけで国民感情を裏切るなんてのは許せない行為だと考えています。この間、バンコクで偶然にも北への輸出が見つかりましたが、拉致を解決しろと言っている日本が、北朝鮮に対して不正な輸出をしているなんてのは洒落にもなりません。恥ずかしい行為だと、徹底的に努力して摘発していただきたいと考えています。
問 長官にお聞きしたいんですけども、大阪でライフル銃の乱射事件が起き まして、3人の方が亡くなりましたが、昨年の改正銃刀法が施行後にこのような事件が起こってしまったことへの御所見と、今後さらなる対策等がございましたら見通しなどについてお聞かせください。
答 (長官)まずは、今回の事件で亡くなられた方のご遺族に対してお悔やみを申し上げたいと思います。今御指摘のように、銃刀法が改正されて昨年12月に施行されたという中でこうした事件が起こったことは大変残念だと思っております。事実関係については、現在大阪府警で捜査中であります。これまでのところ、今回の事件の被疑者が欠格事由に該当するとの情報は得ていなかったというふうに承知しているわけでありますが、いずれにしましても、事実関係が明らかになった上で、現行法上問題があるということになればそれは制度的な検証も行っていくことになりますけども、まずは改正銃刀法を浸透させて銃砲規制の厳格化を進めるということが大事ではないかと、今のところはそういう考えであります。
問 大臣にお尋ねします。ハイチで大きな地震が起きましたが、緊急援助隊の方ですね、政府内ないし警察内で話は出ておりますでしょうか。
答 (大臣)今日も公安委員会の会議で警察に対して問がございまして、警察もいつ出動してもいいように人員の手配等は準備をしようということでやっていただいているようですが、政府内部で派遣できるか、また向こうから要請があるか、これらを含めて検討していると聞いています。ただ空港も閉鎖されていますし、陸続きで行きましても6時間か7時間かかるんだと、そして非常に治安が悪いという中でどうだろうという話が共通認識で持っていると言っています。アメリカが派遣したのは当然ですが、中国も50人ほど出すと言ってますが、元々中国のPKOがハイチの方に出ておって、その中からも死傷者が出ている関係もあれば、中国50人の中にはかなり軍人さんがいるという話のようでございます。日本もこれらの各国の例を見たり、ヨーロッパ各国の例を見たりしながら決めていくんだろうと。私もこれから防災本部へ入るものですから、そこでもいろんな意見を聞きながら、政府と一体となって対応したい。政府の対応が決まれば警察も迅速に動いていただけると思っています。
問 長官にお尋ねしたいんですけども、昨年の暮れにアメリカでデルタ航空機に対するテロ未遂事件というものがあったということは記憶に新しいんですけども、アルカイダが犯行声明を出したと伝えられています。アルカイダは、かつて日本を標的視していることも伝えられていますが、今年APECを控えている中で、その直前と言える時期にこのような重大な未遂事件が起きたことへの受け止めと、今回の事案についてアメリカでの出来事ではありますけども、何か教訓とすべきような対応策、こういった点に注意しなければならないというお気付きの点がありましたらお考えをお聞かせください。
答 (長官)今の御指摘の事件はアメリカの当局で鋭意全容解明が図られておりますのでそれを注視したいと思いますけども、これまでに判った範囲で申し上げると、我々としては、本件は国際テロ情勢が今後一層厳しく推移する可能性を示す事件として、日本警察としても重く受け止めるべきものではないかとの認識を持っております。その背景と言いますか、理由としましては、アル・カーイダに代表される過激派テロ組織が、アフガニスタンやパキスタンでの米国等による軍事作戦が拡大する中、ますますこうした勢力が米国とか同盟国の権益への攻撃度を高めており、そういう中で起きたのではないか。また、本件においてイエメンがテロの脅威の新たな極として浮かび上がってきたということでありますから、国際テロの戦線が拡大してきたというふうにも思っております。そういう点で、今後注視すべきことであります。そういう中で、今御指摘のように日本がアル・カーイダから名指しをされていると、さらには今年はAPECがあるということでありますので、特に海外の治安機関との情報交換というのをさらに強めなければいけませんし、水際対策を強化するとか航空保安対策との緊密な連携などいろいろやっていかなければならないと思います。一言で言うと一層の緊張感を持てやっていく、そういう契機になる事件じゃないかなと思っております。また、教訓ということですけど、やはりナイジェリア人が犯人であったということで、我々はこれまで諸外国も含めて中東関係を注視していたということじゃないかと思うのですが、イスラム過激派の広がりが相当あるなということです。それと、今回の事件では従来型の起爆装置がありませんから、そういう点でX線に引っ掛かってこないと。そういう点で航空保安対策というのが新たな対応が迫られるかも知れません。いずれにしても、もう少しいろんなことが判明してくればいろんな対策を考えなければいけないと思います。
問 中井委員長にお尋ねをします。先ほどの中国との捜査の協力についてでありますけども、すでに刑事共助条約は締結済みであります。先ほど犯罪者引渡条約の締結に向けて前向きの発言をされましたけども、側聞するところによりますと中国は法律で犯罪者の引渡しをしないんだと。ブラジルの場合は憲法で引渡しをしないということになっているらしいんですけども、そういった実情を踏まえた上で具体的に話は進めておられるんでしょうか。
答 (大臣)中国というのを、僕は全部詳しいわけではありません。中国はよその国何カ国かとやっているんじゃないかと聞いております。ですからやれないわけではないんだろうと。ブラジルのことは承知しておりますが、これはまた大統領が代わったりなんかされたりしたらいろいろとあるんだろうと思ってますので、誠心誠意外交努力を続けていただきたいと考えております。特に昨今、少し製造業を中心に仕事が増えて来て中国人の研修生が、私の選挙区なんかでも増えています。また前原さんは観光立国でずいぶん中国のビザに対して枠を拡大し、観光で景気刺激をしようと言われてまして、私共はそれに対しては別に反対ではありませんが、今のまんまでビザを無条件に拡大をするということについては慎重な姿勢でありますから、こういた仕組みや制度をきちっとしてもらうということが国民の安心安全につながるんだろうと考えていますので、そういった意味でも外務省のご努力、政府を挙げての努力をしていきたいと思っております。
問 大臣にもう一つ。留学生30万人計画というのが福田内閣時代に提唱されて、あれは政権が代わってからまだ生きていると思うんですが。
答 (大臣)留学生やら中国と日本との若者交流やら、あるいはワーキングビザやらこういったことについては何にも変わりなく広げて行こうということは言っております。ただ僕の担当ではありません。
問 治安との関係で。
答 (大臣)そこはあまり心配しておりませんが、ただお国によっては留学生だって言うけど大学に行ってるかどうか分からんのが入ってますから、いろんな心配もしなければならんところもありますので、領事館やら大使館が、確認がなかなか難しいところがあるやに今までは聞いております。これらのことも含めて、対応を十分にしながら中国からの観光客を含めて枠を拡大していくということだと思います。ただ本当に国際社会で人も物も金もあっという間に動きますから、対応を急がないと本当に犯罪に対して治安を守り切れないという不安はあります。