国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 平成24年4月26日(木)11:56~12:06

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要  本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。委員は髙木委
員以外出席であります。議題事項については、「人事案件について」、「入管
法等改正法の施行に伴う内閣府令等の改正案に係る意見の募集について」説明
があり、原案どおり決定いたしました。報告事項については、お手元の資料の
とおりの報告が警察庁からありました。

      このうち、「福岡県及びその周辺における暴力団対策について」に関して申
し上げますと、福岡県では、南西部において道仁会と九州誠道会の対立抗争事
件が、北部において事業者襲撃事件等が多発しており、4月19日には、警察
退職者に対する拳銃使用殺人未遂事件も発生したことから、先日、4月21日、
私自身、現場に足を運び、犯行現場を自ら見るとともに、住民や知事等との意
見交換をしてきたところであります。

      このような厳しい暴力団情勢を踏まえ、福岡県警察では、部内で体制のシフ
トを行いつつ、山口県警等と暴力団対策に関する協定を締結するなどし、また、
管区機動隊の派遣等の支援を受けながら、暴力団対策を強力に推進している旨
の報告があり、私としても、引き続き、福岡県警を中心として、関係県警察と
綿密な連携を図りながら、暴力団対策を推進するよう警察庁を指導してきたと
ころであります。

      また、今国会に提出されている暴力団対策法改正案は、暴力団の危険な活動
の抑止に相当の効果を期待できるものであることから、早期成立に全力を尽く
し、一日も早く改正法の成立・施行を実施して強力な暴力団対策を進め、皆様
が安心して生活することができるよう努力してまいる所存です。

      以上であります。

  大臣にお伺いします。京都の亀岡で小学生の女子児童と妊娠されていた女性
が亡くなった交通事故で、被疑者18歳の少年が無免許で一晩中、車を運転し、
居眠りをして起こした事故との話がありますけれども、この事故につきまして
自動車運転過失致死傷罪ではなくて、危険運転致死傷罪を適用すべきという声
が上がってますけど、これに対して大臣の御所見をよろしくお願いします。

答  (大臣)まずもって、今回の事故でお亡くなりになられた方々の御冥福を、
また、怪我をなされた方々の一日も早い御回復をお祈りいたします。

   本件は、4月23日の午前、京都府亀岡市内の道路において、登校途中の小
学生の列に軽四乗用自動車が突進し、登校に付き添っていた成人女性1名と小
学生1名が死亡、8名が重軽傷を負った事故と承知しております。

   誠に痛ましい事故であり、現在、京都府警において、事故の原因等について
鋭意捜査を進め、真相解明を図っているものと承知いたしております。

   本件事故を受けて、京都府警察においては、警察と住民による通学時間帯に
おける街頭監視活動の強化及び夜間の検問等による無免許・飲酒運転の検挙等
を実施しているところであります。

   お尋ねの危険運転致死傷罪に該当しないかということでありますが、現在、
捜査中の事故に関することであり、お答えは差し控えたいと思います。

  関連して長官にお伺いいたします。亀岡署員が加害者少年の父親に被害者の
個人データを漏洩していたことが判明しました。個人情報保護法に抵触すると
思いますが、この件を伺いたいと思います。また、署長自らすぐに謝罪を行い
ましたが、これについてもどう思われるか、これも所見を伺いたいと思います。

答  (長官)被害者やその家族に関する情報を、その御了承を得ることなく被疑
者側に伝えるということは、極めて軽率でありまして、不適切であると考えて
おります。

   現在、御指摘の点を含めて京都府警において事実関係を調査しておりまして、
その結果を踏まえて厳正な措置が講じられると承知いたしております。

  長官にお尋ねします。長崎ストーカー殺人事件を巡っての千葉県警の不適切
な対応を巡り、先日、再検証の結果が報告され、関係者の処分がなされたとこ
ろでありますが、改めてこの再検証結果についての長官のお考え、それから再
発防止策として、警察改革の精神再徹底というふうなものも通達として出まし
たけれども、具体性がちょっと欠けるのではないかという思いも、これありで、
再発防止策についても併せてお考えをお聞かせ下さい。

答  (長官)御指摘の長崎のストーカー絡みの殺人事件でございますが、この事
件に係る警察の対応については、3月4日に検証結果を公表したところでござ
います。その後、千葉県警習志野署の担当係長が事件対応の最中にレクリエー
ション旅行に行っていたことが報じられまして、このことが検証の中で触れら
れていなかったわけでございます。そこで、今回、旅行の経緯であるとか、捜
査等に与えた影響など、また、検証において触れられていなかった経緯等々に
ついて、再度、検証を行ったものであります。結果として二度の検証を行うこ
ととなりまして、御遺族の皆様方に対しまして重ねて御心痛をお掛けし、また、
国民の皆様に疑念を生じさせる結果となったことは極めて遺憾であり、申し訳
なく思っているところでございます。今回の検証は、千葉県公安委員会の厳正
な管理監督の下、事件に対応した部門を外して、監察部門が中立的立場から詳
細な検討を行いまして、また、警察庁としましても、これに対して様々な角度
から必要な指導等を行ったところでございます。自浄機能を最大限発揮しなが
ら検証の客観性、第三者性を担保するよう十分に配慮したものでございまして、
是非、御理解を賜りたいと思っております。この検証の結果、幹部による組織
管理の不備、また、被害者、国民の視点の欠如等の問題が明らかとなったわけ
であります。これらの点はいずれも平成12年の警察改革の中で指摘されてお
りまして、その後、全国警察を挙げて、「国民のための警察」という改革の精
神の徹底を図るべく努力してまいったところでございますけれども、いまだ道
半ばと感じざるを得ないところでございます。このため、先般、長官名で通達
を発しまして、全国警察が今回の問題を自らの問題として捉え、改めて警察改
革の精神の徹底を図るように指示したところでございます。加えて、現在、全
国警察に対しまして、「警察改革の精神を踏まえた非違事案対策の推進」につ
いて監察を行っているところでございますので、その結果等を踏まえて、今後
必要な対策を講じるべく検討してまいりたいと考えているところでございます。

  大臣にお伺いします。民主党の小沢元代表に無罪判決が出されましたがその
受け止めと、裁判長がその中で、「事実とは違う捜査報告書が作られて検察審
査会の判断を誤らせてはいけない。」と述べたのですが、今後、検察の捜査の
在り方についても影響がある可能性がありますが、その所見をお伺いします。

答  (大臣)小沢元代表の裁判の結果は、一報は聞きましたが詳しい内容はまだ
精査しておりません。精査をしてから、そういう判断をするならば色々と発言
できると思いますが、今はできません。