国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 平成22年2月18日(木)11:57~12:22

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要  案件が多く、議論も幾つかありましたので遅くなりました。また、ここ暫く国会が開会中で委員会等に出席をしておりまして、公安委員会も私自身が久しぶりでございました。

開会前に、委員の皆さん方に、この留守の間に死因究明、それから捜査の高度化の研究会をそれぞれスタートさせていただいたことについてお礼を申し上げ、また、この可視化の問題について、民主党内で即時可視化を求める議連ができて、かなりヒートアップをされておるので、過般の議員の総会へ私自身が出向いて、警察の現在取ろうとしている対策、考え、こういったものを説明申し上げた、できるだけ静かな環境で研究会、議論をしてほしいという思いで出席をしたと、こういったようなことを報告申し上げたところでございます。委員の皆さんから、「この間、安藤長官と中井さんで総理に会われたようだけれども、中身は何だったのか」という御質問もございましたので、それぞれ御説明を申し上げたところでございます。その他、議題や報告、あるいはいろんな調査等が十数件報告されまして、本日の公安委員会を終えました。

私自身の口から、この間の愛知県のひき逃げ事件のことで少し質疑をいたしましたり、また、委員の皆さんの中から、公務員の今回の制度改革の問題、あるいは観光立国の会議についての質疑がありましたことも併せて御報告をいたします。私からは以上でございます。

問  大臣にお聞きしたいんですけれども、今御説明された過日の民主党議連での可視化の会合でございますが、この中で法務省との摺り合わせを夏頃までにはやりたいとのお話がございましたが、これは、今までのスケジュールからすると早まったとか、そういう意味合いでございましょうか。

答  (大臣)いや、そういうことではありません。お互いスタートするまでには、2回、3回と法務大臣と打ち合わせをしてまいりましたが、法務省の勉強会は内部だけですから、意外と早くからもうおやりになっておりまして、十数回会合を重ねたと聞いております。私共はこれからでございますので、国会が終わった時点で一度、どういう状況、どういう方向か歩調を合わすべきかと考えて敢えて申し上げたところであります。これからも常に打ち合わせをしながら、法務省と警察、方向を一にしながらやっていけるように努力をしたいと考えています。

問  今のその議連の会議の中で、何か自由に傍聴していただいていいというふうに大臣仰っているんですけれども、それはそのとおりになるんでしょうか。

答  (大臣)幾つかの役所の方も傍聴されておりますし、弁護士会の事務方も会議の議論を整理したいということでお越しになっておられます。民主党の警察担当の職員2人も常に傍聴しておりますから、そういう意味で発言等なさらずにお聞きいただくというなら、私は個人的に結構だと思って、その場で申し上げました。研究会の委員長とこれを諮ったことはありません。これから御協議をしていただこうと思っております。同時に、鈴木宗男さんには「一度あなた来て、参考人で意見を言って下さい」と、あんまり勢いがいいものですから申し上げましたが、これはどこかの時点でお越しいただこうと、こう考えております。

問  少年非行の件で長官にお聞きしたいのですが、児童ポルノの被害児童数、それから送致件数が過去最多になっているということで、御所見と今後の取組みについてお考えをお願いします。

答  (長官)現状認識としては、少年保護という観点で非常に憂慮すべき情勢だと考えています。児童虐待につきましては、御案内のとおり本年2月1日から、匿名通報ダイヤル事業の対象に加えたということでありますので、警察としては、虐待事案を認知した場合には、関係機関と連携して適切に対処していきたいと思います。また、児童ポルノにつきましては、昨年6月に策定しました重点プログラムに基づく取組みを推進しているところでありますけれども、今後、例えばインターネット利用事犯や児童ポルノ愛好者グループに着目した捜査、あるいは画像分析の強化等による被害児童の特定といったことに焦点を当てながら、更なる取組みをしてまいりたいと思っています。

問  今の関連で、政府のワーキングチームも児童ポルノの流通防止対策、閲覧防止対策、ネットの流通防止ということでブロッキングを含めた議論が始まっていると思いますし、ネット事業者の間でもそういう議論があるようでございますが、それに関して一言お願いします。

答  (長官)被害児童の二次被害を防止するというのが非常に大事だと思いますが、その観点からすると流通防止対策というのは極めて重要だと思っております。この流通防止対策については、今、事業者や民間団体をメンバーとします昨年発足した児童ポルノ流通防止協議会において検討されております。特に、児童ポルノ掲載アドレスリスト作成管理団体の設置やブロッキングの実施に向けた検討がなされておりますので、これを見守りながら、また関係機関あるいは業界と連携して、実効性のある対策を推進するというのが今年の非常に重要な課題だと思います。

