国家公安委員会委員長記者会見要旨
1 日時 平成22年4月1日(木)11:30~11:45
2 場所 警察庁第4会議室
3 概要 今日から4月1日、新年度に入ります。内閣も、ちょうど200日位までまいりました。この後、12時から警察庁の新入の方々の歓迎の御挨拶がございますので、よろしくお願いいたします。今日の公安委員会におきましては、足利事件の無罪判決を受けて、検証結果の詳細な報告が約30分にわたって行われたところであります。また、中国製冷凍餃子薬物混入事件についても、正式に公安委員会に報告がございました。また、国松元長官狙撃事件の時効成立を受けて、これまた詳しく経過なり、過般の発表の中身等の御報告がございました。また、かねてから手配をいたしております赤軍の逃亡メンバーの手配のポスター写真を、今回新しい3名、顔写真を入れ替えて手配をし直すと、こういうことでの御報告があったわけでございます。大変、盛り沢山な報告で、警察としてもいろいろと、国家公安委員会といたしましても、いろいろと思うところでございます。足利事件、あるいはまたDNA鑑定のデータベースの問題、あるいは中国製冷凍餃子事件のこれからの発展、展望、また国松長官狙撃事件の発表の在り方等々について、公安委員の皆さん方から御質疑があったところでございます。
なお、公安委員会始まる前に、首席監察官をやっておりました舟本君が、本日付で大阪府警の本部長に就任をいたしまして、任命式がございました。以上、御報告といたします。
問 長官にお伺いしたいんですけれども、先ほども話がありましたように足利事件の検証結果がまとまりましたが、その結果と、それから多くのページを割いているDNA鑑定の在り方について御見解をお願いします。
答 (長官)まず、この足利事件について捜査の結果を誤り、犯人ではない方が長期間にわたって刑に服されることになったことについては、改めて、極めて遺憾であり、申し訳ないということを述べたいと思います。その上で、今回の検証によりまして、捜査や鑑定をめぐる様々な問題点が明らかになったわけでありますが、それを踏まえた再発防止策の徹底を図って、こうした事案が二度と起きないようにすることが大事であります。当面の再発防止策の一つとして、より客観的証拠に依拠した捜査力を向上させることが必要であると考えておりまして、そういう意味で、御指摘のDNA型鑑定の活用が有効であると思っております。今回、DNA型鑑定の効率的な活用を図ることといたしたわけでありますが、そのためには、DNA型鑑定の信頼性が確保されることが重要でありますので、DNA型鑑定の適正かつ効果的な運用につきまして、引き続き、各都道府県警察を指導していくことが大事だと考えております。
答 (大臣)DNA型鑑定の件につきましては、私からも、あるいは委員の皆さんからも、「どうして、そうデータの蓄積が少ないんだ」ということで、刑事局長から、改めて日本の難しさのお話がございました。今回、こういう事件の反省に基づいて、今、許容される範囲で蓄積を増やしていく、同時に、精度を高めるいろいろな器具や、科学的なものを十分備えていく。同時に、今、私の下であります可視化に伴う捜査の高度化の研究会におきまして、DNA鑑定の拡大ということについて十分御議論をいただくということの話を、今日いたしたところでございます。
問 長官にお伺いします。一昨日、警視庁の方で国松事件の時効に伴いまして、時効になったものの、これはオウム真理教による犯罪であると思われるというような発表がございました。これについての御所見があればお伺いしたいと思います。
答 (長官)本件は、御案内のとおり現職の警察のトップが狙撃されたということでありますから、治安に対する挑戦ともいうべき極めて重大な事件でありまして、警視庁では、事件発生以降、犯人検挙に向けて懸命な捜査を続けましたけれども、事件解決に至らず時効に至ったことは誠に残念であり、結果が出せなかったということだと思います。今御指摘の公表についてということでありますが、これは、警視庁として、本事件がわが国の治安上重大な影響を与えた事件であるということから、捜査内容を公表して説明責任を果たす等公益上の必要性に鑑みて、今回、公表に踏み切ったものと理解しております。いずれにしましても、本事件が解決に至らず、時効に至ったという事実を重く受け止めなければいけないわけでありまして、その上で、これまでの捜査をしっかりと検証してまいりたいと考えております。
