国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 平成24年5月10日(木)11:51~12:00

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要  本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。委員は髙木委
員以外出席であります。報告事項について、お手元の資料のとおりの報告が警
察庁からありました。

      このうち、「国際刑事警察機構副総裁への立候補について」に関して申し上
げますと、本年11月のICPO総会において、警察庁職員、河合警視長が、
現在、ICPO執行委員でありますが、立候補することになりました。警察庁
職員がICPOで重要な地位に就くことは、日本警察による国際貢献の観点か
らも望ましいことであり、私としても応援したいと考えております。

      以上であります。

  大臣にお伺いいたします。先日、関越自動車道の群馬県藤岡市で観光ツアー
バスが事故を起こしまして、45人が死傷するという事故がありました。高速
道路をめぐっては、最近、非常に死亡事故が急増しているという状況がありま
すけれども、これについて大臣どのように対処されるのか、御見解をお聞かせ
ください。

答  (大臣)大変に痛ましい事故であり、その亡くなられた方々に対してお悔や
みを申し上げますし、また、怪我をされた皆様の早い回復を願うものでありま
す。

   4月29日の関越自動車道で発生した事故については、現在群馬県警におい
て全容解明に向け、鋭意捜査を進めているところであります。

   なお、今後の事故捜査において判明した事項のうち国土交通省のバス行政に
資する事項があれば情報提供することといたしております。

   交通事故による死者数が減少している中、高速道路における死亡事故は平成
22年以降増加傾向にあります。特に、車両故障や交通事故によって停止した
車両から降りた運転者等に後続車が衝突する事故や事業用貨物自動車に関係す
る事故が増加しております。

   高速道路の事故防止対策として、全国警察において、交通指導取締りや広報
啓発活動を推進するとともに、道路管理者やトラック関係団体等に対して事故
防止に対する協力依頼をしているものと承知しております。

   一層の事故防止、抑止のため警察庁を督励してまいりたいと思います。以上
です。

  大臣にコンプガチャについてお聞きします。消費者庁マターではあるんです
けれども、大きなニュースになっているものですから、コメントをお願いしま
す。業者側が自主規制でコンプガチャを一斉廃止する方針ということなんです
が、それに対してコメントをお願いします。

答  (大臣)長いコメントになりますが、一般論で申し上げますと、インターネ
ット上のカードを複数揃えるとレアカードが当たるという仕組みについては、
景品表示法で禁止されているカード合わせによる景品類の提供に該当するおそ
れがあると考えております。

   しかしながら、このような仕組みについて、これまで景品表示法に基づく措
置をとった例はなく、景品表示法上の規制が及ぶことを明確にする運用基準等
も存在しておりません。

   そこで、まず消費者庁において、本件に係る景品表示法の考え方を整理し、
公表することを考えており、引き続き早急に作業を進めているところでありま
す。

   このコンプリートガチャについては、これまでのところ賭博罪、その他の刑
罰法令に該当するような実態は確認されていないとの報告を警察庁からも受け
ているところであります。

   お尋ねのことでありますが、この度6社がコンプリートガチャを中止する方
針を表明していることは承知いたしております。過去の会見において、私は、
事業者側も様々な検討して、協力をしていただけるのではないかと期待してい
るということを申し上げたところでありますが、今回の決定は、各社が消費者
利益の観点から自主的に決定していただいたものと理解しております。

  長官にお尋ねします。インターネット上の掲示板について警察庁は色々と調
べたところ、違法・有害情報が氾濫していて、それを悪用しての犯罪も起きて
いるとの実態報告がありました。その掲示板の中でも、とりわけ最大手の2ち
ゃんねるが削除要請になかなか応じないという実態があるようですが、こうい
う現実と、それから、このネット上掲示板での犯罪防止の対策について御所見
をお聞かせ下さい。

答  (長官)まず、ネット上の違法情報の状況について簡単に御説明いたします
と、去年一年間のインターネット・ホットラインセンターへの違法情報の通報
件数は、3万6,573件でありまして、平成18年の運用開始以来、過去最
多となっております。多くの国民の皆様方から通報をいただいていることに対
して、まず感謝をいたしたいと思います。このインターネット・ホットライン
センターでは、通報をいただいた違法情報のうち、約1万5,000件、正確
に言うと1万4,924件について、サイト管理者等へ削除の依頼を行ってお
ります。その結果、削除されましたのが、9,543件で、削除率は64%と
なっています。この削除率は年々、実は減っておりまして、昨年に比べると1
2ポイントの減少、最も高かったのが平成21年でございまして、削除率は8
8%でございましたので、これに比べると24ポイントも減ってしまっている
という状況でございます。多くの違法情報がネット空間上に放置をされている
という実態について、憂慮をしているところでございます。このサイト別の内
訳をみますと、多くのサイト管理者が削除依頼に協力するという姿勢を示して
おります一方、特定の、一つのサイトだけがこれに応じないという状況にござ
います。無削除の違法情報約5,400件のうち、94%がこのサイト上で放
置をされています。また、このサイトでの違法情報の無削除の件数も一昨年に
比べて3,200件増えており、約2.8倍という増加になっています。そし
て、中身をみると、そのほとんどが規制薬物の宣伝等悪質な情報であって、看
過できないと考えております。警察としましては、今後とも違法情報の取締り
を強力に推進するとともに、違法情報であると知りながらこれを放置し、犯罪
を幇助しているとみられる悪質なサイトについては、その刑事責任の追及を含
めて必要な措置を講じてまいりたいと考えております。