国家公安委員会委員長(代理)記者会見要旨

1 日時 平成23年9月29日(木)10:55~11:05

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要  本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。本日は、委
員長が国会用務のために欠席でございました。報告事項については、お手元
の資料のとおり報告が警察庁からございました。以上です。

  長官にお伺いします。今日、一部報道で、警視庁が、原敕晁さんの拉致事
件について逮捕状を請求するという報道があったんですけれども、これにつ
いて長官の御所見と今後の方針などございましたらお聞かせください。

答  (長官)御指摘の報道があることは承知しておりますけれども、個別の捜
査の内容に関わるものですから、お答えを差し控えたいと思います。

  長官にお伺いします。先日、埼玉県の川越市で農協の現金輸送に当たって
おられた警備員の方がけん銃で撃たれて大けがするという事件がありました。
今年の5月にも立川の方で警備会社が狙われるという事件がありましたけれ
ども、こうした事件に対して、どのように対処していったらいいのか、長官
の御所見をお聞かせください。

答  (長官)この事件につきましては、埼玉県警において、所要の捜査を推進
しているわけでありますけれども、これまでも警備業務を行う警備業者や現
金輸送業務の依頼者に対しまして、警戒の強化を要請してまいりました結果、
現金輸送車を対象とする強盗事件の認知件数は、ここ数年、低く抑えられて
いたところであります。

   今回の事件の発生を踏まえまして、武器を所持した相手を想定した対処訓
練を行うなど、平素からの対策の強化を指導してまいりたいと思います。

   世の中の色々な情勢から、こうした大量の現金のあるところが狙われる傾
向が強まっているんではないかという懸念はありますので、そういう点では、
対策をより強化していくということが必要であると思っております。

  長官にお伺いします。今週9月20日から27日にICPO主導で、違法
な医薬品などの取締りが行われていると思うんですけれども、その件で警視
庁、千葉県警、大阪府警などでも検挙がされていると聞いておりますけれど
も、こうした違法薬物の取締りについて、今後、警察としてどのように取り
組んでいかれるか御所見をお聞かせください。

答  (長官)御指摘の事件の詳細は、あまり報告は受けておりませんが、違法
な薬物というのは、一年ほど前に薬物対策の重点プランというのを作って、
色んな包括的な取締りをやっております。また、警察だけではなくて関係機
関と連携を強化してやっていかなくてはいけないわけであります。この薬物
対策の重点プランを着実に進めており、その効果が着実に進んでいるのでは
ないかと思います。今後も重点プランに書いてあることを中心に対策を進め
るということだと思っております。

  長官にお伺いいたします。10月1日から、東京都暴力団排除条例が施行
されますが、これですべての都道府県で暴力団排除条例が施行されることに
ついて長官の御所見をお聞かせください。

答  (長官)全国で暴力団排除のための施策を幅広く盛り込んだ条例が施行さ
れることでありますが、暴力団対策を推進する上で極めて有意義なものであ
ると評価しております。

   我々としては、これらの条例の周知徹底と効果的な活用を図ることによっ
て、各種暴力団排除活動を更に活性化させ、社会全体が一体となって暴力団
を排除するための取組みを推進していくということだと思います。全国でこ
うした条例が制定されて施行されるということは、正に文字通り社会全体で
の取組みの大きな推進力ができたと思います。条例自体が、社会全体で暴力
団排除をやっていこうという証左であるわけですが、それをいかにして周知
徹底して活用していくかということでありますから、マスコミの御協力もお
願いしたいと思います。

  長官にお伺いします。暴排条例の関連ですが、法曹界の一部ではあります
が、条例の中にある「暴力団員と密接な関係を有する者」という定義があい
まいであるため、人権上行き過ぎることがあるのではないかという指摘等も
ございますが、こういった点に対する長官の御所見をお願いします。

答  (長官)暴排条例では、当該契約の相手方等が暴力団又は暴力団員と密接
な関係を有する者でないことを確認する努力義務を課しているわけです。こ
れはどのような背景かと言いますと、暴力団が企業活動を装ったり、いわゆ
る共生者を利用することによりその活動を不透明化させている実態に鑑みて、
暴力団と一定の繋がりを持つ者を含めようとする一方、罰則や勧告といった
行政措置ではなく、努力義務とすることによって、事業者の自主的な取組み
に期待し、これらとの関係遮断を促すこととした考え方や経緯があります。

   いずれにしましても、この条例につきましては、警視庁が、その内容等を
周知徹底させることが大事です。それとともに、当然ではありますが、都民
や事業者の権利を不当に侵害しないよう配意しつつ、その積極的な適用を図
っていき暴力団との関係遮断を進めていくことです。もちろんこの点につい
ては、適切に配慮していくことが大事だと思います。