国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 平成25年6月4日(火)8:50~8:59

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要  閣議では、特に報告することはございません。それから、私の方から、昨
日、全国警察本部長会議が開会されまして、既に私のあいさつの取材もござ
いましたし、概要はお手元にお配りしておりますけれども、その中で改めて
一点、是非皆さんに御報告したいことがあります。

      今日、番記者さんで車を運転される方、手を挙げてください。車を運転す
る人。普段。ほとんど運転されないの。運転しないんですか、じゃあ全部ハ
イヤー使っているのいつも。リッチだな。私、大臣になってから車運転して
なくて、今まで必ず自分で運転していましたけどね。そうですか。反則金切
られたことのある人。反則金を切られたときに納得して切られましたか。納
得してないですよね。

      実はそうなんですよ。反則金を切られるときに、仕方ないなと納得して反
則金を納入するなら、私、何の問題もないと思って、それがなぜかというと
やはり取締りというのは、事故防止に結びつくということが大切なんです。
ややもすると、取締りのための取締りになってしまっている傾向があるんで
す。これ極めて問題ですよね。それは、やはり警察の信頼という視点からも、
ちょっと疑問符が付きますよね。ですから、昨日、私も本部長会議のときに、
確かに取締りついては現場の苦労はあるけれども、取締りのための取締りに
なってはいけない。本当に交通事故が多発する地点でしっかり取締りをする
ということが必要です。ただ、そのためには今のその取締りの技術だとか、
あるいは、時間だとか、その方法等々を工夫していかないといけません。そ
ういうことをして、本当に事故防止に資する取締り、そして、違反した側も
納得できるような交通違反の取締りをしていく必要があるだろうということ
で、私も指示をさせていただきました。公安委員会でも、そういったことが
話題になっておりまして、今、全国の都道府県警察、そして、警察庁におい
て、その事故の多発と、それから、取締りの実態、こういったものの詳細な
調査をするように指示をいたしております。現実に警察庁の交通局からも、
幹部が、あるいは、技術系の方が、取締りの先進国と言われている、例えば
北欧等々で、歩行者ゾーンだとか、町中の狭い所で人が交通事故に遭う可能
性が高い所等々については、極めてシビアな取締りをしております。そうい
った取締りの実態も見てきて、日本でしっかりそれが適用できないかどうか、
こんな検討もさせております。これも、やはり本当に国民の皆様から信頼を
される警察、そして、真に交通事故の防止に資する取締り、こういったもの
を目指して頑張っていきたいと、こういう視点で今日あえてこの話をさせて
いただきました。

      私からは、以上です。

  石川県の寺越さんの事件のことについてなんですけれども、先日、韓国の
拉致被害者の家族の代表の方から、寺越さんの3人が海上で拉致されて、北
朝鮮の思想教育施設に送られたという新たな証言が出てきましたけれども、
この点についての大臣の受け止めと、日本政府としてこの点について何か事
実関係等はございますか。

答  寺越さんには、この前、御身内の方とメディアオープンでお目にかからさ
せていただきました。私も、この寺越事件については、大きな関心を持って
おります。ただ、いかんせん非常に昔の事件のことなので、今月の22日に
現地に行かせていただこうと思っておりますので、またそのときに改めて皆
さんにお話できるんではないかと思います。

  大臣が交通の取締りの在り方についてお話しされましたが、こういった思
いを強くされる出来事でもあったんでしょうか。

答  よくそういった話を聞くんですよ。現実に私の地元でも、地元というか選
挙区で、ちょっとここで取締りはどうかなと、いつも同じところでやってい
ますよね。片側2車線、真っ直ぐの道、歩行者が出てくる危険性もない、た
またまそこは制限速度が50キロなんで、70キロぐらい出ますよね。交通
の流れに逆らわないように行くと。そうすると20キロ以上出てると取締り
の対象になりますよね。やはりそういうところはちょっとどうかなと、私、
いつも疑問に思っていましたし、また、現実に交通違反をして反則金を切ら
れた支援者の中からも、そういう声をすごく聞いています。そういう声があ
るということは、やはり納得のできる取締りをしていく必要があるだろうと、
私も今国家公安委員会委員長になりましたし、それから、公安委員会でもそ
ういう趣旨の話題が出ましたので、せっかくの機会だから全国の都道府県警
察にその見直しをして、本当に事故の防止に資する取締りと、それから、も
う一つは納得できる取締り、これをしていくべきだと、そういうことでこの
ことをあえて言及をさせていただいたということです。

  今の関連で、要するに分かりにくい、ドライバーにとって分かりにくいと
ころが多いという声を聞かれるということですか。

答  本当に事故が多発しているような地点、そういった所で取締りをするのは
いいんでしょうね。でも実際、そういう所だとなかなか現場での取締りがね、
例えば取締りをすると、ちょっと先で車を止めるスペースが要りますよね。
だから、そうするとそのスペースがないと残念ながら、本当はしたいところ
でも出来ない。だったらそのスペースは、少し離れていても、実際にそのい
ろいろなITの機器を使ったりとか、そういう技術革新によって、取締りの
工夫ができますでしょ。だから、やはり事故が本当に起きる地点、そういう
ところでやるっていうのが、違反をした人にとっても、取締りの交通の係官
がですよ、警察官が、「ここは、ついこないだも事故で死亡者が出たところ
で本当に危険な所なので、ここはスピードを出さないようにして下さい。た
またま出てましたんで、取締りをさせていただきました。」といったら、普
通の人ならね、「ああそうか、申し訳ないな。仕方ないな。」と、こう思う
んですよ。だから、そういう取締りが必要だということを言っているんです。

  「取締りのための取締り」とおっしゃっていたのは、現状そういう。

答  だからややもするとね。1年間同じ所でやっているというケースもあるん
ですよ。全部それ調べていますから。そうすると、さっき申し上げましたよ
うに真っ直ぐの直線で、ここはさすがに10キロプラスしたからそんなに事
故が起きるかな、といったら、そうじゃないような所でやっているケースも
多々見られるんです。だからそれはもう、取締りのための取締りになってし
まっているのではないかと。そういうことです。