国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 平成22年7月1日(木)10:31~10:45

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要   私も連日、公務の合間を縫って応援に走り回っております。昨日は宮崎の小林市やえびの市辺りで街頭演説をいたしまして、今日は久しぶりに郷里、三重県の演説会に行きまして、深夜に帰ってまいります。そういう毎日の中で頑張っているところでございます。

今日の国家公安委員会は、幾つか議論がありましたが、御報告することは、中国公安部との久しぶりの定期協議が行われたという報告、あるいは数年ぶりに開かれます「全国通信指令・無線通話技能競技会の開催について」、あるいは「株主総会集中日における総会屋の動向等について」ということ等で報告がなされ、また議題が処理されたところでございます。会では、大相撲の問題について私から、現状どうなっているかという報告をいたしたところでございます。また、警察関係では、1月ほど前に御報告申し上げたと思いますが、全国の警察の監査、管区の会計の検査等の中で、管区の会計課長さんが監査をやると、こういうことを御報告いただいたものですから、会計課長が監査というのはいくら何でもひどいじゃないかと、いやいや、そうじゃない、こういう仕組みの中でという、いろいろと議論がございましたけれども、管区の中で総務部の中に会計監査をやるポストを一つ作っていただく、会計課長は外すと、こういう形で処理をしたいという御報告が先日あったところでございます。大体、以上が私からの報告でございます。

問 長官にお伺いします。中国人の観光ビザについて伺いますが、本日から中国人向けの個人観光ビザの発給要件が緩和されるということで、これまで富裕層に限っていた個人旅行が中間層にまで拡大されて、中国人旅行者が大幅に増えることが予想されているわけですけれども、一方で多くの中国人が国内に流入することによって治安の悪化等が懸念されております。中国人ビザの緩和に対する長官の受け止めと、警察として治安悪化が予想される中で今後の対策等がありましたらお願いします。

答 (長官)この問題の基本的な考えとしては、観光立国の推進はもちろん重要である一方、来日外国人犯罪や不法滞在者の問題への配慮も必要であるということだと思います。このような観点から、警察庁としては、観光立国推進本部のワーキングチームでの関係省庁における検討に参画して、この度の新しい査証発給要件について合意をしたという経緯があるわけですが、これが今後、有効に機能するためには、外務省において、しっかりとした査証審査をしていただくということ、そして関係省庁が連携して不法滞在等の問題が発生することのないよう、今後、適切に対処していくということが大事なところではないかと思っております。

答 (大臣)かなり激しい議論のやり取りがありました。前原さんから私に対して、2回にわたって御配慮、何とか観光立国として御協力いただけないかという話もありました。これはこれで分からないわけではありませんが、今、お話がありましたように、不法滞在等の件も含めて、治安の維持という面でかなり心配な面もございましたから、徹底的に方法論や対策等について議論をしていただきました。その中で、踏み切ったわけでございます。私共は、うまくこれが機能して、日本の観光を楽しんでいただく中国人が飛躍的に増えることを願っています。同時に、この間、どこかの航空機で、何か便所で捕まった2人組がいましたね、アメリカへ行く途中の、これなんかも、ちょっと考えられない手法で日本からアメリカへ不法に入ろうとしたわけでございます。こういうのは、やはりアメリカ、日本、中国当局、一体となって、そういう抜け穴がないように、あるいは航空会社にも徹底した機内の調査等をしてもらうということを含めて連携を取っていただかなければならないといったところも十分気を付けていきたいと思っています。

問 長官にお聞きします。大相撲の問題ですけども、警視庁の捜査が今進んでいるかと思いますが、そんな中で名古屋場所が開かれるということになりましたが、そのことへの御所見をお聞かせ下さい。

答 (長官)名古屋場所の開催自体については、私がコメントする立場にありませんので、捜査についてでありますけども、今御指摘のように、先般、警視庁において、野球賭博に絡みました恐喝事件の被疑者を検挙して、現在、鋭意捜査中であるわけであります。今警察がやるべきは、捜査を尽くして、今回の事案の全体像を明らかにするということであると考えております。

