国家公安委員会委員長(代理)記者会見要旨

1 日時 平成23年2月10日(木)10:56~11:02

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要   本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。本日は、中野委員長が国会用務のため欠席でございました。議題事項につきましては、「人事案件について」、「三代目俠道会、九州誠道会及び太州会の指定の確認について」説明がありまして、原案どおり決定いたしました。報告事項につきましては、お手許の資料のとおりの報告が警察庁からございました。定例会議の内容は以上です。

問  長官にお聞きいたします。岡本ホテル事件ですけれども、非常に大きな被害が生じておりますし、事件も複雑で暴力団の影もちらついております。まず、この事件への御所見と、今回の事件でも暴力団に一部資金が提供されているようだという報道もありますが、反社会的勢力の排除について改めてお聞かせ下さい。

答 (長官)現在、警視庁、静岡、兵庫、福井県警が捜査をしておりますけれども、今後、捜査を徹底し、暴力団等反社会的勢力への資金の流れを含めて、その全容を解明するとともに、被害者側弁護士等との連携を密にして各種被害者支援を実施してまいりたいと考えております。感想としては、こういう事案というものは将来的にも起こり得るということで、そういう視点を持って全容解明をしていくことが必要だと思います。

もう一つは、暴排の取組みについてでありますけれども、本件のように反社会的勢力が企業を乗っ取って犯罪を敢行した場合、被害者が多数に及ぶなど多大な被害につながるということから、暴力団対策はもとより、被害防止の観点からも、企業と暴力団等反社会的勢力との関係遮断に向けて、社会全体が一体となった暴力排除活動を更に強化することが必要ではないかと思います。そういう意味で、この事件を教訓に更に暴排活動を推進していきたい。こういう分野においても、徹底していくということが必要だということを感じさせる事件ではないかと思います。

問  長官にお伺いします。警察庁がEMAと今週交わした情報提供に関する覚書についてですが、EMAが健全と認定したサイトでも児童の性犯罪被害が相次いでいることについて、長官は昨年10月の会見でEMAに対して「認定基準や運用監視の見直しをしていただく必要がある」とも仰っていましたけれども、今回の覚書による実効性と期待する効果など長官の御所見をお聞かせ下さい。

答 (長官)今御指摘のとおり、被害児童数の約半数がEMA認定サイトで発生しているということから、今回、警察庁からEMAに対して定期的に児童の性的被害情報を提供することとしたわけです。EMA認定というのはフィルタリング対象から外れるものでありますから、今後、EMAにおいて警察庁が提供した被害情報を十分活用し、犯罪実態に即した児童の被害防止対策につなげていただくことで効果を期待できるのではないかと思います。いずれにしても、被害児童が長期にわたって苦しむわけでありますから、このことを考えて、みんなで対策を講じていくという姿勢が大事であります。

問  長官にお尋ねします。昨日、北九州市の建設事務所で男がけん銃を発砲して怪我人が出る事件が発生しました。このような事態が起こるのは1年ぶりとなりますが、この件について長官の御所見をお聞かせ下さい。

答 (長官)本件については、福岡県北九州市内の病院関連施設の新築工事現場事務所でけん銃が発砲されて、その場におられた方が負傷した事案であります。このような企業を標的とする危害行為は断じて許されるものではなく、警察としては捜査を徹底して、被疑者の早期検挙により事案の全容を解明するとともに、改めて関係箇所及び関係者に対する警戒の強化を図るよう、全国警察に指示したところであります。こういうことは起きてはならない事案でありますので、捜査に全力を尽くしたいと思います。