国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 平成22年12月24日(金)11:17~11:32

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要   本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。本日は全員出席でございます。本日の議題事項につきましては、「人事案件について」説明があり、原案どおり決定いたしました。報告事項につきましては、お手許の資料のとおり報告が警察庁からございました。

それから、「国際テロ対策に係るデータのインターネット上への掲出事案に関する中間的見解等について」報告がありまして、警備局長から説明がされたところです。その中で、インターネット上に掲出されたデータには、警察職員が取り扱った蓋然性が高い情報が含まれていると認められたとの報告がございました。私といたしましては、このようなデータが掲出された事案によりまして、不安や迷惑を感じている方々が現にいるという事態に立ち至ったことを極めて遺憾に思います。国家公安委員会としましては、引き続き、警察において個人情報が掲出された方に対する保護、その他の警察処置、及び情報保全の徹底強化を推進するとともに、組織の総力を挙げて取り組んで、事実を究明していくことが重要だと考えており、そのため適切に警察庁を管理し、責務を果たしてまいりたいと存じます。以上でございます。

問  長官にお尋ねします。今、岡崎委員長が触れられた国際テロ情報の掲出について、本日、警視庁と警察庁とで中間報告についての記者会見並びに説明がありました。これについての長官の御所見をお願いいたします。

答  (長官)本事案につきましては、これまで警察として全力で捜査及び調査を行うとともに、関係者に対する所要の初動的措置を講じ、また部内の情報保全の徹底を図ってきたところであります。警視庁では、会見をしておりますけれども、本事案の発生以来、インターネット上にデータが掲出された経緯等に関する厳正な捜査と調査、そして個人情報が掲出された方に対する支援等の取組み、更には情報保全の徹底・強化のための取組み等を推進してきたものと承知しております。そこで、先ほど大臣からもお話がありましたが、インターネット上に掲出されたデータには、警察職員が取り扱った蓋然性が高い情報が含まれていると認められたところであり、このようなデータが掲出されたことにより、不安や迷惑を感じている方々が現にいるという事態に立ち至ったことについては極めて遺憾であると思っております。今後の取組みでありますが、引き続き、警視庁等における捜査及び調査を徹底し、一日も早い事実の究明を図ることが最も重要であります。また、全国警察を挙げて、個人情報が掲出された方に対する保護や情報保全の徹底・強化のための取組みを強力に推進してまいりたいと思っております。

問  大臣にお伺いします。調査の結果、今日、中間報告が出たわけですけれども、問題になってから2ヶ月ぐらい経っての今日発表なんですけれども、その時期と言いますか、今までかかったことについて、どういうふうに御覧になっておられますか。

答  (大臣)大変、長い時間がかかったと皆さんは思われるだろうと思いますけれども、まず、不安や迷惑を感じている方々が現にいるという事態に立ち至ってしまったことについて、これまで私は、事案に関しまして事実の究明ということを徹底してほしいということを繰り返し申し上げてきたところでございました。そして、国家公安委員会からの指示で、捜査・調査の徹底をしていくということについて指示も行ったところでございますけれども、調査の取組みを一層強化していく中で、一定の進ちょくがあったということですので、ここでデータの評価を公表するということにしたわけでございます。大変膨大な中身であったということで調査をしてまいりましたのと、それから、関係者の方に個別に面会をして、関係職員からも調査を続けてきたということでございますので、このような時期になったと思っております。

答  (長官)一点、補足をさせていただきますと、技術的な問題として、警察として本件データの評価をするに当たって、警察の保有するデータの中には、掲出されたデータとファイル形式等を含めて同一のものが存在しないことという事実があるわけです。通常のファイル共有ソフトによる流出事案と異なっているという技術的な差異があること、このため、各データに含まれる情報について、情報の内容、様式及び体裁を慎重に分析する必要があったこと、更には、確認に当たっては、警察が保有する大量のデータを対象とした分析を行うとともに、多数の関係職員から聞き取りを行うなど、膨大な作業の調査が必要であったこと、更には、御案内のとおり国外のサーバが使用されるなどの状況があって、現段階においても未だその経緯が明らかになっていないことから所要の日数を要してきたということがあるということを、技術的な側面から補足させていただきたいと思います。

