国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 平成24年7月5日(木)11:31~11:37

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要  本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。委員は、全委
員出席であります。議題事項については、「人事案件について」、「自動車安
全運転センター役員の選任の認可について」説明があり、原案どおり決定いた
しました。その他警察庁から報告事項について、報告がございました。以上で
あります。

  大臣にお伺いいたします。今年1月から5月までの男女間のストーカーとか、
DVに関する統計がまとまりまして、去年と同じ時期に比べると大幅に認知件
数並びに検挙件数とか増加しておられますけれども、これについてどのような
要因が考えられるのか、大臣の御所見をお聞かせください。

答  (大臣)本年1月から5月までのストーカー事案は7,841件と前年同期
比で2,069件、35.8パーセントの増加であります。配偶者暴力事案は
16,960件と前年同期比3,000件、21.5パーセント増加でありま
す。

   この要因として昨年12月に長崎県西海市における女性2名被害の殺人事件
が発生して以降、ストーカー事案を始めとする女性に対する暴力に関する社会
的関心が高まり、より積極的に警察に対して相談や届出をいただけていること
が挙げられるのではないかと考えております。

   こうした情勢の中、相談等を受けた各都道府県警察においては、一歩踏み込
んだ対応を推進しており、その成果としてこの種事案の検挙件数等が増加して
いると考えております。

   今後とも、この種事案が殺人等の重大事案に発展することのないよう、迅速・
的確で組織的な対応の推進、ストーカー規制法を始めとする各種法令の積極的
な適用等により、被害者やその親族等の安全確保に万全を期すよう警察を指導
してまいりたいと思っております。

  長官にお尋ねいたします。探偵業者への監督の問題についてであります。去
年から今年にかけて探偵業者が司法書士、携帯電話販売店の従業員らと組んで
個人情報を不正取得するという事件が相次いで摘発されているわけであります
が、平成19年6月に探偵業法が施行されて、開業の届出を公安委員会に出す
ことを義務付けたりという警察の監督下にあるわけですが、依然としてそうい
うような不法事案が相次いでいるわけであります。全国には五千いくら業者が
あるそうなんですが、大きな業界団体の加盟は6パーセント程度に止まってい
て、なかなか実態が見えにくいということもありますが、伺いたいのは一つは、
探偵業者への監督を今後どうされるのか、それから個人情報の取得に当たって
は探偵業者と組んで、その携帯電話の販売店の従業員も共謀しているわけであ
りますが、そういった携帯電話関係は警察の所管ではないとは思いますけれど
も、そこら辺のことも含めてどう対処していかれるのかお聞かせください。

答  (長官)お尋ねは、先般、6月28日に愛知県警が不正競争防止法違反で被
疑者2名を逮捕したという件に関するものと、それ以前にもあったわけでござ
いますけれども、それらの問題に関するお尋ねであろうと思います。

   今申し上げた事件については、まず携帯電話の契約者情報は電気通信事業者
等において厳格に管理しなければならない個人情報だと思うのですけれども、
委託先の携帯電話販売店の店長が報酬を得てその情報を漏洩し、それがまた探
偵業者等の間で売買されていたという問題でありまして、極めて悪質だと考え
ております。これは業界全体、探偵業及び電気通信事業ともにでありますけれ
ども、業界全体の信頼に関わる問題であるとともに、これが実際に悪用されて
いたとするならば犯罪対策上も大きな問題であると考えております。

   まず、探偵業者の問題でありますけれども、御指摘のように個人情報を探偵
業者が不正に取得するという事件が相次いでおりますので、警察庁において業
界団体に対して法令遵守等を加盟の業者に徹底するよう要請をするということ
にしております。併せて、業界団体に加盟する業者が多くはないという実態に
ありますので、都道府県警察からも管内の個々の探偵業者への法令遵守等の指
導を徹底するとともに、併せて、探偵業者に違法行為があった場合には、厳正
に対処するように都道府県警察に対して指導したところでございます。このほ
か、電気通信事業者でありますけれども、この契約者情報の保護の在り方につ
いても、今後、関係機関等と連携しながら、その在り方について協議・検討し
てまいりたいと考えております。