国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 平成24年5月24日(木)12:17~12:23

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要  本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。委員は髙木委
員以外出席です。議題事項については、「警察庁長官等の評価手続」について
実施いたしました。報告事項については、お手元の資料のとおりの報告が警察
庁からありました。

      なお、昨日、警察捜査において益々重要となる科学捜査の現状を実地把握す
るため、警察庁の附属機関である科学捜査研究所、千葉県柏市を視察してまい
りました。科学警察研究所では、事務概況の説明を受けるとともに、DNA型
鑑定、GISを用いた犯罪現象の地理的分析等の状況について視察を行いまし
たが、改めて科学的な警察活動の重要性を認識いたしました。今後とも科学捜
査の充実、そして、捜査の高度化に取り組んでまいりたいと思います。

      以上であります。

  大臣にお伺いします。初動対応の関係なんですけれども、警察庁が導入して
いる地域警察デジタル無線システムが、非常に活用され、治安の維持に成果が
出ているというふうに聞いています。今後の活用等を含めて所感をお伺いでき
ればと思います。

答  (大臣)事件・事故及び災害に対しては、警察が迅速・的確に対応をするた
めに、警察活動において収集した様々な情報を組織的に共有し、活用すること
が不可欠であります。

   そこで警察では、音声に加え、画像やデータを送受信できる地域警察デジタ
ル無線システムを整備し、都道府県警察の通信指令室で受理した110番通報
の内容、各種事案の現場において撮影した画像、GPSにより測位された警察
官の位置等を通信指令室、警察署及び現場警察官において組織的に共有するこ
とにより、警察活動の強化を図っております。

   このシステムについては、昨年度から本格的に運用を開始したものでありま
すが、防犯カメラに残された被疑者画像を撮影して他の勤務員と当該画像情報
を共有することにより、被疑者の早期検挙などにつなげた例など、既に様々な
場面で威力を発揮しているところであります。

   今後、こうした好事例を警察部内で紹介するなどして、システムの更なる活
用を図ることにより、国民の期待に応えた初動警察活動が全国で行われるよう
警察庁を指導してまいりたいと思います。極めて有意義に稼働できるものであ
るという認識を私も持っております。以上です。

  長官にお伺いいたします。東日本大震災の被災三県で警察活動に当たられた
警察官の方に対する惨事ストレス調査の結果がまとまりました。三県警のうち
4.1パーセントの方々がPTSDを発症する疑いがあるという結果が出まし
たが、このことにつきましての御所見と今後の惨事ストレスに対する対策につ
いてお聞かせください。

答  (長官)今回の調査は、昨年に続いて二回目の調査でございました。前回よ
り数値的には好転しているということでありますけれども、未だに4.1パー
セントもの職員にPTSDの傾向があるということは、深刻に受け止めなけれ
ばいけないと思っています。それから、遅発性のPTSDという問題もござい
ますので、こういったことも頭に置いて、今後、対策を考えていかなければい
けないと思っています。

   引き続き、支援が必要な職員に対しましては、医師、臨床心理士等による継
続的な支援等の諸対策が推進されますように被災三県の警察を指導していきた
いと考えております。併せて、全国からの応援派遣、特別派遣で被災地に行っ
た部隊の職員もおりますので、これにつきましても同様に惨事ストレス対策が
行われるように全国警察を指導してまいりたいと考えております。

   それから、警察庁でございますけれども、庁内に検討委員会を設置いたしま
して、惨事ストレス対策の部外の専門家との意見交換であるとか、また、各都
道府県警察における惨事ストレス対策の現状の実態把握に努めまして、大規模
災害時における惨事ストレス対策を円滑に行うための検討をしてまいりたいと
考えております。