国家公安委員会委員長(代理)記者会見要旨

1 日時 平成24年12月27日(木)11:50~11:58

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要  本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。古屋委員長
は、所要のため途中退席されました。委員は、全員出席でございます。警察
庁から報告事項について、報告がございました。

      以上でございます。

  長官にお伺いします。先日、警視庁が2ちゃんねるの元管理人を麻薬特例
法の幇助容疑で送検したという記事がありました。2ちゃんねるに限らずネ
ット上には、違法・有害情報が溢れているというのは、警察庁が常々指摘さ
れている点だとは思いますけれども、取締り等の対策について所見をお伺い
できますでしょうか。

答  (長官)御指摘の件は、12月20日に麻薬特例法違反の違法情報の書き
込みを容易にし、これを幇助したという容疑で警視庁がインターネット上の
掲示板の管理者を書類送致したものでございます。本件は、再三の警告にも
かかわらず違法情報の書き込みを放置し、結果として実害を生じさせたとい
う事案でありまして、大変悪質であると考えております。今回の送致は、こ
うした違法情報の氾濫に責任を持つ人たちに対して、警鐘を鳴らしたと認識
いたしております。現在、インターネット上の違法情報、有害情報について
は、御承知のように、インターネット・ホットラインセンターがありまして、
これが削除を要請するという制度があるわけでございます。このほかに、業
界団体が定めたモデル約款とか、ガイドラインがありまして、これに基づい
て削除を求めるという制度があるわけでございますけれども、これに対する
個別のプロバイダー等の対応はまちまちであるというのが現状であると認識
しております。例えば、モデル約款では第三者からの苦情等を受け付ける窓
口を設定するということが求められておりますけれども、にもかかわらず、
それすら設定していないという事業者も多数見られるという状況でございま
す。インターネット上の違法情報とか、有害情報の情勢でありますけれども、
インターネット・ホットラインセンターへの通報件数を見ても、悪化の一途
をたどっておりまして、改善の状況は見られないと認識しています。この氾
濫を抑止する上では、やはり事業者の果たすべき役割は極めて重大でござい
ますので、まずはこうした事業者が危機感を持って、この自主的に定めた制
度の徹底を図っていただきたい。また、関係省庁にも御協力をいただきたい
と考えております。

   警察庁としましては、今後ともインターネット・ホットラインセンターや
こうした関係事業者等と連携しまして、削除要請の速やかな対応が図られる
ように努力してまいりますけれども、併せて違法情報と知りながらこれを放
置する、また無視する悪質な掲示板管理者に対しましては、検挙を含む必要
な措置を講じるように各都道府県警察を指導してまいりたいと考えています。

  長官にお尋ねします。九州北部の3暴力団が改正暴対法に基づき特定抗争、
特定危険団体に指定されました。この件について、長官の御所見をお聞かせ
ください。

答  (長官)今、お話がございましたように、福岡、佐賀、長崎及び熊本の4
県の各公安委員会が道仁会及び九州誠道会を特定抗争指定暴力団と指定しま
して、また、福岡県及び山口県の両県の公安委員会が5代目工藤會を特定危
険指定暴力団と指定しまして、それぞれ本日からその効力が発生するところ
でございます。

   北部九州におきましては、御承知のように、なお対立抗争事案が発生して
おります。特に、福岡県においては、事業者等をけん銃とか、刃物等で襲撃
する事案とか、また、脅迫する事案が相次いでおりまして、緊迫した情勢が
続いていると認識いたしております。こうした中、この改正暴対法に基づく
これらの指定制度というのは、暴力団による危険な活動行為というものを抑
止することにつながると考えておりまして、その効果に期待しているところ
でございます。

   今後、警察としましては、制度の効果的な運用に努めるとともに、発生し
た事件の捜査、そして、また警戒活動、また、関係者の保護、こうしたこと
を徹底しまして、市民の安全、地域の安全の確保に全力を挙げてまいりたい
と考えております。

  長官にお尋ねします。富山県警の警部補が2年前の夫婦殺害並びに自宅へ
の放火で先頃逮捕されました。このところ不祥事が続いてはおりますけれど
も、そんじょそこらの不祥事とは違って、守るべき国民を殺したという大変
な事案でありますが、この件についての長官のお考え、それから再発の防止
策についてお尋ねします。

答  (長官)不正を正すべき、そしてまた、今おっしゃられたように、市民を
守るべき立場にある警察官がこうした重大な犯罪の容疑で逮捕されたという
ことは極めて遺憾でありまして、残念でならないと考えております。亡くな
られた被害者のお二方の御冥福を心からお祈り申し上げたいと思います。多
くの警察職員が、日夜、国民、そして、また市民、住民、地域の安全を守る
ために懸命に努力をしております中で、警察に対する信頼を著しく裏切るよ
うな行為でありまして言語道断であると言わざるを得ません。本件につきま
しては、富山県警において鋭意捜査中でありますけれども、捜査によって解
明された事実に即して富山県警において必要な対策が講じられると考えてお
ります。警察庁におきましては、現在、警察改革の精神の徹底のための各種
施策を順次実施に移しているところでありまして、今後ともその着実な実施
を図ってまいりたいと考えております。併せて、この富山県警の捜査結果を
踏まえて、必要な対策について今後検討してまいりたいと考えております。