国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 平成22年6月3日(木)11:18~11:39

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要  公安委員会が始まります前に、私の方から公安委員の皆さん方に、総理の御決断の前後の話等を簡単に申し上げ、今後の予定等も御報告をいたしたところでございます。その後、中国の例の餃子事件について、公安委員会から注文をいたしました実験結果等の報告がございまして、ほぼ、中国側の御提供いただいたお話や案件と間違いない結果だったということでございました。これに関して、中国側へ捜査員等を派遣するという話は、これから交渉になるんだろうと考えております。

公安委員会が始まりまして、決裁と報告が処理されましたが、この中で、刑事局からございました六代目山口組、住吉会及び稲川会に対しまして、公安委員会として暴力団の指定の確認、こういう要請がそれぞれ地域からございましたので、公安委員会としてこれを認めるということになったところでございます。あとは、アセアナポールの報告、「子ども女性安全対策班」の1年間における活動の報告、そして、いよいよAPECの貿易担当大臣会合を皮切りに、これからAPECの会議が日本中で行われる、これらの警備についての御報告があったところでございます。以上が、本日の公安委員会の御報告でございます。

問 長官にお聞きしたいんですが、「子ども女性安全対策班」が発足して1年になり、また法務省から警察庁に子どもに対する暴力的性犯罪の出所者情報の提供が行われて、その制度ができて5年になるんですが、それぞれについて、これまでの成果と今後の課題等についてお考えをお聞かせ下さい。

答 (長官)まず、前段の質問でありますが、本対策班については、いわば従来の犯罪予防と検挙活動の両側面を備えた全く新しい警察活動であると認識をしております。この対策班を設置後1年余りが経過したわけでありますけれども、各県においては、効果的な活動手法の開発を模索しながら、着実に活動実績を積み重ねつつある状況と思っております。ただ、対策班の対象となる行為者には強い性癖を持つ者が少なくないため、性犯罪の予防というのは困難を極めますけれども、今後、活動のノウハウが蓄積するにつれて、より効果的な運用が可能になってくるのではないか思います。今後、更に進化させていく必要があるのではないかと思っております。

後段の質問でありますが、出所者情報の制度につきましては、5年間で740人の出所者のうち、43人が再び、子ども対象の暴力的性犯罪で検挙されており、再犯防止には所在確認が欠かせませんけれども、現在、200人の所在が確認されておらず、各種警察活動を通じて発見に努めているところであります。警察としては、出所者の社会復帰等を妨げないように配意しながら所在確認を行っておりますが、困難が伴っているというのが実情であります。

問  長官にお尋ねをいたします。APECの前触れ会合として6月の5日、6日と札幌で貿易担当大臣会合が始まり、その他、福井、その他各地で同様の会合が開かれますが、改めまして警備の心構えをお伺いします。

答 (長官)今御指摘のように、いよいよAPEC警備が始まるわけでありますけれども、今回のAPECの情勢を見ますと、昨年末の米国旅客機に対する自爆テロ未遂事件以降、国際テロ情勢が緊迫化しており、更には、韓国哨戒艦の沈没事案によりまして朝鮮半島情勢が緊迫化していることなど、一昨年の北海道洞爺湖サミットに比べて、警備情勢が質的に変化していると認識しております。この情勢の質的変化を十分踏まえて、これからのAPEC警備をやっていく必要があるということでありますので、APEC首脳会議は11月でありますけれども、一つ一つの閣僚会合の警備というのを、先程言ったような視点に立って、きちっと集中力を持ってこなしていく、取りこぼしがないようにしていくということが、APEC警備本番につながっていくのではないかと思います。ですから、一つ一つ全力集中で取り組んでいくということが非常に大事になってくると思います。

問  兵庫県明石市で起きた明石歩道橋事故の雑踏警備の関係で、最高裁判所が昨日、発表しましたが、当時の明石署の警察官と警備会社の職員に対して上告を棄却し有罪が確定する見通しですけれども、これについての御所見をお聞かせ下さい。

答 (長官)改めて、お亡くなりになられた方の御冥福を心よりお祈り申し上げたいと思います。この度の決定を重く受け止めるとともに、緊張感と集中力を持って同種事故の再発防止が更に徹底されるよう、各都道府県警察を指導してまいりたい。これからの不断の努力が非常に大事だと思います。

問  長官にお尋ねします。北朝鮮に対する第三国経由での不正な輸出入について先般、政府が厳格な対応を改めて取るように方針を決定いたしました。既に、全ての貨物の禁輸措置という形になっていますけれども、現在の北朝鮮の情勢や物資の調達状況等を踏まえて、更に、今後厳しくしなければならない取締りの留意点であるとか目的について、改めて長官のお考えをお聞かせ下さい。

答 (長官)これは、御案内のとおり総理から、第三国を経由した迂回輸出入等を防ぐため、更に厳格な対応を関係省庁間で取るようにという指示がありました。警察としては、これまでも厳正な取締りを実施してきたわけでありますが、今回の御指示を踏まえて、対北朝鮮措置の実効性を確保するため、以下の三点を重点に対応してまいりたいと考えています。一つは、迂回輸出入等の取締りにつきまして、警察庁による指導調整を強化して、各都道府県警察が有する情報や捜査資料の共有を推進すること、二つ目は、国内関係行政機関との連携を一層緊密にすること、三つ目は、海外治安情報機関との情報交換をより活発に行うこと等によって、違法行為の取締りを更に一段と強化してまいりたいと思っております。

