国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 平成24年10月11日(木)11:56~12:02

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要  本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。委員は、田尾
委員以外は出席でございます。議題事項については、「人事案件について」の
説明がありまして、原案どおり決定いたしました。その他、警察庁から報告事
項について報告がございました。

      以上であります。

  大臣にお伺いします。今年上半期のインターネット・ホットラインセンター
の運用状況について報告があったと思いますが、2ちゃんねるを中心に削除要
請が大幅に減ったことなど、全体的な状況についてと、センターからの通報に
基づく検挙件数が増えたことについて御所見をお聞かせください。

答  (大臣)平成24年の上半期における違法・有害情報の受理数は、前年同期
比で大幅に増加しております。また、サイト管理者等への削除依頼に対する削
除率も大きく向上したものと承知いたしております。

   また、インターネット・ホットラインセンターからの通報を端緒とした検挙
数は、平成23年7月から本格実施した「全国協働捜査方式」の効果によりま
して、前年同期比で約3.5倍と大幅に増加したものと承知いたしております。

   このように、インターネット・ホットラインセンターは、大変重要な役割を
果たしており、今後ともセンターからの情報を活用した取締り等諸対策の推進
について警察庁を指導してまいりたいと思っております。

  長官にお尋ねします。パソコンの背乗り(はいのり)による遠隔操作の事案が
このほど明らかになりました。この件では、大阪でメールを送りつけた人、三
重で送りつけたとされる人が逮捕されましたが、その後、無関係の可能性が高
まって釈放されるという経緯もありました。新しい手口の犯罪だと思いますが、
警察として、この種の事案の捜査を今後どうしていくのか、難しさなども踏ま
えてお聞かせください。

答  (長官)御指摘の事案の概要でありますけれども、大阪府警と三重県警の事
案については、共にインターネットの掲示板等に殺人予告等のメールを送付し
た容疑で、大阪では8月、三重では9月にそれぞれ容疑者を逮捕したところで
あります。しかし、その後の捜査において、犯行に使用されたパソコンの中か
ら第三者による遠隔操作を可能とするウイルスが、大阪府警では起訴後、三重
県警では起訴前に発見されたことから、容疑者を釈放したものでございます。

   警視庁の事案については、幼稚園等の開設したサイトにアクセスし、殺人予
告メールを送付した容疑で9月に容疑者を逮捕し、その後の捜査で、犯行に使
用されたパソコンから同種のウイルスは発見されなかったのでありますけれど
も、そのパソコンが同種のウイルスに感染していた可能性があることから、被
疑者を釈放したというものでございます。

   関係警察においては、現在、それぞれ業務妨害事件等として捜査を継続して
おりまして、併せてウイルスを感染させた者の特定を含めた事案の全容解明に
向けた捜査を推進しているところでございます。

   また、警察庁においては、まず、全国警察に対して、この種事案の捜査に当
たっては、遠隔操作による犯行の可能性も視野に入れながら、パソコンの解析
を徹底するなど、適切な捜査を行うように注意喚起を行ったところであります。
また、ウイルス対策ソフトを開発する事業者等に対して、本件ウイルスにつき
情報提供を行いましたところ、いくつかの事業者から当該ウイルスを検知し得
るソフトを開発したという連絡を受けたところでございます。警察としまして
は、今後、同種事案捜査の際には、このソフトを使用して、このウイルスの検
知を必ず行うように、昨日、都道府県警察に対して指示したところでございま
す。

   また、国民に対しては、警察庁のウェブサイト等を通じてウイルス感染防止
のための広報啓発活動を行ってまいりたいと考えております。