国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 平成25年5月24日(金)8:55~9:06

2 場所 内閣府本府1階会見室

3 概要  私の方から一点、質屋を装ったヤミ金融事犯です。メディアにも最近はよ
く取り上げられています。本当は価値のないものを担保として取って、貸し
付けて、年金からその利息分をしっかり引き出したりする、こういうことで
す。昨年2月以降、愛知、大分、鹿児島で被疑者が検挙されていますけれど
も、一昨日も群馬県警が被疑者2名を逮捕いたしました。

      こういった質屋を仮装したヤミ金融事犯は、公的給付金を受給する高齢者
等を狙い撃ちしています。非常に悪質な犯罪です。

      警察としては、実態把握だとか取締りの徹底はもとより、広報を通じまし
て国民の皆様に警鐘を鳴らしていくよう指示をさせていただきましたけれど
も、こういったことを踏まえて、こういった警察の取組、また、メディアの
関係者の皆様にも、やはりこういった警鐘は、是非、折に触れて報道してい
ただいて、そういった意味での御協力もお願いしたいと思います。高齢者の
方々が、こういった事案に巻き込まれるケースがかなり多いというふうに見
ておりますので、どうかよろしくお願いしたいと。警察としては、これから
も徹底的に警鐘を鳴らしていくように、警察にも指示したいと思っておりま
す。

  二点お伺いします。一点目が、崔竜海(チェ・リョンヘ)、北朝鮮の特使
が中国に訪問して要人と会談したんですけれども、中国側の提案に従って、
各国との対話をするということで、かなり前向きな、6カ国協議にも前向き
な態度を示しました。それの受け止め。それと、昨日、韓国のソウル新聞が
飯島参与の訪朝で、特定失踪者2名の帰国の可能性を北朝鮮側が提示したと
いうことについてお願いします。

答  まず、最初ですけれども、私も報道で承知はいたしております。北朝鮮と
いうのは、ああいう国ですから、よく見極める必要があると思いますけれど
も、でも中国がそういう形で北朝鮮に伝えたということであるならば、北朝
鮮がどういう動きをしていくかしっかり私たちは見定めていきたいと思いま
す。我々は、北朝鮮に対する我が政府のスタンスは、前から一切変わるもの
ではありません。それは、官房長官も総理大臣も伝えているとおりでありま
す。

   それから、2つ目の韓国の新聞ですか。特定失踪者について、報道では聞
いておりますけれども、私はそのことについては、直接聞いておりません。

  韓国の拉致の問題なんですけれども、韓国の前駐日大使が、総理が今月末
か6月の始めにも訪朝するんではないかと言われているんですけれども、大
臣の方でそういうことは聞かれたりしていますか。

答  そういう報道は、今いっぱいありますよね。いろいろね。報道にいちいち
一喜一憂していることではなくて、我々は政府の方針というのがはっきり決
まっております。要するに、すべての拉致被害者を取り戻す。そのためには、
あらゆる手段を尽くしていく、これに尽きますので、私たちも引き続きその
考え方に則って行動していくと、これに尽きます。

  暴力団対策についてお伺いしたいんですけれども、今週、放火事件の遺族
方が山口組のトップを提訴しました。大臣は、就任の会見のときにも暴力団
対策についておっしゃられていたんですけれども、改めてこのことについて
お願いします。

答  私も、就任のとき総理からも、特に北九州を中心にちょっと常軌を逸した
暴力団の行動があります。総理からも暴力団の壊滅作戦を徹底をするように
と、こういう指示を受けておりまして、私も就任直後に九州を視察して、福
岡県警を始め県警の皆さんを激励に行かせていただきました。今回の事件は、
いわゆる暴対法の改正によって、民法715条、このいわゆる立証責任が大
幅に軽減をされているということで、暴力団の組長に対する賠償請求がやり
やすくなっているんです。今まで、既に8件、今回で9件目だと思いますけ
れども、やはり暴力団の壊滅を図っていく上で、非常にこういった取組は意
義があることだと思っております。こういったような訴訟が活用されていく
ということが極めて望ましいと思っております。ただ、こういった訴訟を起
こすのは、被害者の皆さんはちょっと勇気がいるんです。ですから、こうい
った訴訟が一層活用されるためには、やはり警察による保護対策の一層の充
実、こういったものを図っていく必要があると思います。同時に、被害者の
御理解も得ていくということが必要だと思っております。そういったことに
対応しながら、是非、皆様方におかれましても、こういったものについては、
しっかり前向きな報道をしていただければと、こんなことを私の方からもお
願いを申し上げたいと思います。以上です。

  飯島内閣官房参与の訪朝で、すべての拉致被害者を取り戻すという日本政
府のスタンスというのが、あちらのトップには伝わっている、それについて
は評価をされているところですけれども、仮にソウル新聞、韓国の政府系の
新聞ですけれども、特定失踪者2人を帰すという可能性というものがあちら
から提示されているとすれば、そういう報道が出ているわけですけれども、
それはすべての拉致被害者を取り戻すという、その政府交渉の観点からいっ
てどんなふうに御覧になりますか。

答  すべての拉致被害者を帰すんですから、特定失踪者であっても、2人であ
っても、10人であっても、それは北朝鮮が拉致をした被害者ですから、し
っかりその人たちは帰してもらうというのは、政府の当然のスタンスです。
全員を帰してもらうということが基本ですから、これは微動たりともしませ
んから。むしろ特定失踪者を帰すというのは、向こうに球があるわけですよ。
そういう意味では、全員を帰せという我々の強いメッセージ、それは変わり
ないということです。

  関連で、特定失踪者の2名の件ですけれども、小出しに、その一気に全員
ということを日本から求めていても、小出しにその人数を例えば2人なり何
だったり条件を提示して、向こうが見返りに、例えば経済制裁の打破とか、
いろいろ要求してきた場合、そういった要求に対しては、どのように日本と
しては応じるのでしょうか。

答  それは、具体的なプロセスの話でしょ。そういったことは、こういう会見
では言えませんよ。