国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 平成25年3月14日(木)11:13~11:20

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要  本日の国家公安委員会定例会議の状況について報告を申し上げます。委員
は、全員出席です。議題事項については、「人事案件」、そして「犯罪被害
者等給付金の裁定に対する審査請求事案の審理状況及び裁決」について説明
があり、原案どおり決定いたしました。その他警察庁から報告事項について、
報告がございました。

      私からは、以上であります。

  大臣にお尋ねします。脱法ドラッグの事件ですとか事故が急増しているん
ですけれども、それについてどうお考えかということ、取締りの課題や対策
も含めてお願いします。もう一つは、警視庁が脱法ドラッグを所持した少年
を積極的に補導していく方針を決めましたが、何かこれを全国展開するよう
な取組みたいなものがあるかどうかも含めてお願いします。

答  (大臣)脱法ドラッグは、この1年余り相当社会的にも問題になっており
ますし、現実にその使用によるいろんな事件が起きておりまして、私どもこ
れは非常に深刻な問題であると受け止めております。特に、この脱法ドラッ
グというのは、基本的に販売する方も、例えば、たばこは20歳未満は法律
で禁じられているけれども、脱法ドラッグは違法性はないんですよというよ
うな甘い言葉で、特に若い人達に働きかけているという、極めて問題がある
と私も認識しておりまして、公安委員長に就任させていただいて以来、この
問題については、やはり厚労省との連携が不可欠でございますので、1月1
1日の閣僚懇談会で私の方からも厚労大臣に対して、いわばバスケットクロ
ーズで、しっかり規制をしてほしいと、包括指定をしてほしいということで
お願いを申し上げました。厚労大臣にも非常に問題意識を持って御協力いた
だきまして、今770種余り包括指定がなされましたので、非常に大きな前
進があったというふうに思っております。今後とも関係省庁としっかり連携
をして有効な取締りを含めた対策ができるようにしていきたいと思います。

   もう一つの質問は、警視庁が脱法ハーブを所持している少年について、補
導を始める、これはもう以前からこういう取組を推進しておりまして、警視
庁におかれましても、その一環として脱法ハーブの補導を進めていると承知
いたしております。今申し上げましたように、包括指定がなされたわけです
から、今後は更にこの脱法ドラッグを所持したり、使用したりする可能性が
ある少年に対しては、積極的に警察において、注意、助言等を行いながら、
その補導を行ってきているけれども、今後とも、この取組を強化していきた
いと各県警にそういうふうに督励したいと思っております。やはり脱法ドラ
ッグ、本当に早く対応していかないと大きな社会問題になります。私もそう
いう意味では、脱法ドラッグの取締りの強化を徹底して各県警に指示してま
いりたいと思っております。

  確認ですけれども、脱法ドラッグを所持した少年に対する補導は、全国警
察に指示して行ってもらうということでよろしいでしょうか。

答  (大臣)そうです。今後、更にこの脱法ドラッグに対しての警察の取組を
強化してくださいということを各県警に要請をしたいと考えております。

  長官にお尋ねします。薬物・銃器情勢に関してでありますが、とりわけ銃
器の問題で、警察が昨年押収した丁数が減っている。とりわけ暴力団からの
銃については、95丁ということで、長い歴史の中でも過去最少を記録しま
した。この実態についての長官の受け止めと、長く丁数を増やすための対策
をいろいろとってきたところでありますけれども、なかなか伸びないわけで、
この対策についてのお考えをお聞きします。

答  (長官)御指摘のとおり、銃器の押収丁数、とりわけ暴力団からの押収丁
数が減少傾向にあります。ここ10年余り銃器の発砲事件、暴力団によるも
のも含めた銃器の発砲事件ですが、かなり減ってきておりますけれども、こ
れは暴力団による銃器の保有丁数が劇的に減少したということを意味するも
のではないと考えております。むしろ、銃器の押収丁数の減少は、暴力団の
組織防衛の強化、あるいはけん銃等の巧妙かつ分散化した隠匿、こういった
ものが原因となっているんだろうと思います。

   したがいまして、警察といたしましては、通信傍受、その他の手法もござ
いますが、新しい捜査手法を駆使し、更には警察自身の情報力の強化はもと
よりではありますけれども、広く国民からの銃器情報の収集に努めながら、
暴力団からのけん銃の摘発の強化に努めていきたいと考えております。