国家公安委員会委員長(代理)記者会見要旨

1 日時 平成23年2月3日(木)11:40~11:47

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要  本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。中野委員長は国会用務のため欠席、委員は全員出席でございました。議題事項につきましては、「人事案件について」説明がありまして、原案どおり決定しました。報告事項につきましては、お手許の資料のとおりの報告が警察庁からございまして、それぞれ議論が行われました。定例会議の内容は以上でございます。

問  長官にお尋ねします。大相撲の野球賭博をめぐる警視庁の捜査で力士の八百長疑惑が発覚をいたしました。これを裏付ける捜査結果を、相撲協会を監督する文部科学省に提出した狙いをお聞かせ下さい。また、今回の八百長は現時点では立件は困難だということではありますけれども、相撲の取組みを対象にした賭博も行われているというような話もございます。これを含めて、今後の一連の相撲を取り巻く疑惑の捜査、今後どうされるのかという見通しについてもお聞かせ下さい。

答 (長官)お尋ねの件については、いずれにしても現在、警視庁で捜査中の野球賭博事件に関するものでもありますので、具体的な内容についてはコメントを差し控えさせていただきたいと思います。御案内のとおり、大相撲をめぐる問題というものは、これまでも文部科学省と連携をしまして、日本相撲協会における取組みを支援してきたところでありまして、今回の問題についても必要な情報を文部科学省に提供したところであります。今後、同省において、必要な措置が講じられるものと考えております。

今回の情報提供の狙いという御質問でありますが、公益法人たる日本相撲協会の事業に関する公益性が高い事項と判断して、監督省庁に対して国の行政機関相互の協力の枠組みに基づいて行ったものであります。

いずれにしましても、現在捜査の途中でありますので、今御指摘のいろいろな情報も、直接は私は聞いておりませんが、野球賭博事件というのは現在進行中でありますから、その全容解明に向けて、更に全力で警視庁が捜査をしていくものと思います。

問  長官にお聞きします。死体の取扱数の件でございますが、死体取扱数が過去最多となり、その中で年々、犯罪性のない死体の見極めが難しい状況だとは思いますが、その中でも解剖率が依然として1割強という水準にとどまっており、犯罪死の見逃し防止対策がまだ不十分かと思われるんですが、この犯罪死の見逃し防止対策について改めてお聞かせ下さい。

答 (長官)検視官の臨場率というのは、今回27.8パーセントとなったわけでありますので、これは増員の効果もあるのではないかと思われます。そういう点で、ここ数年と比べると大きく上昇しているのは事実であります。

その一方で、解剖を実施した死体数は、前年に比べて約2,900件の増加が見られたものの、解剖率は11.2パーセントにとどまっており、これも事実であります。そういうことを踏まえまして、今後の犯罪死見逃し防止の取組みについては、昨年1月から警察庁におきまして研究会を立ち上げまして、昨年7月には中間報告が提示されたということであります。それを踏まえて、平成23年度予算案においては検視官の増員等、研究会の議論の成果が具体的な施策として具現化されたところであります。加えて、本年度末には、この研究会の最終取りまとめが出される予定でありまして、今そういう作業がされていると承知しております。

警察庁としては、まず警察でできること、すなわち検視官の増員や警察署の死因究明力の向上、さらには装備資機材の活用等の施策、これは着実に実施することはもちろんであります。今後は先ほどの最終取りまとめを踏まえつつ、検案医のレベルアップ、解剖体制の強化などが同じような速度で行かないと犯罪死見逃しの防止というのが大きく進展しませんから、そういうことが図られるように関係省庁に積極的に働きかけをしていくことが大事なところだと思います。かなり大きな仕事になると思います。