国家公安委員会委員長(代理)記者会見要旨

1 日時 平成22年6月24日(木)11:33~11:44

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要   本日の国家公安委員会定例会議の状況について御説明申し上げます。委員長及び委員は全員出席でありますが、委員長は所用のため途中で退席されました。本日は、議題案件はございませんでした。報告事項につきましては、お手許にお配りした案件の一覧表どおりであります。「新成長戦略について」、「第22回参議院議員通常選挙の違反取締りについて」、「外為法違反事件(無許可輸出)の検挙について」を始めとして、11件の報告が警察庁からありました。定例会議の内容は以上であります。

問 長官にお聞きいたします。先日、広島のマツダ工場敷地内で無差別とも言えるような殺傷事件が起きましたが、このことへの御所見をお聞かせ下さい。

答 (長官)まず、本件は大変痛ましい事件であり、改めて亡くなられた方の御冥福をお祈りし、御遺族にはお悔やみを申し上げるとともに、けがをされた方々には、お見舞いを申し上げたいと思います。本件は不特定多数の被害者に対し無差別に危害を加える行為でありまして、国民に対し大きな不安を与えるものであり、その動機の如何にかかわらず許されるものではないと考えております。現在、広島県警察において捜査中でありますが、今後は、徹底した捜査により、本事件の背景、動機等を含め事案の全容解明を図っていくことが大事ではないかと思います。こうした事件に警察はどう対処するかということでありますが、既に警察におきましては、平成20年6月に発生しました秋葉原における無差別殺傷事件等を踏まえまして、本件のような重大事件発生直後の初動対応に際して警察の総合力・瞬発力がしっかりと発揮されるよう、初動警察刷新強化のための取組みをこれまで強力に推進してまいったわけであります。本件につきましても、警察が認知した後、必要な手配や捜査が迅速に行われ早期に被疑者が検挙できたと考えており、これまでやってきました初動警察の強化の取組みは着実に現場に浸透しているのではないかと認識しております。したがいまして、今後、引き続き初動警察の強化の取組みを継続していくことが大事であると考えています。

問 長官にお聞きします。一昨日、全国でヤードの一斉対策が行われ、外国人7人が検挙されましたが、ヤードについてのお考えと、今後の課題についてお聞かせ下さい。

答 (長官)いわゆるヤードというのは全国に所在をして、これまで犯罪の温床となっていたということが懸念されましたので、その実態解明等を行うために、22日に全国警察が一丸となって、捜索・立ち入りを実施したわけであります。御案内のとおり、これらヤードは周囲を鉄壁等で囲まれて、その多くには外国人が関与していることから、これまで実態把握には困難を生じていたところであります。この度の一斉対策によりまして、ヤードの実態解明が一段と進んだわけでありますが、国際犯罪組織が今後も犯罪支援のネットワークやインフラ等としてヤードを利用する懸念が残っておりますので、継続的な実態把握と取締りが重要であると考えています。率直なところ、ヤードの実態解明は必ずしも十分とは言えないと考えており、今後、入国管理局や自治体等関係機関とより一層緊密な連携を図るとともに、特に行政法令も含めた各種法令をいかに適用して実態解明と事件検挙を推進していくか、これを全国警察で工夫を凝らして取り組んでいくことが大事ではないかと思っております。いずれにしましても、このヤード対策というのは、犯罪のグローバル化対応の一つの柱として、重要な取組みとしてこれからもやってまいりたいと考えています。

問 長官にお聞きします。今日の報告にもあったようですけれども、いわゆる薬物の乱用対策ということで、政府の方で戦略加速化プランを策定するということなんですけども、芸能界の薬物汚染も問題になりましたが、警察として薬物の撲滅に向けてどのような取組みを推進されるのかをお聞かせ下さい。

答 (長官)最近の薬物情勢の厳しさというのは御案内のとおりでありますが、こうした厳しい情勢に対して、警察としては、まず薬物の密輸・密売・密造を敢行する暴力団やイラン人等外国人薬物密売組織を壊滅するというのが一つの柱でありますが、もう一つは、末端乱用者の徹底検挙による需要の根絶に取り組む必要があります。他方で、薬物問題の解決のためには、こうした取締りの強化とともに、社会のインフラとして国民全体に違法薬物を拒絶する意識が醸成・定着されることが不可欠であるということです。つまり、薬物は許さないという風潮が国民全体に浸透するようにもっていく必要があるわけであります。このために、これまでもやってきましたが、警察としては、青少年に対する薬物乱用防止教育を推進していくとか、芸能界、スポーツ界、経済界等における薬物乱用防止のための取組みを更に推進するとか、そういうことが必要ではないかと思います。今後とも、取締りを一つの柱として、もう一つは、薬物乱用防止に関する広報啓発活動を推進することによって、社会全体に薬物乱用防止に向けた機運が一層高まるようにしなければならないのですが、いかに新しい知恵を出すか、これまでもいろんなことをやって来ているのですが、更に本当に国民全体に浸透するような新しい知恵を、これは警察だけではありませんが、関係省庁と力を合わせて更に前進していくということが大事だと考えています。

問 長官にお尋ねをいたします。大相撲の問題についてであります。先週も長官にはお尋ねをしたところでありますけども、警視庁が大関琴光喜関事件について早くもと言いますか、非常に早いペースで捜査を進めていて、脅したとされる元力士について逮捕状を取ったということであります。改めてこの問題についての警察の取組み、今後の方針についてお聞かせ下さい。

答 (長官)今御指摘の捜査につきましては、御案内のとおり警視庁で捜査中でありますから、具体的なコメントは差し控えさせていただきますが、警察としては、今回の一連の事案の全容解明に向けて、捜査を徹底してまいるという方針でおります。同時に、大相撲を巡る問題につきましては、事件捜査という側面に加えて、大相撲からの暴力団排除を支援していくという側面もあるわけでして、去る21日、日本相撲協会は改正した同協会の寄付行為細則を適用しまして、暴力団関係者が経営する相撲案内所との契約を解除したということを聞いております。今後もそうした取組みが徹底されるように、警察として必要な支援を行っていくということも大事であると考えています。要するに、全容解明に向けた捜査の徹底と、日本相撲協会による暴力団排除の取組みへの支援の二本柱で強力に進めてまいりたいと思います。私は、この機会に相撲界から暴力団一掃を図らなければならないと認識しております。そして、そのことが現在推進している日本の社会から暴力団を排除しようとする動きに弾みをつけていくと認識しております。この問題については、きちっと警察として対処してまいりたいと思っております。