国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 平成24年1月5日(木)11:36~11:43

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要  本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。本日は全員の
出席でございました。報告事項については、お手元の資料のとおりでございま
す。

  長官にお伺いします。オウム真理教幹部の平田信容疑者が出頭し、逮捕され
ました。大晦日の深夜という意味ありげなタイミングではありますけれど、今
後の捜査の見通しと言いますか展望についてお聞かせください。それから丸の
内署に出頭する前に警視庁本部で警備に当たっている警察官にいわゆる門前払
いといったような対応をされたということが伝えられておりますけれども、こ
れに関する御見解をお願いします。

答  (長官)今回の平田信の逮捕は御承知のように假谷さん拉致事件での逮捕で
ございますけれども、これは、オウム真理教によって敢行され、また、国民に
多大な不安と脅威を与えた一連の凶悪事件の一部でございます。警察庁として
は、平成7年9月に警察庁指定特別指名手配被疑者として指定をいたしまして、
懸命にその追跡捜査を行ってきたものでございます。今回は自ら出頭するとい
うかたちで逮捕ということになりましたけれども、いずれにせよ逮捕されたこ
とは喜ばしいことだと考えています。警視庁におきまして特別捜査本部を設置
して、今後、事件の全容解明を図るとともに、17年間の逃走の実態の解明に
も努めるということにいたしております。併せまして、残る2人の指定特別手
配被疑者がおりますけれども、全国警察においてこの検挙に全力を挙げてまい
りたいと考えております。

   なお、御指摘のあった逮捕に先だって平田容疑者が警視庁本部に出頭したと
いう件でございますけれども、これは12月31日23時35分頃、警視庁本
部の正面玄関を平田信が訪れまして、警戒に当たっていた機動隊員に対し、自
ら名前を名乗り出たのでありますが、対応に当たった機動隊員が平田本人では
なく、いたずらと判断をして付近の警察署ないしは交番に行くようにという指
示をしたことは事実でございまして、対応として適切ではなかったと言わざる
を得ないと考えております。今後こういったことのないように基本に則って、
緊張感を持って職務に当たるよう指導徹底してまいりたいと考えております。

  大臣にお伺いします。平成23年中の交通事故の死者数が、11年連続の減
少となりました。このことについて、大臣の御所見をお願いします。

答  (大臣)御指摘のとおり、23年中には4,611人という交通事故死者数
ですが、前年比マイナス252人、マイナス5.2パーセントで、11年連続
で減少しております。

   しかし、いまだ多くの交通事故があり、多くの方が犠牲となっているわけで
ありまして、飲酒運転による悲惨な死亡事故も後を絶たないという状況でござ
いますので、交通情勢は依然として厳しいものと認識をしております。

   交通事故のない安全で快適な交通社会を実現するということは、言うまでも
なく、国民の皆様全ての願いでいらっしゃると思いますので、国家公安委員会
としても、引き続き、平成27年までに交通事故死亡者数を3,000人以下
とするという第9次交通安全基本計画の目標を達成するために、交通安全対策
について警察庁を指導してまいる所存でございます。

  長官にお尋ねします。本日、暴対法改正について、有識者会議から報告書が
組対部長に提出されました。今回の改正暴対法案の中身の狙いと効果について
長官の御所見をお願いします。

答  (長官)今回の暴対法改正の骨子案は、最近の暴力団情勢、すなわち、特に
九州地方で暴力団同士の対立抗争事件が頻発していることや暴力団との関係を
遮断しようとする事業者に対する襲撃事件が多発しているということ等市民生
活にとって大きな脅威となっていることから、これに対応しようというもので
ございます。また、関係自治体から暴対法改正についての要望が出ていること
も皆さん御承知のとおりでございます。

   その骨子案の中身でございますが、対立抗争や襲撃事件による市民への危険
を防止するための措置、また、暴力的要求行為や準暴力的要求行為の規制の強
化、罰則の引上げ等となっているところでございます。いずれの内容について
も現下の情勢に即して暴力団による危害行為や不当要求行為等の抑止に効果を
発揮するものと考えております。

   また、現在多くの市民や事業者が暴排活動に取り組んでいらっしゃるところ
でありますけれど、こうした中で、そのための手助けにもなると考えておりま
す。

   今日、御指摘のように暴力団対策に関する有識者会議からの報告書の提出が
ございましたので、これを踏まえて法案化の作業を進め、早期に成立を図って
いただくよう努めてまいりたいと考えております。