答  (大臣)今のに補填して、長官からまた補足してもらえばいいと思うんですけれども、出会い系サイト等については、かなり警告を発してですね、大半が内容を変更してくれたり、停止をしてくれたりしているサイトが多いわけですが、児童ポルノに関しては、あまりそういったことを聞いてくれないという状況が続いているという報告を受けています。これは一つ、是非、世界の恥ですから、本当に警察も必死で今、長官が仰ったように警察が音頭を取って会議を招集して、今対策をやっていますが、法的な措置を新たに講じなければならないということでは本当に情けないことだと僕は思います。だから、警察が警告を発した時に、キチッキチッと対応してくれるということを是非、現行ではお願いをせざるを得ない。これが続くようなら、私共も考えなければならないと思っています。そういった意味で、敢えて私から申し上げたというところです。

問  大臣、法改正の方の動きというのは、今どういうふうになっているんでしょうか。

答  (大臣)これは、超党派の議員でお願いをしたいと考えております。前の国会で、前にも申し上げましたように、当時に与党案、そして民主党案というのでかなり話し合いが詰まっていたわけでございます。解散になって、これが空中分解いたしまして、過般から委員長や与党側の議員には、ここの所を是非進めてくれと申し上げておりますので、両党の修正ということで、早期に成立をしてほしいと強く望んでいます。また、私自身も、あるいは法務大臣も含めて働きかけをしていきたいと考えています。

問  長官にお聞きしたいんですけども、警察相談業務の強化というのが今回広報されておりましたけども、その狙いと、それに関連しまして、10日にあった宮城の石巻市の殺傷事件につきまして今後の対策などについてもお聞かせ下さい。

答  (長官)まず、相談業務の更なる充実強化についてですが、近年警察相談業務が増えている背景には、人間関係が希薄化して、従来であれば家庭や地域において解決されてきた様々な事案というのが、そこの解決能力が弱まって、警察に相談として持ち込まれてきているということがあると思います。そういう中で、警察は国民の最後の拠り所でありますから、相談については、相談者の心情や立場等に配慮して、真摯に対応していくことが求められていると、これが基本的なスタンスだと思います。警察改革以来、相談業務につきましても充実強化を図ってきたわけでありますが、未だ不適切な対応を行う事例があるということで、今回更なる充実強化を図るということであります。通達の内容は御案内のとおりでありますが、要するに、相談については、今後これを受けた所属・部門、担当者によって対応に差が生じることがあってはならない。そして、警察署長などの所属長が、自らの所属が受けた相談を全て掌握して、所属長の指揮の下で組織的な対応を行うということが重要なことであると考えて、今回の通達を発出するということにしたわけでありまして、これによって相談への迅速かつ的確な対応の実現を期待したいと思っております。

それから、石巻市の件につきましては、経緯については御案内だと思いますけど、暴行を受けているなどの相談がありまして、宮城県警察においては被害者側に被害の届出を促したりしておりましたが、結果的には届出には至らず、更に防犯指導や相手方への指導・警告を行ったという報告を受けておりますが、結果としてこのような凶悪事件が発生したことは残念だと思っております。男女間のトラブルに起因するこうした事案というのは、デリケートで複雑な面があって、その対応は難しいものでありますけども、凶悪事件に急展開する性質を持っている点を踏まえて対処する必要があると認識しております。いずれにしましても、今回の事件を検証の上、各県の第一線の今後の対応に生かしていくことが重要であり、検証をきちっとしてまいりたいと思います。

答 (大臣)今日、委員会に詳しく報告がございました。事件発生後も私共はそれぞれ報告を受けました。今日、重ねて詳しい報告が資料付きで出されました。今、長官が仰ったように、また検証があるということでございます。これを受けて公安委員会としても考えていきたいと思っております。

問 さっき大臣が触れられたことの関連で、長官にもお伺いしたいんですけども、出会い系の関連で、出会い系以外のサイトに係る児童被害が急増しているということで、出会い系が減る一方で非出会い系の方が増えている現状があるわけですけども、現状の受止めと今後の対策についてお聞かせいただきますか。

