国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 平成25年12月26日(木)11:56~12:15

2 場所 内閣府本府1階会見室

3 概要  私の方から国家公安委員会の方でも報告をさせていただきました。また、
それに先立ちまして、報告書を受け取りました。中身は、交通事故防止につ
ながる取締りの在り方、あるいは、規則の在り方の見直しのプロジェクトチ
ームの最終報告でございます。これは、春先から私も公安委員会等で意見を
述べさせていただいておりました。また、6月には全国警察本部長会議が開
かれましたけれども、そこでも言及させていただきました。日本は8,00
0万人ドライバーがいます。そういう中にあって、大体年間780万人から
800万人くらいに反則金の交付が科されておりますが、実際に交付された
方々も納得しているかというと、必ずしもそうではないケースもあるだろう
ということで、真に事故抑止につながる取締り、そして、取り締まられた側
も納得する取締り、こういったものに不断の改革を進めていかなくてはいけ
ない、こういうことでありまして、全国本部長会議でもその指示を出させて
いただきました。それに呼応するべく、8月から学識経験者、あるいは、モ
ータージャーナリスト、被害者の会等々、多くの専門家を集めまして、2つ
のチームを作って、精力的な議論をいただきました。今回、それが取りまと
められましたので、私が受け取らさせていただいたということであります。
この報告書は非常に示唆に富む中身がたくさん出ております。いかにしてこ
の中身を実行に移していくかということが大切でございます。年明け早々に
は全国の本部長に対して説明を行うとともに、国民の皆様にも、なぜこうい
う取締り、あるいは、規制の見直しをしていくかという趣旨を十分に説明し、
御理解をいただきながら確実な対応をしていきたいと思っております。

      それと、都道府県警察を始め現場の警察官の皆様にも今回の見直しに当た
っての趣旨を十分に御理解いただくことが大切だと思います。そして、人事
の評価、在り方も含めて見直していく、例えば一つの例として、重大交通事
故が発生するのは、深夜の時間帯、夜中の1時から5時までが圧倒的に多い
というデータがあります。しかし、その時間帯には、ほとんど取締りという
のは行われていないのが実態です。それは勤務態勢の問題等々があるからで
ありますが、しかし、本当にそういう時間帯に取締りをしていく、これこそ
真に事故抑止につながる取締りでありますから、そういった取組をしていた
だく現場の警察官には、しっかりとした評価をする、こういうシステムを併
せてやっていく、頑張る人をしっかり評価する、こういうシステムも必要な
のではないでしょうか。その中にも、そういった趣旨が書いてあります。そ
れから、あとは規制の見直しの中において、設計速度が120キロで建設さ
れている高速道路が全国で約860キロあります。そのうち四百数十キロに
ついては、片側3車線ということであります。もちろんキープレフトの原則、
走行区分の徹底というものをした上で、120キロで走っても安全であると
いう設計の下で、こういう道路が建設をされている。一方では、この120
キロによって建設費が20パーセント以上かかっているわけでありまして、
半分は皆さんの税金でございますから、速度、利便性というものを税金によ
って実現しているわけでありますから、国民の皆様もそういったものを、安
全が大前提でありますが、享受をしていく必要があるのではないか。だから
そういった規制の見直しについても国交省、道路管理者である国交省ともし
っかり連携をして、また、引き続き関係者の意見を聞きながらそういう取組
ができるかどうかなんかも、この報告書に入っています。それから、皆さん、
高速道路を走っていて、お気付きになることがあると思うのですが、登坂車
線、これは遅い車が登坂車線を行くんですね。これは、私、前から当選1回
生のころからも質問していたことなんですが、遅い車が登坂車線を行きます
と、登坂車線がトンネルの手前でなくなります。そうすると合流するときに、
速い車が被せていくことになるんですね。そうするとブレーキを踏みます。
そうすると後ろがブレーキを踏むと渋滞の「サグ」というんですが、これが
生じて追突事故等のリスクも増えますし、渋滞のリスクも増えます。だった
ら速い車が登坂車線を走ればいいわけでありまして、そういう発想の転換、
だからこういったものも含めてやれるのかどうか、こういったことも実証実
験も含めて対応している。今、一部中央高速ではそういった取組をしている
ところもございますけれども、もうちょっと範囲を広げてやっていく必要が
あるのではないか。ちなみに、ヨーロッパの高速道路では、そういう形を取
っている高速道路が圧倒的に多いというのも現実であります。そういった世
界の例もしっかり見極めながら取り組んでいく、これだけ大幅な交通警察関
係の見直しをしていくというのは、多分初めてだと思います。これは、しっ
かり警察も各都道府県警察も含めて、この趣旨を十二分に御理解いただいて、
国民へのPR、そして、ドライバーの皆さんへのPRも含めて取り組んでい
きたいと思っておりまして、この発表をさせていただきました。

  先ほど安倍総理が、靖国神社を参拝しました。ちょうど内閣発足から1年
経つこの時期ということなんですが、この時期に参拝された理由とか狙いに
ついて大臣はどう考えておられますか。

