国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 平成25年3月22日(金)8:42~8:54

2 場所 内閣府本府1階会見室

3 概要  人権理事会でコンセンサスで採択をされました。非常に高く評価したいと
思います。やはり世界各国は北朝鮮の人権状況について、極めて厳しい目で
見ているという象徴がこういうところに出ていると思います。我々日本政府
もこの新しいメカニズムの立ち上げについて、相当精力的に関係各国に働き
かけをいたしておりましたが、こういう形になりました。昨年、藤田さんが
特定失踪者の御家族の方ですね、国連ジュネーブに行って、やっぱりああや
って意見を発表してもらった。その時の藤田さんの言葉によると、政府認定
の拉致被害者は承知はしていたけれども、特定失踪者がいらっしゃるという
ことはほとんど国連の関係者も知らなかったということを帰国後聞きました
ので、やはりそういった地道な取組というか、こういったものも功を奏した
のかな、一つの要因なのかなという気がいたします。できるだけ早く立ち上
げていただいて、9月には報告をするということでございますが、そのタイ
ムスケジュールから見れば、そうのんびりやっているわけにはいかないんだ
ろうと、国連時間と言わずにしっかり速やかに対応していただきたいなとい
うことを私も期待をしております。

  国連の人権理事会での調査委員会の設置についてですけれども、拉致問題
のこれからの解決に向けて、どういうふうに働きかけをするのでしょうか。

答  拉致問題も具体的にこの中のテーマの一つに入りますので、これは非常に
大きな意義があると私は捉えています。やはり世界各国が北朝鮮の人権問題
の中に拉致というものが、はっきり個別的に入ってくるということは非常に
大きいと思います。世界の人達がこの拉致問題に認識を持っていただくとい
うことは当然北朝鮮への圧力にもつながりますし、この人権状況の改善の一
環の中で拉致問題の解決に向けての大きな弾みになっていくことを私は期待
しています。

  その5月のニューヨークにいらして、国連のということでもやはり。

答  そうです。だから、その時期にまだスケジュール的にどうなるか分かりま
せんけれども、是非そういったことも私もニューヨークに行ったときには触
れさせていただいて、また皆様方に国連の関係者にも前向きな協力をお願い
したいと思っています。

  決議案の採択の際に、北朝鮮の代表団は、決議案は西側諸国との対立を背
景にしたもので、純粋に人権を扱ったものではないと批判して、採択後、議
場を立ち去ったそうですが、それを受けて受け止めをお願いします。

答  よくあることではないですか。今回初めてではないですから。そういう国
ですから。以上です。

  今回、自民党がずっと言ってきた「拉致」の単語を入れるとか、人権の調
査委員会ということで、ほぼ満額回答だったんですけど、日本の今までの外
交でやりたかったことが満額になったことの受け止めを改めてお願いしたい
のと、あと、やっぱりこれ、設置された後、実際に調査をしなければいけな
いわけなんですけれども、シリアとは違って北朝鮮は中に受け入れてくれる
というのはなかなか考えづらいのですが、そういう難しさというのはどうな
んでしょうか。

答  これは政府と、与党、自民党が一体になって、オールジャパンで取り組ん
でいるという、その姿勢、これが国連の関係者にも伝わっているという証な
んです。ですから、外務省も官邸も党も、あるいは拉致問題を取り扱ってい
る拉致対策本部も含めて一体感があるということが、やはりそういった取組
に対して背中を押したということになると思います。2つ目は、ああいう国
ですから。でも、こういう新しいメカニズムというか、組織ができたことは、
やっぱり北朝鮮にとっては、無視しつづけたら本国にとって得なことにはな
らないですよね。それはある意味で圧力の一つとして私は効果があると思い
ます。受け入れるかどうかは向こうの対応ですから分かりません。

  決議文の中に「外国人の拉致」という単語があったので、他にも拉致被害
者がいると思われる国、タイもそうなんですけれども、そういう海外の国と
の連携の可能性というのはいかがでしょうか。

答  それは、アメリカを含めて14カ国なんです。だから、今度アメリカで日
本政府主催のシンポジウム等々を開くときにも、そういった関係各国の関係
者にも働きかけをしようと思っています。アメリカだけではないですから、
14カ国ありますから。そういう取組をしていくというのには非常にプラス
になると思います。

  関連なんですが、大臣、以前から国際社会の世論を喚起とおっしゃってい
ましたけれども、ここで一つ形ができたと思うんですが、日本政府として、
拉致対策本部としては、次にどのタイミングで国際社会に打っていくのかと
いうことが一点と、有識者会議なんですが、拉致対策本部の有識者会議の開
催状況ですとかスケジュールをお願いします。

答  正しく国際社会に働きかけていく、あらゆるチャンネルを使ってますよ。
だから、今度、4月の連休、5月の連休にやるのもその一環です。今回、こ
ういう取組をして、国連の関係者に働きかけて、それから、海外の首脳が日
本に見えますよね。あるいは、我々出張したときには、必ず拉致問題をかな
り強く主張するということを徹底していきたいと思います。それによって、
しっかり世界との連携ができると思います。それから、在日の大使館の大使
との懇談会とかもあると思いますので、そういうときにも必ずこのことを入
れていただくということが大切だと思います。14カ国の拉致被害者の国々
と連携をするということも含めて対応していきたいと思います。それから、
有識者会議は、これは今月中に開きたかったんですが、ちょっと日程的に間
に合わず、4月早々に開きたいなと思っています。メンバーもほぼ決まりま
した。まだ、ちょっと発表はできませんけれども、本当に有識者らしい良い
メンバーを揃えることができましたので、専門的見地からしっかりアドバイ
スをいただこうと思っています。