国家公安委員会委員長(代理)記者会見要旨
1 日時 平成22年3月4日(木)11:30~11:45
2 場所 警察庁第4会議室
3 概要 本日の議題案件でありますが、「人事案件について」、「平成21年中の不正アクセス行為の発生状況等の公表について」、「(財)安全運転研修推進協会の残余財産の処分の承認について」、それぞれ説明がありまして、原案どおり可決・決定いたしました。報告事項につきましては、お配りしている資料のとおりの報告が警察庁からございました。会議の内容は以上であります。
問 長官にお伺いいたします。平成21年中の暴力団情勢についての御報告があったということなんですけれども、暴力団の数や検挙件数は若干減ってはいますけれども、暴力団を巡る情勢というのは厳しいとは思いますが、今後の暴力団排除ですとか、暴力団の摘発に向けた警察としての取組みですとか推進についてお伺いします。
答 (長官)まず、取締りについては、山口組、とりわけ弘道会に対しては、徹底した資金源対策を推進するなど、その取締りを強化しまして、山口組・弘道会の弱体化・壊滅を着実に進めてまいる考えであります。また、暴排活動につきましては、事務所撤去運動に対する支援の強化、民間取引からの暴力団排除の推進、あるいは都道府県におきます暴力団排除に係る条例の制定に向けた検討の支援等が今行われているわけであります。特に、条例の制定につきましては昨年4県で制定をされまして、今年は更に多くの府県で進められるものと思っております。そうした諸々の暴排活動への支援というものを更に活性化させまして、本年は社会全体で暴力団を排除するための取組みを大きく前進させる年にしたいと思っています。
問 長官にお尋ねします。今の暴力団情勢と関連した問いなんでありますが、警察が集中的に取締り対象としている弘道会なんですけれども、人数の推移を見ますと、山口組全体では減ってはいるんですけれども、二次団体の弘道会のみは5年前と比べても7、8百位伸ばしているわけであります。検挙人員についても弘道会は1,500人位で前年比だと少し減っておりまして、勢力が伸び検挙人員が減っている。弘道会を眼目としておられるんですけれども、より具体的な取組みについてお尋ねをしたいと思います。
答 (長官)御案内のとおり昨年の全国会議以降、都道府県警察による弘道会に対する取締りは強化されておりまして、これまでに、昨年10月から本年2月にかけての数字でありますが、中枢幹部1名を始め、傘下組織の首領や幹部11名を検挙するなどしておりまして、着実な成果を上げていると見ております。しかしながら、他方で、弘道会は山口組の中心組織として、ますますその影響力を行使し、組織内での勢力拡大を図っている状況も伺えますので、今後、その取締りを一段と強化していきたいと考えております。成果を上げるように頑張ります。
問 長官にお尋ねします。同じく報告がありましたサイバー犯罪のまとめですけども、警察が体制をとって一生懸命やればやるほど検挙が上がるとか、なかなか実態が見えにくい面があると思いますが、サイバー犯罪の現状をどう見ていらっしゃるかということが一つと、対策面で警察でできることとできないことがあると思いますが、今後の対策をどう進めていくかということをちょっと総花的で恐縮ですが、改めてサイバー犯罪についてお伺いします。
答 (長官)検挙件数や相談件数が増えているというのは御案内のとおりでありますが、我々も表見的事案といいますか、数に目を奪われることなく、多くの暗数が背後にあることを認識して対処していきたいということであります。御案内のとおり、インターネットが国民の日常生活の場とか日常的な経済取引の場となりつつあるのに伴って、必然的にサイバー犯罪も急速に増加しつつある。こういう状況にあるわけでありますから、発生した事案の対処だけではだめで、先手の対策が不可欠だという気持ちでやろうとしているわけです。では、どういう対策かというと、取締りの強化を図るとともに、検挙事例から判明した原因や手口を分析することによって、一般利用者や関係事業者に対して注意喚起をきめ細かく行うという三本柱を、同時並行、同じ強度で進め、相乗作用を高めていくことによって、官民一体で対策のエネルギーを高めていくということだと思います。今までやっていること以上に、集中力を高めていくということではないかと思います。具体的には、取締りの強化というのは更に我々がパワーアップするということでありますし、違法情報対策も必要でしょう。