国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 平成23年9月1日(木)12:02~12:13

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要  先日、閣僚としては閣議後会見で、お別れ会見をいたしましたので、まと
めてあの際にいくつかのことを申し上げましたが、国家公安委員長としての
改めての最後の御報告ということになります。どうぞよろしくお願いいたし
ます。

   本日は、政府の総合防災訓練に参加をしておりましたが、台風の影響のた
め一部中止となりました。本日は、警察庁総合防災訓練に伴う臨時国家公安
委員会の訓練を開催し、訓練概況について警察庁から報告があった旨の報告
を受けております。

   総合防災訓練に行くものですから、今日は国家公安委員会には出席できな
いものと思っておりましたが、一部中止のために幸いにも出席することがで
きました。本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。報
告事項について、お手元の資料のとおりの報告が警察庁からございました。

   国家公安委員会委員長を退任することとなり、この会見も本日が最後にな
るわけでありますが、皆様には大変お世話になりまして、ありがとうござい
ました。大震災ということもあり、実際は7か月半ということでございまし
たが、3年ぐらいやったような気持ちでございますし、その間、本当に深刻
な大災害がございましたが、警察の皆さんが一丸となって頑張っていただい
たこと、その事が生涯忘れえぬ思い出ともなろうかというふうに思います。
色々なことがございますが、警察が緊張感を失っては絶対になりませんので、
使命感を持ってみんな頑張ってくれておりますが、マスコミの皆さんにおか
れましては、どうぞ警察に対して今後ともに厳しく、暖かく叱咤勉励をして
いただければというふうに思う次第でございます。ありがとうございました。

  大臣にお伺いします。今のお話だったんですけれども、先日、閣議後会見
でお別れのような形をとっていただきましたが、今日もう一度公安委員会に
出席されて、改めてこれまでの所感、それから今後警察に期待することなど
ありましたら改めてお伺いできますでしょうか。

答  (大臣)ありがとうございます。せっかくお尋ねをいただきましたので、
個人的、感傷的発言ではなくて、若干オフィシャルに改めて申し上げたいと
思います。

   本年1月14日に菅内閣の一員として国家公安委員会委員長を命ぜられ、
全力を尽くしてまいりましたが、本日、菅内閣の閣僚として最後の国家公安
委員会に出席をしたということになりました。

   就任が1月14日で大震災が3月11日であります。実際上、いろいろな
警察の仕組み、その他についてレクチャーを受けて、まだ十分に全体をしっ
かり飲み込めていると言えない状況下にあっての大震災でございましたので、
戸惑うことも多くございましたが、本当に皆様のいろいろな御指導をいただ
いて、今日を迎えることができたと思っております。この約8か月間、国民
の安全の確保を第一に考え、国家公安委員会の委員の方々とよく議論をした
上で、昨今の治安情勢に対応した様々な施策に全力で取り組んでまいったつ
もりでございます。特に国家公安委員の先生方のフリーな議論、幅広い視野
での御発言を引き出すよう心掛けたつもりであります。現在の治安情勢は、
刑法犯認知件数は減少傾向にあるものの、様々な犯罪や事故、災害が発生を
しており、依然として予断を許さない状況にあると認識をいたしております。
現下の警察行政の課題は、そうした治安情勢に的確に対応することでありま
すが、新しい国家公安員会委員長には、警察庁から所要の報告を受け、公安
委員会とよく議論をした上で、適切に対処していただきたいと思います。

   最後になりますが、約8か月間を振り返り、感慨無量でありますが、国民
の治安に関する不安と警察に寄せられる期待は、誠に切実なものがございま
す。以前も申し上げましたが、多くの国民の皆さんが不安になること、被害
を受けた時、多くの災害等にあった時、言うならば権力の実力行使をする最
前線である警察というのは国民が頼りとする最後のよすがであるということ
を常に認識していなければならないと思います。そういう意味でも全国警察
職員の皆さんの今後ともの御奮闘を心から祈って止まない次第であります。
私もせっかくでありますから、今後も警察の応援団、また厳しい監視役ぐら
いの気持ちで見守ってまいりたいと思っている次第でございます。皆様には
本当にお世話になり、ありがとうございました。

  長官にお尋ねします。タレントの島田紳助さんの件ですが、先頃、暴力団
幹部との親交を理由に芸能界から引退をするということを表明しました。警
察として、暴力団と芸能界についてどう見ておられるのか、各業界からの暴
力団排除を進めているところでありますが、芸能界と暴力団との昔からの経
緯もあって関係遮断も難しいのではないかという現状もあると思います。今
後、芸能界から暴力団を排除するに当たり、どのような方策、仕掛けを考え
ておられるのかについてお聞きします。

答  (長官)芸能界と暴力団との関係については、これまでも様々な指摘がな
されてきたものと承知しているところであり、今回、社会全体が一体となっ
て暴力団排除に向けた取組みを強力に推進している中、テレビ等を通じて社
会的に影響力の大きい芸能人が、暴力団と交際していたということは大変残
念であると思っております。

   警察としては、犯罪対策閣僚会議の申合せにあります「企業が反社会的勢
力による被害を防止するための指針」というものの普及啓発に努めていると
ころであり、全国における暴力団排除条例の制定・施行を受けまして、あら
ゆる業界で暴力団との関係遮断に向けた取組みがなされるべきであると考え
ております。

   そして、社会の様々な分野で暴力団排除活動が大きく進展している流れの
中で、この際、芸能界においても、暴力団排除に向けて本格的な取組みがな
されることを期待したいと思います。他の分野と違って芸能界は難しい面が
あるでしょうが、他方で社会的影響力の大きい芸能界だからこそ暴力団との
関係遮断を実現しなければならないと思います。

   今後、そのような取組みがなされるよう、警察としても、必要な支援を行
ってまいりたいと考えております。