答  まず、総理は、国のために命を捧げた英霊に対して哀悼の誠を捧げるのは
国のリーダーとして当然の責務である、これはある意味でグローバルスタン
ダードだと、こういうことを常に言っておられます。そういう意味で1年経
った今日、節目に参拝されたと思います。私も春、秋、8月15日参拝した
ことは、欠かしたことはございませんが、もう私も総理もたぶん同じ気持ち
だと思いますけど、日本は戦後、民主主義、あるいは自由、人権重視、こう
いった国として世界の仲間入りして、むしろ世界に率先垂範して平和主義と
いうものを掲げて取り組んでいます。ちなみに日本は戦後、よその国で1発
も発砲していないというのは、先進国では極めて珍しい例であるというのは
皆さん御存知だと思います。積極的平和主義というのを掲げているのも、こ
ういう日本が世界に平和の取組の大切さを訴えているという発想にも基づく
ものでありました。靖国というのは一部のメディアが言っているように、決
して戦争を賛美するような施設ではなくて、明治維新から100年以上にわ
たって、御遺族の方とか友人とか、そういった方々が、戦争で犠牲になった
英霊に対して哀悼の誠を捧げる、癒す場として維持、管理、参拝をされてき
た場でございます。総理も恐らくそういうお気持ちで行かれたんだと思いま
す。決して近隣諸国に対するいろいろ挑発をするとか、そういうこととか一
切、私はないと思います。あくまでも自国のために命を捧げた方々に対して
どういう形で哀悼の誠を捧げるかというのは、これは専ら国内問題でありま
すので、総理はそういったお考え、そして私自身も、そうやってリーダー、
総理がリーダーとしての責任として参拝をされたと。しかし、ポイントは日
本が戦後68年間、平和主義に徹して国家運営をしてきたというのは、これ
は紛れもない事実でありまして、世界の国々はそれを認めていると思います。

  加えて、中国、韓国にも直接説明したいというふうな思いを、総理、先ほ
ど記者団に述べられていましたけど、その点についてはどうお考えでしょう
か。

答  それは、ちょっと記者会見は見ておりませんが、もしそういうふうにおっ
しゃったならば、当然のことじゃないでしょうか。決して近隣諸国にいろい
ろ刺激を与えようなんていう気持ちは、全く総理も100パーセントないと
思いますので、なぜこうやって自分が参拝するのかということを御本人から
直接説明をしたいと。それはごく自然の発想じゃないでしょうか。

  総理は第一次安倍政権の際には、靖国参拝ができないのは痛恨の極みであ
るとおっしゃっていて、今日靖国参拝をされたということで、大臣はこれま
でずっと参拝されてこられて、大臣から見て総理の今回の参拝は「やっと」
というふうに思われるのか、どのように思われますか。

答  だからそういう評価は避けます。私が閣僚の一員ですから。ただ、総理は
首尾一貫して言っていることがあります。それは、今、冒頭にも申し上げま
したとおり、国のために命を捧げた英霊に対して哀悼の誠を捧げる。そして、
靖国神社は百数十年、100年以上にわたって、そういう魂を癒す場として
ずっと運用されてきた場所でありますから、当然そこに参拝をされるという
のは、総理としてのお気持ちを素直に表現したということだと思います。世
界のリーダーはそうしております。

  キューバなんですけど、これは防災ということで、拉致の関係は何もされ
ないということでしょうか。

答  防災です。

  就任というか、内閣発足1年ということでお聞きしたいんですけれども、
内閣発足1年したんだけれども、今、依然として、拉致問題解決を今も見て
いない。そのことの受け止めとこれからの解決に向けた意欲というか。

答  まず、この1年経って、私、本当にひしひしと感じていることが一つあり
ましてね。それは1年前と今と世の中の空気というのが本当に大きく変わり
ましたよね。客観的なデータも、例えば株の値段を一つとっても、大きく変
わりましたけれども、やっぱり国民の空気が変わってきたということが大き
いと思います。そういう意味では政治の責任というのは本当に大きいという
のはひしひしと実感しています。その上で、昨年の12月に総選挙で私達が
与党、過半数を得て、そして、まだその時点では片肺飛行ですよね。参議院
ではねじれていたわけですから。7月21日に初めて安定した政権をもたら
すことができたということです。ですから、ちょうど5カ月目に入った。い
よいよこの安定政権が常識的には、国政レベルの選挙はありませんので、し
っかり腰を据えて取り組むことができる。そういう意味では、この拉致問題
解決についても大きな環境が整いつつあるということだと思います。これは
北朝鮮も十分に分かっていますよ。だから、私はいろいろな場で言っている
のは、春先くらいまでは、北朝鮮も非常に挑発的な対日本に対しての言動は
多かったけれども、5月、6月以降はそういう話は一切無いということをと
っても、北朝鮮からのメッセージだろうと受け止めることもできると思いま
す。しっかり私たちも正しい情報を手に入れつつ、この当初の目的である、
全ての被害者を日本に取り戻すため、全力で頑張りたいと思います。いろい
ろと作業はしておりますが、我々の責任は何しろ結果を出すことですから、
しっかり結果を出す来年にしていきたいと思います。

  靖国に戻って恐縮です。哀悼の意を表するとか、刺激をしたくないという
気持ちは分かるんですけれども、受ける方はまた刺激は受けると思います。
中国とか韓国とか。反応はあると思うんですけれども。今後どういう対応が、
日本のどんな。

答  それは総理が自ら説明する用意があるということを今日会見でおっしゃっ
たんでしょ。それは大切だと思います。それから我々も、常にそのことはし
っかり情報発信をしていく責任があると思います。特に、私11月に秋の例
大祭で参拝させていただいたときに、私、初めて英文で海外の通信社に、私
がなぜ靖国参拝するかということを出したんです。初めてなんですよ、こう
いう事をしたのは。そういう意味で我々自身も努力をしていかなければなら
ないということだと思います。何社からか反応がありました。話を聞きたい
ということがございましたので、正しく伝わっていないということは極めて
残念だと思います。そういう意味ではしっかり、なぜ、私達が靖国を参拝す
るのかということについても世界に対して情報発信していく必要があると思
います。