国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 平成25年12月26日(木)11:15~11:24

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要  定例会議の状況について御報告を申し上げます。委員は、全員出席。議題
は、人事案件について説明があり、原案どおり決定いたしました。また、警
察庁から報告事項がございました。そのうち、2点について私から申し上げ
ます。

      まず1点は、8月から立ち上げました交通違反取締りの見直し並びに規制
の見直しに関するプロジェクトチーム、その懇談会の提言についての御報告
がございました。また、銃器犯罪、特に京都、北九州についても報告がござ
いました。私からは以上であります。

      それと、これは先ほど、朝、太田先生の方から懇談会の提言を受け取らさ
せていただきました。これは国家公安委員会の中でも議論があったことでご
ざいますが、私自身も国家公安委員会委員長として、日本の警察というのは
世界一ですよ。ただし、どうしても国民の皆さんからなかなか評価されてい
ないのは、正直言って交通警察であります。それは、8,000万人ドライ
バーがいて、年間約800万人近い方が、反則金を交付されます。果たして、
その事故防止に資する取締りなのか、あるいは本人が納得するかというと、
必ずしもそういう状況ではないところがあったというのは、私もドライバー
として18歳から40数年間、国家公安委員長になるまでは、ほぼ毎日、車
を運転していた人間でございますので、非常に関心がございました。警察庁
長官にも御相談を申し上げ、また6月には全国の県警本部長会議も開会をさ
れましたので、そこで私の方からこういう改革案を提示させていただきまし
た。それに伴って、警察庁の交通局の幹部、課長クラスを取締先進国といわ
れるヨーロッパ4カ国にも視察をさせまして、実態をしっかり把握をさせて
もらいました。その上で、プロジェクトチームを作って、この2つのプロジ
ェクトチームで、今回は、こういう報告書が出てきたわけでございます。こ
の中身は相当広範でございますし、なおかつ、非常に示唆に富んだ中身も含
まれています。この提言書を受け取った以上は、いかにしてこの中身を現場
の実態、そして、ルールの改正、こういったやり方、方法の改正に結び付け
ていくか。当初の目的であります、真に交通事故の防止に資する取締り、そ
して、取り締まられた側が納得する取締り、こういったものに変えていくか
ということだと思っております。また、この提言書の中にも記述をされてい
ますが、現場の警察官の苦労というのは大変だと思います。今回のこの見直
しの趣旨は、各都道府県警察、そして、現場で交通の対応をする最前線の警
察官にも、しっかりこの目指すものを御理解いただいて、そして一方では、
人事評価の中にもこういう新しい取組に対する評価をしっかりしてあげると
いうことが極めて大切だと思います。これからが本当の意味で改革のスター
トが始まると思いますので、私もしっかり警察を督励してまいりたいと思っ
ております。私からは概略的な意見として以上であります。

      それから、もう1点は、これは銃器使用殺人事件の連続発生ということで、
2日続けて銃器使用による殺人事件が起きてしまいました。京都と福岡でご
ざいますが、今、京都においては御承知のように全国的にも名の売れた外食
チェーンの社長が殺害をされるという大変ショッキングであり、なおかつ、
社会的な影響が大きい事件でもございますので、これはしっかりと原因の究
明、そして、犯人の検挙を含めて事案の解明に全力挙げていっていただきた
いと思いますし、一方では、福岡の漁協の組合長の殺人事件でございます。
これも鋭意捜査を進めていますが、御承知のように福岡は、特に北九州は暴
力団が極めて深刻な状況、今度の事件も街中でございますから、一歩間違っ
たら市民を巻き込む危険性があったという中で、私も就任直後に北九州を視
察させていただきました。本当に白昼堂々と銃器が使われている、あるいは
手榴弾を使って、無辜の市民までも巻き込むという、ちょっと許し難い状況
が北九州では生じています。警察官のマンパワーの充実を始め、あらゆる取
組をしておりますが、総理からも、私が就任の際に、暴力団の壊滅作戦の徹
底をして欲しいという強い指示もございました。是非、この件についても、
しっかり警察を挙げて、事件の解明、犯人の検挙に繋がるように全力で頑張
っていただきたいということを私からも改めて督励をさせていただきました。
以上であります。

  長官にお尋ねします。先週の京都と北九州の2日連続の射殺事件について、
この事件の長官の受け止めと銃器が拡散をして凶器に使われたという、この
銃器犯罪についての所感をお尋ねします。

答  (長官)御質問の2つの事件、いずれも住宅街において銃器を使用して敢
行された殺人事件でありまして、極めて由々しい重大事件であると思ってお
ります。また、その結果の重大性はもとより、付近の住民の方々に対して大
きな不安を与えたという点においても極めて凶悪な犯罪であると認識をして
おります。京都府警、それから福岡県警におきましては、それぞれ捜査本部
を設置して、被疑者の早期検挙に向けて全力で捜査をしているものと承知を
しております。警察庁としても事件解決に向けてできる限りの支援、督励を
行ってまいりたい。また、両県警察には強力な捜査の推進はもちろんであり
ますが、住民の安全確保の徹底にも万全を期してもらいたいと考えておりま
す。銃器情勢につきましては、銃器発砲件数は10年ほど前に比べますと大
幅に減少をしております。その中で拳銃押収丁数そのものは、過去5年を見
てみますと本年は最多となっておりますが、その中で、暴力団からの銃器押
収が減少しているという問題があります。警察といたしましては、通信傍受
等の様々な捜査手法を活用し、拳銃110番報奨制度等を活用して、広く国
民の協力を得ながら銃器情報の収集に努めまして、暴力団の組織的な管理に
係る拳銃を始めとした銃器の摘発の強化を推進してまいりたいと考えており
ます。