答 (大臣)これは文科省の管轄だからね、(名古屋場所を)やる、やらんは。協会の自主的判断、そして外部委員会の判断、文科省の判断、こういうことだと思うんですね。警察の取調べは御承知だと思いますが、一つ一つきちんと証拠を固めてやっていきますから時間が掛かる、この時間が掛かる間、どういうふうに自分達で自主的な規律を新しくして、そして、文科省の許可の下に興行をやるかどうかということだと思います。私自身はずっと見ていて、親方等に対するかつてなく処分が厳しい、当然のこととはいえ、結構なことだと思っています。捜査の立件とは別に、自分達で御調査いただいて、自分達で罰していくということは、非常に暴力団排除ということに関して、私は結構なことだと喜んでいます。

問 長官にお尋ねします。警備の問題についてでありますが、カナダのトロントで開催されましたG20で、いわゆる市民団体が一部暴徒化して、500人近くが一時逮捕されるという騒ぎがありましたが、そのちょっと前には、ある人間がとんでもない物を持っていて逮捕されたということもあったようですが、APECが開催中の日本においても、同様の事態がないとは言い切れないと思います。改めてAPEC警備について、トロントのことを踏まえてお考えをお聞かせ下さい。

答 (長官)トロントの事案については、現在、その詳細について情報収集をして分析を進めているところであります。御案内のとおり、数年前から海外の大規模な国際会議におきまして、反グローバリズムを掲げる過激な勢力等による大規模な抗議行動というのが半ば常態化しているというのが現状だと思います。そういう現状の中でAPEC首脳会議を迎えるということでありますから、日本におけるAPEC首脳会議における警備において、最も懸念される事態の一つだということで、我々は対策の準備を進めているわけであります。一つは、海外の治安情報機関等と密接に情報交換を行うということと、国内の関係省庁との連携による水際対策を徹底するということではないかと思います。もう一つは、こうした暴動等の発生を未然に防止するためには、迅速かつ的確な部隊活動による規制が不可欠であるわけでありますから、そのための実戦的な訓練というのを反復実施しなければいけないと思います。今、そういう訓練を反復実施しておりまして、より練度の高い精強な部隊の錬成に努めていくという、二つがポイントだと思いますが、十分警戒をしなければいけない事案だと思って注視しております。

答 (大臣)今度、その直前にソウルでG20があるんですね。首脳も順次、韓国から日本へという形ですから、そういう海外の過激派というか、反グローバリズムの人達も非常に集中して、狙いやすいのかなというところがあるんだろうと心配しています。各国の警備にも非常に厳しい注文が付いていると聞いています。これに対して、今、必死で対応してくれています。

答 (長官)今大臣が仰られましたように、直前にG20がソウルで行われるということで、その反対勢力が雪崩れこんでくると言いますか、そういう恐れが十分にあると思います。

問 長官にお聞きします。総会屋の件ですが、全国で株主総会の集中日がございました。株主総会は年々分散されている傾向にあるようですが、総会屋の数もそれに呼応するかのように減っております。この件についての御所見をお聞かせ下さい。

答 (長官)今日、公安委員会で報告があった件でありまして、先ほど大臣から紹介がありましたけども、件数で見ますと、昭和58年をピークに勢力を減少させるトレンドが続いているわけでありますが、これはやはり、商法の改正による利益供与罪や利益供与要求罪というものが新設されたということ、それから、警察の取締りの徹底に加えて、なんと言っても企業側のコンプライアンス体制の構築等、この対策の進展が大きく影響していると考えております。ただ、総会屋の影響力が低下しているものの、一方で資金獲得活動を巧妙化させていると見られる面もありますので、引き続き、その実態を把握して、根絶を図っていく努力をしていく必要があるのではないかと考えております。