国家公安委員会委員長記者会見要旨
1 日時 平成22年5月6日(木)11:29~11:44
2 場所 警察庁第4会議室
3 概要 国家公安委員会定例会議が終わりました。御報告することは、午前中に御取材もいただきましたが、首都圏における痴漢事犯対策強化期間の実施結果の御報告がございまして、かなりの検挙件数があり、また、常習というか繰り返すのがかなりの数に上っているという報告も受けました。被害を受けられた女性の方々は、その後、仕返しに遭うんじゃないかとか、あるいは付け狙うんじゃないかということで、人によっては住居も替えられる方がいると、こういったことについても、きちっと対応しなければならないという強い姿勢が報告されたところでございます。今日の東日本旅客鉄道会社に対する長官の表彰は、こういったことに対応していただく民間に対して、初めて警察庁として表彰をして、とにかく全国的に取り組んでいただきたい、警察庁も一生懸命バックアップするという意欲の表れでございます。私も、本当でしたら昨日の夜、オーストラリアで少しゆっくりして、今日の夕方帰る予定だったのですが、どうしても表敬訪問を受けろという強い御要請がありましたので、昨日の夜の飛行機でオーストラリアから帰ってきたところでございます。
オーストラリアにおきましては、メルボルン、シドニーでそれぞれ、死因究明、それから録音・録画、これらについてオーストラリア州政府、また連邦政府が取り組んでいる状況を率直に長時間にわたって詳しく聞かせていただいてまいりました。また、何らかの報告書、ペーパーを出せるとは思いますが、本当に参考になったということで、先程、国家公安委員会の席におきましても、私からも御報告を申し上げたところでございます。特に、録音・録画をやっておられる部署の方々に、「一度、日本の勉強会に来て、現実・現状を話し合ってほしい」という要請をして、快諾をいただいたところでございます。また、マクレランド連邦法務大臣とも会談をいたしまして、幅広く、北朝鮮の拉致の問題についての豪州の協力等についても御報告もいただき感謝も申し上げたところでございますし、天安艇事件についても意見交換をいたしました。また、シーシェパードによる日本の調査捕鯨船に対する破壊行為、これについて海上保安庁が逮捕状を出した、私共、警察としては、要請があればインターポールへ出していく。こういう中での協力を、大臣にもお願いをしたところでございます。大臣の方も、「捕鯨に対する対応、考えはそれぞれ別だし、また、こういう機会に議論をすることではないが、破壊行為ということに関しては断固許すべきではない。日本側の立場を支持して協力をしたい」ということを言われた、こんなことを報告いたしたところでございます。以上が、今日の会見の私の報告であります。
問 長官にお聞きします。先程、大臣からのお話もありましたけれども、この度の痴漢の集中取締り期間が終わりまして、かなりの数の検挙者が出たんですけれども、このことへの受け止めと、今後の更なる痴漢対策について御所見をお願いします。
答 (長官)先程、大臣の方から報告がありましたわけですが、まず、今回の取締りは事前に広報したわけでありますけれども、それにもかかわらず検挙された者だけでも相当数の者がいるということ、この事実は極めて遺憾だと思っております。検挙された者を見ますと、会社員が約6割を占めており、常習的な者も少なくないわけでありますが、彼らは、家庭や職場において良識ある社会人として振る舞っている一方で、こうした卑劣な犯罪を行っており、これをやはり見過ごすことはできないと思います。しかも、先程もお話がありましたように、被害者の女性に深刻な精神的な被害を与えているということであります。したがいまして、この際、各企業におきましても、こうした実態を認識していただいて、社員に対する規範意識の向上に努めていただきたいと強く望みたいと思います。
今後の対策につきましては、まず被疑者を検挙するということはもちろんでありますけれども、やはり犯罪を起こさせない環境づくりというのが極めて重要でありまして、今回のJR東日本の取組みを大変大きく評価いたしたいと、そういうことで、感謝状を渡したわけでありますが、こうした環境づくりというのが他の鉄道事業者にも拡がっていくことを期待したいと思っています。
問 長官にお尋ねをいたします。4月の末に、殺人罪等の公訴時効を廃止あるいは延長するという刑訴法、刑法の改正案が通りました。それで、即日施行でありますけども、このことが警察に与える影響、あるいは警察としてこれを受けてどういうふうにしていこうかというところについてお聞かせ下さい。