答 (長官)出会い系サイト以外のサイトでの被害が大幅に増加している現状があるわけでありまして、早急に対策を講じる必要があると思っております。既に昨年の5月以降二度にわたって、児童の被害が相当発生しているサイトを管理しております十数の事業者に対しまして、諸対策を講じていただくよう文書で要請をしておりまして、その結果、大手の三事業者にありましては、昨年の8月から携帯電話のフィルタリング機能を活用した年齢認証システムの導入と、児童と認識した会員に対する利用制限を実施していただいているという現状にあるわけであります。しかしながら、早期に非出会い系サイトにおける児童の被害を根絶することが大事でありますから、そのためには、この際全ての関係事業者による従来以上に踏み込んだ取組みが必要であると考えております。警察庁もこうした観点から、助言や支援を惜しまない考えであります。加えまして、サイトへのアクセスのほとんどが携帯電話で行われている実態でありますので、フィルタリングサービスの更なる普及促進が重要だと思います。この点でも関係事業者の更なる取組みを期待したいと思っております。やはり非出会い系サイトの対策を早急に抜本的に進めていく必要があるんじゃないかと思います。

問 昨日、拉致問題の会議で金賢姫元死刑囚のことについて、間接的な情報なんですけども、発言があったということがありました。その証言について横田めぐみさんに会ったということを大臣が発言なさったということですけども、その事実関係についてまず伺いたいのですが。

答 (大臣)今年、記者会見で、韓国において金賢姫さんの取材で、去年の5月に日本政府の調査があって、その中で、実は横田めぐみさんに会ったことがあると証言したと、日本政府はそのことを知っているはずだというニュースがあって、私に質問があったことは御承知のとおりでございます。私はその事実を知りませんで、金賢姫さんは田口八重子さんを通じて横田めぐみさんの存在を知っておったということだけを聞いていたもんですから、直ちに拉致対策室の者に調査を依頼いたしましたところ、そういう資料が出てきたと、確かに3人で調査に行ってそういう証言を得ているという資料が出てまいったわけでございます。どうしてそれらが私共に上がってきていないのか。また従来の政権がこれをどうして放置しておったのか分からなかったんですが、私としては横田さん御夫妻にこのことをお知らせする、これは前々から家族の方々ときちっと分かった情報はお知らせをするという約束をいたしておりましたから、横田さん御夫妻にその資料を御覧いただきました。横田さん御夫妻も初めての情報だということを言われ、従来は伝聞で聞いておるからどうしても金賢姫さんに会いたいということではないとお漏らしになってたんですが、横田さん御夫妻は、お嬢さんが精神的な病で入院して死んだという北朝鮮の宣伝を非常に気にされて、娘は望郷の念の余り、若い時からひょっとしたらそういう状況になったんじゃないかという心配を抱いておられたと。しかし、非常に元気でいい子に育っていたというのを聞いて、ある意味で本当にほっとしたと。そういう話を聞けるのなら金賢姫に会いたいという御希望でございました。したがいまして、私はそれを受けて、事務方に韓国政府との交渉をと、また、警察や法務省内部においては彼女が入国をしても支障のないような対応をいただけないかと要請をいたしているところでございます。これはまだ始まったばかりですし、これからうまく時期を見計らって招致ができるように頑張っていきたいと思っています。

問 関連して、今韓国側との協議については行うことは未定だと。

答 (大臣)スタートしています。意思表示はいたしております。ファン・ジャンヨプさんのこともありますので、時期やどういう状況でやるかということはこれからの詰めでございます。

問 先程ちょっとありましたけども、大韓航空機の爆破事件に関しまして、旅券法違反ということが、まだ未解決のまま残っていますけども、招致をする際にその辺が障害になると懸念されると思うんですけども、その辺大臣のお考えはどうでしょうか。

答 (大臣)その辺を調整していただきたいということで、お願いを申し上げているところでございます。これもまたこれからのことでございます。

問 拉致に若干絡むんですけども、ハーグ条約の関係で先だって欧米の方から日本の姿勢にいろんな言葉が出ていますが、アメリカの国務次官補が、アメリカでは北朝鮮拉致と同一視されているかのような見方もあるということを絡めて、早期の加盟をということを求めたようですけども、政府内ではどういった議論になっていますか。

答 (大臣)今、岡田さんを中心に議論が始まっているやに聞いておりますが、私共の方にはまだ協議が来ているわけではありません。かなり日本は国際的な条約にサインしているけども、国内的には処理できていないというのがあるやに承知をしておりますから、これらの問題も政権交代の中で一つ一つ対応していくんだろうと考えています。