国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 平成24年2月2日(木)11:25~11:31

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要  本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。本日は全員出席
であります。議題事項については、一つは「人事案件について」、一つは「探偵
業の業務の適正化に関する法律施行規則の一部を改正する内閣府令案に対する意
見の募集について」説明があり、原案どおり決定いたしました。報告事項につい
ては、お手元の資料のとおり報告が警察庁からございました。

      このうち、オウム真理教関係警察庁指定特別手配被疑者に係る捜査特別報奨金
の引上げに関しましては、警察庁において残るオウム真理教関係被疑者である高
橋克也、菊地直子両名の早期検挙に向け、国民からの情報提供の更なる促進を図
るため、捜査特別報奨金の上限額を800万円に増額したもので、私的懸賞金と
合わせますと1000万円となります。今後、国民の皆様から多くの情報提供が
寄せられ、被疑者の早期検挙に繋がることを期待いたしております。

  長官にお伺いします。昨年1年間の警察が取り扱った遺体で、検視官が出動し
た、いわゆる検視官の臨場率が30パーセントを超えて、記録が残る限りでは最
も高い数値になると伺っております。この数値の評価も含めて、警察、国の犯罪
死の見逃し対策の現状と課題について御所見をお聞かせください。

答  (長官)平成23年中の検視官の臨場率は、御指摘のように36.6パーセン
トということで大幅に向上いたしています。これは検視官の増員の効果のほかに、
やはり犯罪死の見逃しがあってはならないという現場の意識の表れだと評価をし
ているところであります。しかしながら、解剖を実施した御遺体の解剖率が11.
0パーセントということで、ほぼ前年と同水準に止まっておりまして、課題は残
ったのかなというふうに考えております。

   現在、犯罪対策閣僚会議の下に死因究明に関するワーキングチームが置かれて
おりまして、政府として死因究明制度の在り方の検討が行われているほか、新た
な死因究明制度の構築のための法整備も検討されているところでございます。

   警察庁としましては、これと併せて検視官の更なる増員、装備資機材の整備等
着実に推進をし、犯罪死の見逃し防止に努めてまいりたいと考えています。また、
関係省庁に対しましても、検案医のレベルアップへの協力とか、解剖体制の強化
についても働きかけを進めてまいりたいと考えております。

  長官にお伺いします。先日、群馬県警が裁判に提出した証拠のビデオテープに、
編集、改ざんの疑いがあるとの報道がありました。県警は、編集、改ざんはして
いないという文書を裁判所に提出していますが、現職の科警研の顧問の方もテー
プには疑問を投げかけております。長官としての御見解をお願いします。

答  (長官)そういった報道がなされたことは承知をしておりますが、本件は訴訟
継続中でございますので、コメントは差し控えさせていただきたいと考えており
ます。

   なお、群馬県警においては、本件ビデオテープについて、改ざんはなされてい
ないと主張しているところでありまして、法廷の場において今後とも群馬県警が
適切に対応していくものと考えております。

  加えまして、捜査機関において、これまでも証拠改ざん事件が起きていること
や裁判員裁判の制度により裁判に参加する国民が増えた中で、証拠に対する国民
の目が非常に厳しくなっている現状があります。証拠物あるいは証拠に対する信
頼性について警察庁としての御見解をお願いします。

答  (長官)御質問の趣旨が良くわからないのですけど、本件について言えば、群
馬県警はビデオテープをすべて書面に印画をした上で、報道のあった0.06秒
の2フレームについても詳細に説明をしていると聞いておりまして、今後とも適
切に対応すると承知いたしております。