問  委員長にお尋ねします。このテロ情報の関係で、本日の委員会において、他の委員の方々から御意見はどのようなものがありましたでしょうか。

答  (大臣)警察職員が取り扱った蓋然性が高い情報が含まれていたという以上、情報保全を徹底するということと関係者の安全確保を図ることが大切であるという意見が出されました。

問  長官にお尋ねします。本日は最後の会見になるということで、この1年間の警察の諸問題についての回顧と、それから来年の展望・抱負などについてお尋ねしたいと思います。

答  (長官)まず、今年を振り返りますと、御案内のとおり刑法犯認知件数という総体的な件数で言えば、11月末現在で前年同期比6.9パーセント減ということで、8年連続で認知件数というものは減少となっているということでありますから、治安の改善傾向は続いていると言えると思います。個別について、振り込め詐欺対策というものを全国警察で一体となってやっておりますが、認知件数全体では減少しているのですが、オレオレ詐欺が反転増加しているという点で、依然として厳しいという状況にあるわけですが、一言で言うと、まだ撲滅に向かって最後の岩盤、固い岩盤が打ち崩せていない。それをどうやって打ち崩すかということを、検挙と防犯と言いますか、その両方で更なる知恵が必要であると思っています。犯罪のグローバル化対策とか、あるいは、犯罪インフラの解明・解体に向けた取組みというのは、全国各都道府県警察で今、着々と取組みを進めているということであります。更に暴力団対策については、全国一体となった集中取締りによりまして、中枢幹部を大量検挙するということなど、着実に成果を上げておりますし、また、暴排の条例の制定の取組みが全国に広がるなど、暴力団排除の機運が今年は高まりを見せたと思っています。それから、もう一つは最大の懸案・課題でありましたAPEC警備につきましては、厳しい情勢の中でありますが、全国警察が一枚岩となった長期にわたる取組みによって、しかも、官民一体の日本型テロ対策の推進等によって所期の目的を達成したのではないかと思います。以上、今年を振り返りますと、おおむね所期の結果を出すことができたのではないかという感想であります。

来年に向けての展望でありますが、まず、犯罪対策について、この前の本部長会議でも申し上げましたが、10年先の犯罪情勢とか捜査環境というのを見据えて、今からどういう布石を打っていくかと、そういうことを見据えた構造的対策とか戦略的取組みを一層推進するということによって、真の治安回復への道筋をつけたいと思っております。それから、暴力団対策については、かつてなく暴排の機運が高まりつつあるわけでありますが、来年は、社会全体での暴排が大きなうねりとなることを期待したいし、また我々は全力で努力したいと思います。最後は、来年の治安として注意すべき点として、私なりに考えているのですが、一つは、確かに8年連続で認知件数は減少していると、リーマンショック後の不況によって非常に懸念された犯罪悪化も何とか抑止をできているのではないかと思いますが、ただ、油断をしてはいけない。不況が更に進むようなことがあれば、やはり、犯罪が増加するおそれがあるという気持ちで我々は来年も引き締めてやる必要があるのではないかいうことを一つ言いたいと思います。二つ目は、国内においては昨今の不安定な景気・雇用情勢とか、政治・社会の流動化というものが進んでおります。それが治安に様々な影響を及ぼすおそれがある。そういうことを懸念して、影響を予想しながら、的確な対処をしていかなければならない。もう一つは、半島情勢が緊迫化しており、これに対する対処ということも怠ってはいけない。要するに、内外の情勢が厳しく、不測の事態とか想定外の事案の発生というものが懸念されるということでありますから、警察としては、全国警察がそれに対する備え、緊張感を持って備えていくということであります。