国家公安委員会委員長(代理)記者会見要旨

1 日時 平成22年1月28日(木)11:41~11:53

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要  本日の国家公安委員会の定例会議の状況について報告申し上げます。委員長が欠席、委員は5名出席でございます。本日の議題案件につきまして、人事案件について説明があり、原案どおり決定をいたしました。報告事項につきましては、「子どもや女性を守るための匿名通報モデル事業の運用状況及び対象犯罪の拡充について」、「捜査手法、取調べの高度化を図るための研究会について」、「平成21年中の交通死亡事故の特徴及び道路交通法違反取締状況について」等の報告が警察庁からございました。定例会議については以上であります。

問  長官に聞きたいんですけども、本日の刑事局の報告にもありましたが、死体取扱件数に関しまして、若干減ったものの相変わらず多いんですけども、これについての受け止め方と解剖率が依然として10%位というところに止まっていることについての考えと、明日から始まります死因究明についての研究会についての長官の御所見をお聞かせ下さい。

答  (長官)昨年の死体取扱状況について件数を申し上げますと、警察が取り扱った死体数は16万858体ということで、前年に比べて若干減少はしておりますが、依然として高い数値であるということです。その内解剖を実施したというのは16,184体、解剖率は10.1%ということで、これは前年に比べて若干の増加が見られております。一方、刑事調査官の臨場率は20.3%ということで、増員の効果もあると思いますが、ここ数年と比べて大きく上昇しております。こういったことが概観であります。警察においては、これまでも死体の取扱いに慎重を期するために、刑事調査官の増員や警察官への教育、訓練、あるいは装備資機材の活用整備等、各種施策を講じてきておりますけども、現状では、我が国の死因究明制度は国際的に見て十分なものとは言い難く、稀にではありますが、犯罪死を見逃したケースが見受けられることから、この度有識者等による研究会を設置しまして、あるべき死因究明制度について検討を行うこととしたところであります。今御質問がありましたように、明日、本研究会の第1回会議を開催することとしておりますが、座長であります前国家公安委員の佐藤氏の下で、法医学、刑事法等の専門家が集まっておりますので、ここで死因究明制度について専門的な見地から実効的な議論がなされることを期待したいと思います。我々としては、研究会の議論を踏まえて新たな死因究明制度の確立に向けて、関係省庁とも連携を取りながら必要な施策を進めてまいりたいというのが今の考え方であります。

問  長官にお尋ねいたします。平成21年の捜査本部設置事件の捜査状況がまとまっているようですが、設置件数は過去2番目の少なさ、解決率95%というような特徴がありますけども、これについての長官のお考えがあればお聞かせ下さい。

答  (長官)捜査本部設置件数が減っているというのは、正直なところ理由は分からないところがありますが、捜査本部設置事件について、引き続き高い解決率を維持することは、日本の体感治安に直結することであり、非常に大事だと思っております。現在、全国各地で様々な事件が発生しておりますが、その背景には人間関係が希薄になったり、他人に対する思いやりがなくなったり、他人の存在を大切にしないという社会の風潮が出てきているのではないかと考えています。また、昨年の捜査本部設置事件の中には、愛知県蟹江町の強盗殺人事件や島根県の女子大生殺人事件等未解決のものがありまして、それを解決するということが我々に課せられた使命ということであります。(この種の事件の捜査を進める上で重要な点として)一つは、従来と同じ類の凶悪事件であっても、捜査を巡る環境が年々厳しくなってきておりますから、警察の捜査の手法というのも従来プラス新しいことを考えていくという重要な点があると思います。もう一つは、時代や社会の変化というものを反映したと思われるような、従来とは違う形の事件が、件数は多くないものの発生するわけですが、そういうものがたとえ1件であっても早期に解決をして、その動機、背景を解明することで、再発防止、抑止につながるということではないかと思います。いずれにしても、各都道府県の捜査部門というのは、一つ一つの事件について、時代の変化に敏感に対応していくことが求められているのではないかと思います。

問  長官にお尋ねします。2001年に兵庫県明石市で起きました歩道橋事故で、検察審査会の決定で当時の副署長さんを強制起訴というような報道がありましたけども、当時、兵庫県警は署長も副署長も送致しておられるのでその点で齟齬はないんですけども、改めまして警察の雑踏警備に対しての姿勢ということをお尋ねします。

答  (長官)今御指摘のことは承知しておりますが、検察審査会という司法に関する手続きに関わる事項でありますので、私から直接これについてのコメントは差し控えさせていただきます。まず、この事件でお亡くなりになられた方の御冥福を心よりお祈り申し上げたいと思いますし、絶対こうしたことを起こさないということで、再発防止が警察に課せられたものだと考えています。これまでも、平成14年に雑踏事故の防止に関する指針の策定をいたしておりますし、全国の雑踏警備実施指導官の研修会、これは毎年開催しています。あるいは、行楽期等における雑踏事故防止に関する通達を毎年発出するなどして指導を強化しておりますが、やはりこの事案を大いに日本の警察は教訓として、再発防止を徹底し、更に一つ一つ各都道府県が緊張感と集中力を持って絶対事故を起こさないという気持ちで対処していくことが大事じゃないかなと改めてそう思います。

問  葛西委員にお伺いしたいんですが、捜査手法、取調べの高度化を図る研究会ができまして、一年なり二年なりの長丁場の議論になると思いますけども、公安委員の皆様方は議論を見守るということになるのでしょうか。それとも、適宜、検討された意見を。

答  (葛西委員)専門家が集まって勉強されるわけですよね。それがどういう結論になるか、その結論を聞かせていただくことに当然なると思いますし、また途中で節目があれば、それは御相談をいただくこともあるかもしれません。今のところ、どういうことがどういう状況で進んでいくかということに予断を持っているわけではありません。突っ込んだ研究、それから諸外国の事例その他も参考にして、実効性のあるシステムというものを考える努力が進んでいけばいいなと考えています。