〈長官退席〉

問  大臣に就任されて、二つの研究会を立ち上げられ、今までにない捜査手法ですとか、死因究明の在り方の研究を進めてまいりましたけれども、その政策が途中の段階で辞任するような見通しになりましたが、改めて二つの政策への御所見と、今後引き継がれるであろう方へ何かありましたらお願いします。

答 (大臣)本当に鳩山内閣を支えて、政権交代の成果というものを私自身の担当の警察や拉致や防災で実現をしたいと考えて、いろんなことをやってまいりまして、特に警察におきましては、今お話がありました二つの勉強会を立ち上げられたこと、そして、その結果を警察の治安維持向上と国民の信頼回復というものに十分生かしていきたいと思っておりましただけに、勉強会がスタートして5ヶ月という中で内閣が総辞職するということになりましたことは、自分自身も非常に心が残ることであります。また、拉致に関して言えば、私も思い切っていろんなことをお任せていただいて、予算的にも人的にも、この4月から大変な充実した陣容を敷かしていただいて、ようやく各方面の情報収集、分析に向かって動き出した矢先ですから、何の成果も御報告できずに、総理が御退陣なさるということは非常に残念なことでもございます。昨日は、そういう意味で総理の所へ、特に拉致の問題の現状ということで御報告を申し上げ、直接、成果を8ヶ月の間に上げられなかったということについてお断りを申し上げたところでございます。総理からは、「とにかく拉致の問題で、これからも一緒になって成果が上がるように頑張りましょう」というお言葉があったところでございます。

問  先程、鳩山内閣の話がありましたが、ポスト鳩山という意味で菅副総理が代表選への出馬を表明されました。菅さんへの評価をまずお聞かせいただきたいのと、まだその他に有力な候補者が出てきていないということで、場合によっては無投票になる可能性もあるのですが、やはり選挙戦をやるべきかどうか、その点において御所見をお伺いできますでしょうか。

答 (大臣)やるべきかどうかということではなしに、民主党という党は、僕はまだ7年目位ですが、やはり無投票は良くないと考える方が多い党ですから、今日一日かけて候補者が出てくる可能性もある。それはそれで結構なことだと僕は考えています。明日、粛々と、どういう方法で、演説を聴くのか、議論するのか、あるいは無投票になるのか、よく分かりませんが、選挙管理委員会の皆さんの御工夫で後継者を決定して、国対筋によれば、明日、首班指名も行うというようなお話でありますから、首班指名の下、新しい総理の手で組閣、あるいは党の人事といったものが早急に作られて、一日も遅滞なく国政が運営されると、こういう状況を作っていくべきだと考えています。菅さんからは、今朝電話がありまして、「本当は会わなきゃならないんだけれども、電話で失礼する」というお話で、立候補の御意思、そして、支援の要請がございました。私はその場で、「8ヶ月一緒にやってきたわけですから、この方向をこれからも成果を上げるために一生懸命御支援申し上げる。この一日間の運動期間ですが、頑張って下さい。そして、菅グループでスタートするというイメージが持たれないように、幅広く党内に呼び掛けて、支援の輪を広げてほしい」といったことを申し上げたところでございます。菅さんは、初当選が私より後じゃないかと、彼は参議院の方へ出て、市川さんの後をということで出て、それから衆議院を通って来ましたから、54年じゃなかったかと思いますが、僕は途中で1回落選しましたが、彼は当選何回かな、10回かそこら辺だと思いますが、当時は社民連と民社党というのは、国会では少数会派でしたから、演説とか質問とか、いろんなことで助け合ってきました。彼の舌鋒鋭く、短い時間に与党に対してたたみ掛けていくスタイルというのは、到底まねできないと感心していました。この8ヶ月間は、そういう過去の鋭い舌鋒、そして切り込み、こういった矛を少し納められて、財務ということで、国家の財政厳しい中、非常に慎重におやりになってきた。彼の勉強振りをつぶさに見てまいって、大きく成長されているなと感じております。この幅を広げた人間性で、党全体が厳しい環境を一緒になって乗り切ってほしいと思っています。

問  対北朝鮮の関係なんですが、哨戒艦の沈没の関係で韓国とアメリカと緊密な連携と強い支持というのを鳩山さんが打ち出された直後にこういうことになりましたけれども、今後、国連安保理に舞台は移るんでしょうけども、そういった施策の継続というのを、今の内閣の方針が引き継がれていくというふうに見通されているのでしょうか。

答 (大臣)これは、制裁を日本独自で追加する、そして、韓国の方針に日本も一致協力して御支援申し上げるということは、安全保障会議、そして、閣議の中で十分な論議があって決定をしたことでございます。したがって、総理が交代をしても何ら変わることなくやっていただけると考えています。韓国では昨日、地方選挙も終わりましたし、イスラエルによる、ああいう行動で安保理の議論がありまして、韓国の問題一色ということではないわけですが、しかし、来週くらいから韓国の国連への決議の上程等を含めて、日本を挙げてお手伝いをすることができると思っています。私も、9、10、11日と拉致の問題といろんな関連でアメリカに行く予定だったんですが、こういう状況でありますのでキャンセルをいたしました。これだけは心残りでございます。