国家公安委員会委員長(代理)記者会見要旨

1 日時 平成25年11月7日(木)11:11~11:15

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要  本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。委員長、長谷
川委員を除き出席です。議題事項については、「国家公安委員会委員長に対す
る保有個人情報開示請求に関する決定」について説明があり、原案どおり決定
いたしました。その他、警察庁から報告事項について報告がございました。以
上です。

  長官にお尋ねします。身に覚えのない荷物が手元に届いて代金を騙し取られ
る送り付け商法という詐欺の手口なんですが、とりわけ高齢者が被害に遭って
いると聞き及んでいます。現状と対策について、長官の御所見をお願いします。

答  (長官)昨年から本年にかけまして、健康食品等の商品を一方的に送り付け
て購入させる、いわゆる送り付け商法による被害、特に高齢者の被害が増加い
たしまして、本年6月には約1,800件の相談が警察に寄せられております。

   警察では、取締りを強化し、先月には埼玉、茨城、静岡、福井4県警が過去
最大規模の送り付け商法事件を摘発しております。また、これには代金引換サ
ービスが悪用される事例が多いことから、本年5月以降、配達事業者に対して、
悪用防止対策、すなわち代金引換サービス契約申込み時審査の厳格化による悪
質業者との契約拒絶といった協力要請を進めているところであります。

   この結果、送り付け商法に関する警察への相談件数は、9月には約670件
とかなりの減少に転じております。引き続き、消費者庁等関係機関と連携しな
がら、今後の新たな手口にも注目しつつ、これらの事犯の抑止と検挙の両面に
ついて、取組を強化していきたいと考えております。

  長官にお尋ねします。失業者の職業訓練を支援する国の事業を巡って、指定
暴力団の道仁会の連中を福岡県警が先頃逮捕しました。いろいろな形で資金確
保の道を探っている暴力団が、税金を貪っているという実態を早期に解明した
わけでありますが、この摘発の意義と暴力団の資金源についてお尋ねします。

答  (長官)今御質問の事案は、道仁会の傘下組長らが、厚生労働省が実施して
おります緊急人材育成支援事業を利用して金を騙し取ろうと考えて、佐賀県嬉
野市所在の会社が職業訓練を行うかのように装って、中央職業能力開発協会に
対して内容虚偽の申請書を提出し、訓練奨励金等を騙し取ったという事件であ
ります。福岡、佐賀両県警において、本年11月4日までに、この道仁会傘下
組長を含む被疑者15名を逮捕したところであります。

   近年、暴力団は、伝統的な資金獲得犯罪に加えまして、各種の詐欺を資金獲
得の手段としている傾向がうかがえるところであります。本件は、このような
傾向を捉えて、暴力団組長らが公的助成制度を悪用して奨励金を騙し取ってい
た事案を摘発したものであり、暴力団の資金源対策の観点からは意義のある事
件であると考えております。

   今後は、法と証拠に基づき厳正適正に捜査を進め、暴力団へのこの詐取金の
流れの解明も含めまして、事案の全容解明を図るとともに、関係省庁と連携し
ながら、各種の公的助成制度からの暴力団排除の徹底を図るなど、暴力団の資
金源に打撃を与えるための各種対策を引き続き推進してまいりたいと考えてお
ります。