答 (長官)影響としては、御案内のとおり証拠の保管や捜査体制の問題がありますが、今回の時効の廃止、延長によって国民が最も望むのは、犯人を検挙することでありますから、これに向かって最大限警察は努力していかなくてはいけない。そのために、一つは必要な捜査体制の確保に努めるということでありますが、もう一つは、この際捜査能力の向上というものを図る必要があると思います。その中身としては、例えば、客観的証拠等を早期に確保するための初動捜査の高度化、あるいは防犯ビデオ映像の解析やDNA型鑑定の高度化と言いますか、こうした科学捜査能力の向上等を重点的にやっていかなければいけないわけでありますし、更には将来の課題としましては、大臣主催の有識者による研究会において、更なる捜査手法の高度化について検討されておりますが、そういう研究会の結果も含めて、捜査能力の高度化によって国民の期待に応えたい。より我々は努力していく必要があると思います。
問 建設業界からの反社会的勢力の排除について、長官にお伺いしたいと思います。先日、日本建設業団体連合会が会員企業に対して、業者との契約において、暴力団排除条項を盛り込むようにと求めましたが、一方で福岡では、特定の対象を暴力団が狙ったと見られる発砲事件等も相次いでおりますが、こうした状況の中で建設業界の取組みをどう評価されているか、警察としても、どう支援されていくのかお聞かせ下さい。
答 (長官)御案内のとおり、これまで暴力団排除条項の導入というのは証券業界や銀行業界等において進められてきたわけですが、この度、建設業界においても暴力団排除条項の導入を推進することとされたということは、暴力団の資金源を遮断する上で極めて有意義であると評価したいと思います。今後は、日建連と連携を取りながら、建設業界からの反社会的勢力の排除を徹底する方針でありまして、暴力団排除条項の導入が確実に進むよう支援してまいりたいと思っておりますが、同時に今御指摘のように、北九州で発生したような事案の未然防止ということも非常に大事でありますから、そのための安全対策も十分行っていくということが警察に課せられた使命だと思います。
北九州の事案もありますけども、建設業界の新しい取組みについては、非常にタイムリーであり、こういう動きによって、社会全体で暴力団を孤立化させる動きが更に高まっていくことを期待したいと思っております。
問 大臣にお尋ねします。先程、オーストラリアのマクレランド連邦法務大臣との会談でシーシェパードのことが話に上がったということでしたが、向こうが日本に対する協力の姿勢は示していると。
答 (大臣)いや、シーシェパードの代表の逮捕状が出て、警察へ言ってきたらインターポールへ照会をしてやっていく。これについて理解と協力を求めて、向こうも「これは当然だ。破壊行為についてはオーストラリア政府も断固許さない」と、こういうことです。
問 具体的にインターポールを通じての手配となった場合に、身柄の拘束等、具体的な協力を求めるという話なんでしょうか。
答 (大臣)これは、行く先々に行方の追及とかできますから、まだ警察へ上がって来てないから、警察も対応していないんだと思いますが、かなり広範囲にわたって、当人の行動について制約をすることができると、当人がきちんと日本に来て取調べを受けてくれれば、こんないいことはありませんが、そんなことは考えられないような人達でしょうから、日本としてできる限り海外に協力を求めていきたいと、私共は思っています。
今日、帰って来て新聞見たら、原口君が児童ポルノのブロッキングのことについてアメリカで発言したというので、大変結構なことだと思っています。アメリカでやっぱり言われたかな。児童ポルノについてはきついですからね、アメリカは。今まで警察、私も含めて、かなりブロッキングのことを申し上げ、このまま情けない状況が続くなら法的措置も考えざるを得ないとまで記者会見で申し上げたこともありますが、それに対して、通信の秘密だとかいろんなことを言っていた総務省の長の原口君が、思い切って踏み込んでくれたというのは大変結構だと歓迎します。明日また会いますから。帰ってるかな、多分、明日会えると思いますから、そういうところで、どういうふうにお互い協力し合ってやるか、そして、実を挙げていくか、早急に対応を考えていきたい。そして、内閣に置かれている犯罪対策閣僚会議等で決定をしていきたいと思っております。