答 (大臣)私はこの間の記者会見で、「警察の悔しさが滲み出ている発表だ」というような言い方をいたしました。そういうことを記者会見で申し上げたという御報告をいたしました。一部の委員の方から、「あそこまで踏み込まなくても」という議論もございました。これに対して、警察側からは、「御批判は十分わかるが、官庁として、役所として、監視対象である団体、こういうことを考えて、今後のこともこれ有りで、敢えてああいう異例な発表になったんだ」というお話がございました。これに対して、捜査の反省についても3点ほど新たに率直にお話がございましたが、公安委員会側からは、「テロの予防ということに関して、日本は法的に格別、規制がされて動きにくいが、しかし、起こってからどうだということではなしに、テロの予防ということに関して、政治の面も含めて、十分、検証、研究をすべきだ」という御注文もございました。私の方も、一度、党と相談をしながら、どういう方法があるか、長期的に考えていきたいと思ったところでございます。
問 ギョーザ中毒事件について長官にお聞きしたいんですが、現段階で供述内容だとか捜査状況の伝達がこちらにも入っているかと思うんですけれども、現段階での長官の御所感と、2点目として日中間での捜査協力についてどのようなことが必要なのか、3点目として警察庁としてはどのように今回の事件に関与していけるのか、この3点についてお伺いしたいと思います。
答 (長官)これは、御案内のとおり発生後2年数か月にわたって日本警察としては中国の捜査当局とも連携を取りながら捜査を行ってまいったわけであります。私としても、次長時代の平成20年2月に訪中しまして、中国公安部の孟副部長らと情報交換を行っており、そういう関係で関わってきたわけでありますが、今回の身柄拘束というのは、中国公安当局の長期間にわたる粘り強い捜査が実を結んだものであり、これに敬意を表するとともに、今後事件の全容解明に向けた取組みが更に進むことを期待しております。今後、どうするかということでありますが、早いうちに警察庁幹部を中国に派遣して必要な情報交換等を行うとともに、日中刑事共助条約等を活用した捜査協力を行っていくことが大事であると思います。日本の国内で発生した事案というものを全容解明をするには、今回の身柄拘束で、中国当局が捜査しておりますから、そういうものとすり合せていくなど、いろいろやることがあると思いますので、そういう点でも早いうちに派遣することが大事だと思います。
答 (大臣)今のところ、こちらから大至急派遣したいというのに対して、向こうから人数はどうだとか、第1回目の打電があったという報告だけはありました。これから早急に交渉をまとめて、一日も早く派遣をしたいと、それも一回だとかそういうことはないと思いますから、日本側の証拠を十分立証できるように中国側の協力を求めていきたいと考えています。
問 長官にお尋ねをいたします。足利事件の検証の関連でありますが、原因が幾つか挙げられておりまして、取り調べる際の問題点も幾つか指摘がなされています。迎合しやすいとされるような人達の取調べをどうするのかなどがありましたけども、誤認逮捕というのは足利事件の後も、たくさんではありませんが全国で散見をされておりまして、いずれも原因は今回の検証で指摘されたような捜査指揮の問題であるとか、そういう特性を持った容疑者をどう取り調べるのか、その自白内容をどう検証するのかということだったと思うんですけれども、この点について今回の検証でも指摘はなされていますが、どうすればこういう誤認逮捕、あるいは冤罪を防げるのかというのを、長官のお考えとして改めてお伺いしたいと思います。
答 (長官)今回の足利事件の検証とそれの再発防止策においても指摘されていますが、捜査主任官の指揮あるいは裏付捜査を徹底するということは昔から言われているわけですから、そこを抽象的に大事だと言うことではなくて、今回の検証結果を踏まえて、より客観的なチェックシステムを作ると、つまり裏付捜査をチェックする専従の担当官あるいは班を置くということを提案しているわけであります。このような裏付捜査の徹底をより進化した形にする、今言ったスキームというのは一つの進歩だと思いますが、ここで満足することなく更に進化させていかなければいけないと思います。二度と起きないようにするためには更に万全の措置をする努力が持続的に必要だと思いますが、これから我々がいかにそこを重視して、捜査に携わる者に対して意識を浸透させていく努力をしていくことが大事だと思います。