国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 平成25年10月10日(木)11:31~11:39

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要  本日の国家公安委員会定例会議の状況を御説明申し上げます。委員は、全
員出席でして、議題事項については、「犯罪被害者等給付金の裁定に対する
審査請求事案の審理状況及び裁決について」、また、「国家公安委員会・警
察庁新型インフルエンザ等対策行動計画の策定」について説明があり、原案
どおり決定させていただきました。その他警察庁から報告事項について、報
告がございました。

      私からは、以上です。

  大臣にお伺いします。新型インフルエンザ対策の行動計画ですが、国家公
安委員会で行動計画も決まりました。大臣のお考えをお願いします。

答  (大臣)警察は、従来から新型インフルエンザ等の発生に備え、必要な対
策を行ってきました。

   今般、新型インフルエンザ等対策特別措置法の施行によりまして、国家公
安委員会及び警察庁がその指定行政機関に指定されました。特措法に基づく
政府行動計画で、指定行政機関は具体的対応をあらかじめ決定しておくべき
とされましたので、国家公安委員会・警察庁の行動計画を策定させていただ
きました。

   今後、都道府県警察に対しても、国家公安委員会及び警察庁行動計画並び
に特措法に基づく都道府県行動計画に即した各県警の行動計画の改正を指示
させていただきたいと思います。いずれにしましても、パンデミック等の発
生時における治安の確保に万全を期していきたいと考えております。

  長官にお尋ねします。東京三鷹で起きました女子高生の殺人事件について、
被害者の方は、つきまとい等について警察署に相談をしていた中での事件で
す。ストーカー対応をめぐりまして、これまで段階的に強化していく中で、
改正法もちょうど施行されたところですが、対応がどうだったかについては
警視庁が調査していると伺っておりますが、ストーカー対応の観点からこの
事件についての御所見をお願いします。

答  (長官)亡くなられた被害者の方の御冥福をお祈りするとともに、御家族
に衷心よりお悔やみを申し上げたいと思います。亡くなられたということは、
本当に痛恨の極みであります。

   この事件は、極めて凶悪で社会的な反響の大きい事件であり、警視庁にお
いて、動機とか犯行に至る経緯等も含め、全容解明に向けて鋭意捜査を推進
しているところであります。

   この事件は、被害者の方が、当日午前、警察署に相談のため来訪されるな
ど、警察側でも対応中であったところで起きた事件であります。その経緯等
の詳細については、警視庁において確認中であると承知をしておりますが、
警視庁においては、なぜこの尊い命を救えなかったのか、また、同種事案を
どのように防止するのかという観点から、真摯にかつ謙虚に、徹底した確認
作業を行ってもらいたいと考えております。

   恋愛感情のもつれに起因する事案に対しては、先般の法改正によって、こ
れまで対応が困難であった形態についても対応できることとなったところで
ありますが、今回の事案を踏まえ、被害者の安全確保を最優先に、適切的確
な対処がなされるよう、更に都道府県警察を指導してまいりたいと考えてお
ります。

  長官にお尋ねします。6月に解散を宣言する書面を福岡県警に提出した指
定暴力団の九州誠道会が、7日に「浪川睦会」という新名称の新組織を作り
ました。九州誠道会と対立抗争を続けてきた道仁会側は非常に反発していま
す。6月の解散宣言と抗争の停止という際に、この会見の場で長官は解散に
ついて懐疑的な御意見を述べられておりました。現状の警察としての認識と
今後の対策について御見解をお願いします。

答  (長官)九州北部で道仁会と対立抗争を継続しております九州誠道会につ
きましては、昨年12月27日、改正暴力団対策法に基づいて、特定抗争指
定暴力団等として指定したところであります。本年6月11日には、この九
州誠道会から「解散」を宣言する文書が福岡県警察に対して提出されたとこ
ろでありますが、今月7日に至りまして、この九州誠道会の会長が「浪川睦
会」という名称の新たな団体の立ち上げを表明したところであります。九州
誠道会については、解散を宣言する文書が提出された後も、団体としての実
態に実質的な変更があったとは確認されていないところでありまして、今回
の新団体の立ち上げの表明についても、これをもって直ちに九州誠道会とは
別個の新たな団体が設立されたものと即断することは適当ではないと考えて
おります。

   また、この団体と道仁会との抗争については、引き続き警戒していかなけ
ればならないと考えております。

   今後、福岡県警察等において、取締り、抗争の抑止とともに、新たに設立
したと称する団体の実態把握を進め、この団体と九州誠道会との同一性を慎
重に見極めた上で、必要な対応を検討していくものと承知しております。

  長官にお尋ねします。みずほ銀行による暴力団組員らへの融資放置問題に
ついてでありますが、金融機関が警察と一緒になっていろいろ反社の排除を
やっております。今回それが徹底されていなかったということであります。
全銀協は、警察との連携強化を更に望んでいるようですけれども、警察とし
て反社排除についてどうされるのか、改めてお尋ねします。

答  (長官)本年1月から証券業協会につきましては、日本証券業協会の反社
会的勢力データベースと警察庁の暴力団情報データベースを接続して、顧客
の暴力団員該当性について照会に応じているところであります。

   全国銀行協会との間における、この日証協のものと同様のシステムの構築
につきましても、現在、警察庁、金融庁、全銀協の実務担当者の間において、
情報漏洩の防止の在り方を含め、システム構築上の課題について検討してい
るところであります。

   警察庁としましては、今後、金融庁及び全国銀行協会と連携しながら、こ
の検討を加速してまいりたいと考えております。

   金融庁が、この度みずほ銀行に対して業務改善命令を発出したということ
は承知しております。融資取引から暴力団等の反社会的勢力を排除していく
ということは、銀行取引の公共性、健全性の確保の観点はもとより、暴力団
対策上も極めて重要なことであると認識しております。この事案を契機とし
て、金融機関における反社会的勢力排除の取組が更に進展することを警察と
しては期待しておりますし、また、そのような取組に対して必要な協力を行
ってまいりたいと考えております。