国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 平成23年3月15日(火)10:30~10:42

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要   本日の閣議は、質問主意書に対する答えでありますとか、外交案件の手続ですとか極めて短時間でございました。なお、閣議後の閣僚懇で総理から原発関連のお話がございましたが、ここではその内容については、専門的なことや機微にわたることがございますので、これは官邸の会見に全てお任せをしたいと思います。ただ、警察に関係することとしては、避難誘導作業は警察の分については全部終わっております。自衛隊が所管したところで、大変な重病患者の方が病院にいらっしゃるということで、それらの部分がなお若干苦労をされているようでありますが、一人でも尊いのですが、数の上からだけで言えばほとんど20キロ圏内の退避は完了をいたしました。

また、一番大きな問題が物流であります。警察としては、今日まで緊急通行車両以外の通行を禁止している東北自動車道、常磐自動車道等について、これまでも食料品、生活用品、燃料、医薬品等の輸送、ライフラインの復旧、仮設住宅の建設等のための自動車等について標章を交付して通行をするなどコントロールしてまいりましたが、既に週明けと同時に、より一層その活動が活発になり、一気に発行枚数が2万2,119枚となっております。交通手段として、電車が止まっているわけですので、高速バスについて定期バスはもちろんでありますが、一部、単なるツアーではなくて定期バスのような運用がされています観光バスについても強化をしていこうということで、できるだけ効率良く交通ができるように、いろいろと配慮を加えながら現在やっているところでございます。

なお、閣議後に自発的に私のほうから呼び掛けをさせていただきまして、防衛大臣、国交大臣、農水大臣の物流に関する大臣が集まりまして、いかにしてより一層多くの物を、民間の物流機能が全く破壊されて停止しているわけですから、言うならば我々が計画的にやるものが唯一のものだと言っても過言ではない状況でありますので、より一層強化をしようということで、自衛隊にもその体制を組んでもらっております。これからは、民間のタンクローリーやトラックなど、いろいろなところにより一層協力をしてもらわないといけませんので、農水省が集めた食料がよりスムーズに行きますように、これらのことも含めて緊密な連携をより一層図っていこうということです。もう、危機管理室だけでは対応できない規模の災害になっているという認識を持って、非常事態としてやっていこうということを改めて確認をしたところであります。神戸・淡路大震災は全く参考にならない。その災害の規模・質・形・面積、ありとあらゆることにおいて参考にならないということを改めて確認して、我々としてはこの甚大な災害に対して、正に非常時でありますから、そういう気持ちで取り組んでいこうということを改めて確認をしたということでございます。

  冒頭で、警察分の避難誘導は終了したということと、20キロ圏内の退避はほとんど完了したと仰いましたが、改めてお伺いしますが警察分の避難誘導は終わったというのは具体的にどういうことなのかということと、20キロ圏内に人はもういないということなんでしょうか。

答  ほとんどいないということです。全くゼロではありません。具体的には、自衛隊が一生懸命努力をしていただいておりますが、双葉病院のところはまだ完了をしておりません。それ以外の20キロ圏内は、全て完了ということであります。

   双葉病院の避難活動には、現在自衛隊が従事しているということですが。

答  警察と自衛隊で手分けをしておりますので。

   警察は、もうそこには従事をしていないということでしょうか。

答  そこは手分け分にはなっておりませんが、もしかしたら応援に行っている可能性はあります。

   双葉病院は10キロ圏内でしょうか。それとも10キロから20キロの間でしょうか。

答 10キロ圏内です。

   いつごろに終了の見通しでしょうか。

答  まだそこまでは聞いておりません。全力を挙げてやっているということです。

問  双葉病院には、何人残っているんでしょうか。

答  今日の午前7時現在で96名です。現在ではもしかしたら完了しているかもしれません。

問  災害の人的被害の死者の数ですとか、何か見通しのようなものは把握されておりますでしょうか。

答  昨日もちょっと申し上げましたけど、宮城県警本部長が1万名規模の話をいたしておりますが、現在我々としては、死者2,414名という実数のみを把握しております。しかし、安否不明の中からも御生存者が明らかになったりしておりますから、安否不明イコール行方不明というわけにはいかないわけですが、ただかなり深刻な状況であると思います。よって、宮城県警本部長のように1万名超すんだという腹を決めて、覚悟を決めてみんなで対策を講じようと、そういう最悪の事態を想定をして対策を講じる、そういう形の行動を今起こしているということでございます。ですから、何千名とか、万を超すとかということは、最悪の事態として可能性を否定できませんけれども、我々としては、そうあるだろうという類の予測はしないようにしています。最悪の場合の想定はしております。

午前10時現在の数字を申し上げますと、死者の数が2,475名、行方不明3,118名、そこまでの確認はいたしております。

問 総理から原発の話が出たということですが、それで専門的な話になると仰っていましたけど、新たな退避について総理は触れたのでしょうか。

答 新たな退避については触れておりません。ただし、例えば20キロ圏内、ただこれはもうほとんど居ませんけれど、その周囲の方々もできるだけ屋内に居ていただくとか、そういう御注意いただきたいと思います。総論として、これは不正確なことを少しでも言いますと、これは問題ですので、ただ決して楽観できる状況ではないということで、大変な危機意識を持って総理が先頭に立って今頑張っております。

問 総理の危機意識の表れのお言葉を、ここでお話していただけないでしょうか。

答 ニュアンスでしか憶えておりませんが、「好転している状況ではない。楽観を許さない」というようなものです。