国家公安委員会委員長(代理)記者会見要旨

1 日時 平成24年3月15日(木)12:25~12:33

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要  本日の定例会議の状況について申し上げます。松原委員長は、国会用務のた
め途中の退席でございます。委員は全員出席となります。議題事項につきまし
ては、案件表のとおり、人事案件ほか、いわゆる探偵業法の改正に関連する内
閣府令案の改正、風営法のパチンコ関係の指定試験機関の規則の一部を改正す
る案、それから不正アクセス行為の発生状況の公表、交通安全業務計画などに
ついて説明がありまして、原案どおり決定いたしました。報告事項については、
お手元の記載のとおりでございます。

  長官にお伺いします。先日、警視庁公安部が中核派の非公然アジトを11年
ぶりに摘発したという事案がありました。この捜査についての評価と、非公然
活動家の非公然アジトに対する捜査というのは非常に容易ではないと思うんで
すけれども、その捜査の現状と課題について、所見をお伺いできますでしょう
か。

答  (長官)警視庁が一昨日3月13日に東京都立川市に所在するマンションを
捜索いたしまして、その結果、その場所が中核派の非公然アジトと判断をいた
しました。中核派の非公然アジトの摘発は、平成13年以来、11年ぶりと、
革マルは一昨年摘発しておりますけれど、中核派は久しぶりの摘発ということ
でございます。押収資料は、相当な膨大なものがありますので、現在、解析・
分析中でありますけれども、中核派はこれまで様々な違法な活動を行ってきて
おりますので、その実態の解明に資するのではないかと期待をしております。
非公然アジトというのは、極左暴力集団の非公然活動、なかんずく違法な活動
を解明する上で極めて重要でありますけれども、最近、極左側の防衛体制も強
まっているということもおそらくあると思いますが、発見が難しい状況になっ
てきていることは事実であろうと思っております。警察としましては、アパー
ト・マンションに対するローラー活動等を展開しながら、その発見、摘発に努
めているところでございますけれども、やはりこの非公然アジトの発見のため
には、国民の皆様方の御理解と御協力というのが是非必要でございますので、
我々も今後とも様々な情報提供、そしてまた広報活動に努めてまいりますけれ
ども、是非、引き続き国民の皆様方の御協力をお願いいたしたいと考えており
ます。

  長官にお尋ねします。平成23年中の暴力団情勢が公表されました。暴力団
の人数が2年続けて、暴対法施行以来、最少を更新したとのことです。この減
り幅が大きくて、8千数百人減っておりました。それから昨年、出揃った都道
府県の暴排条例の適用状況も発表になりましたけれども、いわゆる一般市民の
側が暴力団側に利益提供したということで90前後の勧告等を受けたところで
ありますが、この結果や暴力団の人数の変遷についての長官のお考えと改めて
今後の暴力団対策についてお尋ねします。

答  (長官)今日、公安委員会で平成23年中の暴力団情勢について御報告を申
し上げました。その中で御指摘のように暴力団勢力が減少しているという結果
が出ているわけですが、これをもって暴力団情勢が好転したと見るのは早計で
はないかと思っております。様々な要因が考えられますので今後ともその推移
を慎重に見守っていく必要があると考えております。ただ、前長官以来、暴力
団対策を検挙、暴対法の適用、そしてまた暴力団排除活動の推進といった様々
な面から強力に推進して来ているところでありまして、その一定の成果はある
のではないかとは考えているところであります。特に暴排活動でありますけれ
ども、全47都道府県で暴排条例が制定、施行され、そして、各種業界でも暴
力団排除活動が積極的に行われているという状況にありまして、これが暴力団
に対するいわゆる資金源対策の面では相当の効果を上げていることは、おそら
く事実であろうと思っております。ただ、こういった暴力団排除活動というも
のを更に強力に推進するためには、警察が全面的にこれを支援していかなけれ
ばならない。私は基盤整備と言ってますけれども、暴力団排除活動の基盤整備
というものをやはりきっちりとやっていかなければならないと考えています。
一つは、累次申し上げている、いわゆる保護対策。暴力団排除活動に協力をし、
また、暴力団との関係を遮断しようと、手を切ろうという人たちの安全を警察
がきちんと守る、ということが一つ。もう一つは情報提供でありまして、暴力
団排除活動に必要な情報を警察が積極的にこれを提供する、的確に提供すると
いうことです。この二つが極めて大事でありまして、これらの基盤整備につい
て私は長官就任以来、特に意を用いてきたつもりでありまして、今後ともこれ
を更に積極的に前向きに進めていかなければならないと考えております。

   それともう一つは暴力団対策法の改正案でありまして、国会に現在上程をさ
れているという状況にあります。今後、暴力団対策を強力に進めていく上での
大きな武器になると考えておりますので、その早期成立に向けて私どもとして
もできる限りの努力をしてまいりたいと考えております。