国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 平成23年3月3日(木)11:06~11:19

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要    本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。本日は、全員出席でした。議題事項については、「人事案件について」、「平成22年中の不正アクセス行為の発生状況等の公表について」説明があり、原案どおり決定をいたしました。報告事項については、お手許の資料のとおりの報告が警察庁からございました。定例会議の内容は以上でございます。

問  大臣にお聞きいたします。自殺の統計が出ましたが、動機の面で就職失敗による自殺というのが急増しているんですが、これに対するお考えと自殺対策についてのお考えをお願いいたします。

答 (大臣)先般も自殺対策タスクフォースが内閣府で蓮舫大臣の仕切の下で開かれまして、私も構成メンバーの一人として出席をいたしておりますが、その際にも今のお話が出ました。警察のほうとしては、この自殺統計、または必ずしも自殺の原因全てが明確にできるわけではありませんが、警察として把握し得る限りのことについて、対策を講じるための資料として内閣府に提供をしております。その中で、御質問に若干触れて申し上げるとすれば、経済・生活問題の全体としては減少をしているものの、今のお話のように就職失敗に起因すると思われるものが増加をしているというのは、現在社会の一つの大きな社会問題と言って過言ではないと思います。就職戦線がなかなか厳しい、内定が取れないという実態の中で、これから希望を持って夢を持って就職しよう、社会に羽ばたいていこうとする、そこで大きな壁にぶち当たるものですから、正に青年にとって悲劇以外に何ものでもないと思います。これらのことは、政府のほうとしても就職について、例えば卒業いたしましても新卒者としての扱いの期間を延ばすとか、いろいろな工夫はしておりますが、基本的には、より一層経済の活性化を図り、そして雇用状況を改善していくことに尽きると思います。この自殺対策タスクフォースの中でも関係省庁の例えば経済産業省、厚生労働省、また金融庁も含めて経済の活性化、失業率の減少、雇用の増強、また税制的にも雇用促進税制を構築をしてこれらの対策を図っていこうとしているところであります。税制につきましては、これは予算関連法案になりますので、これからの国会の情勢次第によって、その執行が早まるのかどうなるのかという問題が残っておりまして、一時も早くこれらの施策が実行できますように国会としても御協力をいただきたいと政治家の一人としてはそういう気持ちでおります。

ただ、警察も資料の提供だけで何もしないということではなくて、生活安全相談、そして協力をしていただいております民間の団体もありますし、これらの方々にお願いをして、できるだけ悩んでいる青少年の心に気付いてあげる、そして寄り添ってあげると、これらのことにつきましては、警察は警察なりにできる限りの努力をしてまいりたい。そういうことを、特に計画的にこの4月から、組織的にやっていこうということで計画もしているところです。

問   長官にお聞きします。京都大学等でインターネットに入学試験問題が試験時間中に漏えいしてしまう問題が発生しました。まだ詳細は不明ですけれども、新たな手段による不正入試の問題と見受けられるんですけれども、この事件への受け止めと長官の御所見をお聞かせ下さい。

答 (長官)本件は、入試の公正を害する悪質な行為だと思っております。京都府警察と警視庁においては共同捜査を行っているところであります。御案内のとおり現在、受験シーズン最中でもあり、関係警察の総力を挙げて速やかに事案の全容解明をするということが今一番大事なことだと思っております。

問   大臣にお伺いします。国際緊急援助隊がニュージーランドから帰国ということで、報道では現地で厳しい環境の中、活動されてきたということですけど、第一陣の帰国に際して、これまでの活動をどう評価されているのかをお聞かせ下さい。

答 (大臣)まず、被災者の皆さんに心からお見舞いを申し上げたいと存じます。また、身元確認まで至らなくとも、御遺体で発見された方々がたくさんいらっしゃいます。心からお悔やみを申し上げたいと思います。また、行方不明の方々が一刻も早く発見、救助されることを切望いたしております。

本日帰国いたしました隊員、多くの隊員の皆さんについては、引き続いて自分達は現地に残って頑張りたいという気持ちを披瀝された方もいらっしゃる、そのくらいに厳しい状況の中であっても困難な捜索に、果敢に昼夜を分かたず取り組んでくれた隊員の皆さんには、私も心から敬意と謝意を表したいと思っております。また、ニュージーランド政府からも高い評価と謝意をいただいていると聞いております。国家公安委員長としても大変誇りに思うところであります。交代要員として、警察からも8名派遣をして、既に活動中でございますが、国際緊急援助隊の一員として引き続きしっかり任務に当たってくれるものと確信をいたしております。今日も帰国された隊員の皆さんからの報告を受けますけれども、私の心情としては、この任務はまだ終わっておりません。そういう意味では、いわゆる帰国した隊員の帰国報告を受け、私なりの御慰労と感謝の気持ちを表したいと思っておりますが、総括とかいうような形のものにはいたしません。これは継続中でございますので、そういうことから、報道関係者の皆様方にも御理解を賜りたいと思っております。

問   長官にお尋ねします。暴力団情勢がまとまりましたが、人数が6年連続減少して暴対法施行以降で最小になりました。山口組弘道会についても人数を減らして、その他、けん銃の押収丁数は、逆に過去最少となっているわけですが、今回の情勢についての長官の御所見と今後の取り組みについてお聞かせ下さい。

答 (長官)確かに傾向はそのとおりであります。これをどう見るかということ ですが、やはり一昨年来進めてまいりました山口組弘道会を中心とした取締りの強化に加えて、暴力団排除条例の制定・施行、証券、金融、建設業等の各業界での暴力団排除条項の導入等、いわゆる社会全体による暴力団排除活動が進展したことによる成果であると考えております。しかし、これは前進ではあるけれども、未だ道半ばであると考えておりまして、依然として社会にとって暴力団は大きな脅威となっているというのは事実だと思います。

そこで、今までいろいろなことをやってきましたので、今後もこうした現在進めている暴力団総合対策、今申し上げたような、いろんな対策を強力に推進して、治安の風景を変える段階を目指してまいりたいというのが現段階で申し上げたいことです。

答 (大臣)先ほど自殺対策のことでコメントいたしましたが、私4月からという一言を加えたと思いましたが、既に警察としていろいろな関係団体の御協力をいただいて施策をやっておりまして、今日まで既にやっておりますので、新年度からも、よりそれを強化したいという意味でございます。今やってなくて4月から始めるという意味ではありませんので、そこは御了解下さい。