国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 平成24年6月21日(木)12:01~12:07

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要  本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。委員は、全員
出席です。議題事項については、「人事案件について」説明があり、原案どお
り決定いたしました。その他警察庁から報告事項について、報告がございまし
た。

      以上でございます。

  大臣にお伺いします。AIJの投資顧問による厚生年金基金などの資産損失
事件で、浅川社長など4人が19日に警視庁に逮捕されましたが、非常に社会
的に反響の大きい事件でもありますが、この件について御所見をお願いします。

答  (大臣)お尋ねの事案については、6月19日、警視庁において、AIJ投
資顧問社長、アイティーエム証券社長ら4名を詐欺で逮捕したとの報告を受け
ております。

   本事案については、被疑者ら4名が平成23年6月頃及び同年7月頃、国内
の投資顧問会社であるAIJ投資顧問株式会社が実質的に販売・運用するケイ
マン諸島籍の「AIMグローバル・ファンド」における資産運用に失敗し、そ
の純資産額が過小となっていたにもかかわらず、2つの年金基金の担当者らに
対して虚偽の運用実績等を記載した資料を提示するなどして、運用実績が好調
であると誤信させ、同ファンドを買い付けることを決定させ、同年7月下旬頃
及び8月下旬頃、その買付代金として約70億円をアイティーエム証券名義の
口座に入金させたものと承知しております。

   既に、AIJ投資顧問が多くの年金基金から受託した資産には、多額の損失
が出ていることが明らかとなっており、この問題により、何の落ち度もない多
くの方々が老後の生活への不安を感じていることはもとより、年金基金の中に
は、解散に追い込まれたところも出ていることと承知いたしております。

   このように、本事案については、我が国の年金制度を根底から揺るがしかね
ない極めて社会的影響の大きな事案であるものと認識しております。

   現在、捜査中の事案であり、捜査の具体的な内容については、差し控えさせ
ていただきますが、引き続き、警視庁及び関係機関において鋭意捜査を行い、
事案の全容解明に努めていくものと承知しております。

  長官にお尋ねします。オウム真理教事件についてでありますが、先頃、高橋
克也が逮捕されて、これでオウム真理教の信者の特別手配被疑者19人がよう
やく逮捕されたわけであります。17年間掛かったわけですけれども、1点目
についてはオウム事件の捜査についての長官の御所見を賜りたい。それからオ
ウム真理教については、その後、分派をして残党、あるいはもどきのようなも
のが増殖しているようでありますけれども、こういったものに対する警察の今
後の捜査、またあのサリン事件のような事件を起こしかねないという危険もあ
ろうかと思うのですが、そういうウオッチというか監視というか、そういうも
のを警察としてどうしていかれるのかについてお伺いをしたい。

答  6月15日の午前中に東京都大田区内において、オウム真理教事件関連の警
察庁指定特別手配被疑者の高橋克也を警視庁が逮捕いたしました。これでオウ
ム真理教関連の特別手配被疑者は全て検挙されたことになるわけであります。
この高橋の逮捕につきましては、6月4日から逃走しておりまして、それ以来
行方が分からなかったものでありますけれど、この間全国の皆様から1,70
0件を超える情報提供を頂戴いたしまして、これが今回の逮捕につながったと
いうふうに考えております。国民の皆様のこれまでの御協力に心から感謝を申
し上げる次第でございます。また、報道機関の皆様にも、この間警察への情報
提供を呼びかけていただきまして、これにつきましても心から御礼を申し上げ
る次第であります。今後、警視庁において所要の捜査を推進いたしまして、地
下鉄サリン事件及びそれ以外の事件への関与について解明を進めるとともに、
17年間の逃走経路や状況等についても解明を進めていくということになるわ
けでありますけれども、その中で今後の捜査に活かすべきものがあれば活かし
ていかなければならないと考えております。いずれにしましても、こうしたテ
ロ事件、絶対に今後は引き起こしてはいけないわけでございまして、今お話が
あった点も含めて、情報収集とかウオッチとか、そういうこともきちんと行い
ながら、こういった事件が二度と引き起こされることがないように、我々とし
ては全力を挙げていかなければならないと考えております。