しかし、非常に重要なことは関係事業者と一般の利用者に対するきめ細かい注意喚起と言いますか、安全対策の呼びかけというのをもっと強力にやっていかなくてはいけないと思います。そこで、利用者に対しては、例えばパスワードは定期的に変更するとか、発信元に心当たりのない電子メールに注意して下さいと、どんどんそういう呼びかけをやらなきゃならないと同時に、事業者に対しては、例えばインターネットオークション会社に対しては受取後決済サービスの導入等、それからインターネット銀行等に対する個人認証方法の改善やインターネットカフェに対する確実な本人確認の徹底などを呼びかけていきたいと思います。更に、これだけで十分ということではなく、どんどん官民一体でやっていくことが大事ですので、そういう点でまた知恵がありましたらお願いしたいと思っております。
問 長官にお聞きします。先般まとまった犯罪被害者支援の推進計画に関連して聞きたいんですが、犯罪被害者の遺族の方々が中学生や高校生に対して、自分の体験を語るという試みを今全国で行っておりますが、この試みについて一言いただければと思います。
答 (長官)今御指摘の講演ということでありますが、従来は犯罪被害者を専ら対象としました支援施策を中心にやっておりましたが、これに加えてもう一つの柱として、犯罪被害の実態等について広く国民を対象としまして理解を深めるための広報啓発活動を推進しようということをやりつつあります。つまり、二つの柱でこれから犯罪被害者支援を進めていこうということではないかと思います。警察では民間団体や関係機関と連携しまして、被害者、遺族による講演会を開催しまして、犯罪被害の実態、命の大切さや被害者支援の必要性等につきまして国民の理解を深めるための取組みを推進しております。その一環として、中高生等を対象にした被害者、遺族による講演を取り入れた命の大切さを学ぶ教室を開催しております。平成21年度の上半期におけるデータでは、全国で110校、約46,000人を対象に実施しております。こうした新しい活動をどう評価するかということでありますが、私共は将来の社会を担う青少年が、被害者、遺族等から直接話を聞くことによりまして、犯罪から受けた様々な痛み、子供を亡くした親の思いや家族のきずな、命の大切さ等についての理解を青少年が深めるとともに、ひいては犯罪を犯してはならないという規範意識の向上にもつながるのではないかということで、教育効果は高いと考えておりますし、現場からもそういう報告が来ております。したがいまして、この取組みがやがて大きな広がりを持てば、長い目で見ますと必ず日本の治安に良い影響を与えることになるのではないかと思っております。
問 犯罪被害者対策につきまして、ちょっと関連しますけれども、新年度のモデル事業として、今までにないような性犯罪被害者対策を実施するということでありますけれども、そのモデル事業のねらいについて、また性犯罪対策一般について、今後、どういう点を重視されていくのかお聞かせ下さい。
答 (長官)御案内のとおり、性犯罪被害者につきましては、警察や医療機関等で何度も被害状況を説明しなければならないとか、被害者の心理的特性を理解していない関係者による二次的被害を受けたり、あるいは継続的なカウンセリングや法律上の相談が必要なのにどこに行けばよいのか分からないとか、様々な困難に直面することが多いわけでありますが、そのため警察に被害申告をためらうことも多いと考えております。そういうこともありまして、モデル事業というものを導入するということであります。このような拠点体制を取ることによりまして、性犯罪被害者に精神的負担を掛けることなく、必要な幅広い支援を受けてもらうことができ、その苦痛や困難の軽減に大いに役立つものとなると思いますし、その結果、性犯罪被害の潜在化防止等にも資するものと考えております。また、性犯罪対策の今後の進め方ということでありますけれども、もちろん警察はこれまでも様々な性犯罪被害者の支援の充実をやりましたし、今回も新しいモデル事業というのをやりますけれども、やはり申告していない被害者の方も含めて、全ての性犯罪被害者の方々の長期に亘る精神的苦痛、場合によっては一生のトラウマになる恐れもあるわけでありますが、そういうことに我々は思いをいたして、こういう施策だけに満足せず、更に性犯罪対策について前進する強い決意で臨みたいと思っています。