国家公安委員会委員長(代理)記者会見要旨

1 日時 平成24年12月6日(木)12:30~12:37

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要  本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。小平委員長
は、御欠席でございました。委員は、全員出席でございます。議題事項につ
きましては、人事案件、それから構造改革特別区域法の関係での省令等の改
正案について説明があり、原案どおり決定いたしました。その他警察庁から
報告事項が本日はたくさんございました。

      以上でございます。

  長官にお尋ねします。北朝鮮がミサイルを発射すると予告しておりますけ
れども、場合によっては、国内の人が住んでいるところに落下等することも
ないとは言い切れないのですが、その点に関して警察としての対処の方針等
をお伺いできますでしょうか。

答  (長官)今お話があったように、北朝鮮が人工衛星と称する物体を来週の
10日から22日の間に打ち上げると予告をしております。警察庁としまし
ては、現在、外事課長を長とする対策室を設けまして、関連情報の収集と警
戒警備の強化を図っております。今後、また情勢によって体制の強化を図る
ことになろうかと思っております。

   通過するところというのは、沖縄の上空と承知をしておりますけれども、
沖縄県警では、今後、機動隊とかヘリコプター等による即応態勢をとること
にいたしておりまして、また、ミサイル軌道に近い石垣、宮古両島には他府
県からの特別派遣部隊を配備するなどして、関係機関と連携をしながら住民
の安全確保に万全を期すこととしております。

  長官にお尋ねします。取調べの可視化についての検証結果がこの度出まし
たけれども、捜査員、取調官へのアンケート調査で4割近くが可視化に賛意
を示しているというような結果も踏まえて、この検証についての長官の考え
と、今後、警察の取調べの可視化についてどうされるのかをお聞かせくださ
い。

答  (長官)取調べの録音・録画については、試行拡大をしてから9月末まで
の状況を今日の国家公安委員会で御報告申し上げました。全般的な印象とし
ては、試行拡大後、捜査の現場で試行の目的とか、趣旨をよく踏まえて、そ
の積極的な試行が図られていると私は理解いたしております。まず、裁判員
裁判対象事件に係る試行について申し上げますと、これは4月から試行拡大
しておりますが、実施率が大幅に向上しております。試行前が3割程度だっ
たものが、7割程度にまで増えているという状況があります。それから、弁
解録取の場面を含めて、様々な場面で録音・録画が実施されておりまして、
実施方法が多様化しているということも見てとれるという状況でございます。
それから、知的障害を有する被疑者に係る試行についてでございますけれど
も、警察においてその対象事件であると判断したものの約9割について録音・
録画が実施されております。そして、また少数ではありますけれども、全て
の取調べの機会において、これは全面ではないようですけれども、全ての機
会において録音・録画を行っているという例が、数は少ないですけれども、
それも見られるようになってきているということでございます。

   ただ、取調べの録音・録画は、供述の任意性、信用性を立証する上で、私
は有効であると考えておりますし、また、今後の録音・録画の在り方を検討
する、考えていくというための試行でございますから、そういった性格上、
より長い時間をかけて、より多くの回数について、様々な場面において行う
ことが有意義であると考えております。特に、知的障害を有すると考えられ
る被疑者に係る試行については、もっと積極的に行ってほしいと考えており
ます。

   そして、今後でございますけれども、今お話があったように、取調官の意
識の面でも録音・録画が任意性、信用性の立証のために有効であるという意
識が進んでいるというふうに見受けられますし、また、これから録音・録画
に係る機材も増強を図る、充実させてまいりますので、これが進んでいけば
より効果的な録音・録画の試行が行われるのではないかと期待いたしており
ます。

   警察としましては、一律に全ての事件について、取調べの全過程について
全面的に録音・録画を行うということについては、真相解明に支障を及ぼす
という考え方は変わっておりませんけれども、ただ、今後の取調べの録音・
録画の在り方を考えていくという意味で、質・量ともにより多くの試行を積
み重ねていく必要があると考えております。

  今の知的障害を有する被疑者に係る試行をもっと積極的に行ってほしいと
いうのは、全面的な部分なのか、それとも時間を多くするとかということで
しょうか。

答  (長官)まず、時間を増やしてほしい、回数を増やしてほしい、機会を増
やしてほしいという気持ちはあります。これはケースバイケースですから、
現場の判断を尊重する必要がありますけれども、事件によっては、全面、全
過程ということも、私はあり得ると考えております。