国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 平成26年3月13日(木)11:22~11:30

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要  ちょっと模様替えしましてね。雰囲気を変えまして、こういう形でこれか
ら会見に臨ませていただきたいと思います。今日の国家公安委員会定例会議
の状況については、委員は全員出席です。議題事項は、「風俗営業等の規制
及び業務の適正化等に関する法律施行規則の一部を改正する規則案」、それ
から「風営法施行令第1条の規定によるダンス教授講習の指定」などについ
て説明がありまして、原案どおり決定させていただきました。その他に警察
庁から報告事項について、報告がございました。

      私からは、以上であります。

  大臣にお尋ねします。東日本大震災から4年目になりました。行方不明者
の捜索や身元不明遺体の身元の確認などを中心として、警察の役割はまだた
くさんあると思います。今後、警察をどのように督励されていくか、方針に
ついてお聞かせください。

答  (大臣)一昨日、両陛下御臨席の下、東日本大震災三周年追悼式が開会さ
れました。改めて本震災によりお亡くなりになられた方々の御冥福をお祈り
いたします。また、御親族を亡くされた御遺族の方々に、改めてお悔やみ申
し上げたいと思います。

   警察では、現在まで全国から延べ118万人以上の警察職員を被災地に派
遣いたしました。様々な活動を行ってまいりました。しかし、いまだに2,
600人の方々が行方不明になっております。そして、100体近い御遺体
が身元不明ということでございます。

   治安の確保は被災地の復旧・復興の礎となるものでございまして、警察で
は、行方不明者の捜索、身元確認、パトロール、犯罪の取締り、被災者から
の相談対応を引き続き行っていきたいと思っております。

   今後とも、被災地の安全・安心に向け、被災者に寄り添った活動を継続す
るよう、警察をしっかり督励してまいりたいと思います。

   三周年式典では、被災者の御遺族代表3名の追悼の言葉が、胸に突き刺さ
りました。改めて、しっかりと警察の取組を、復興に向けて総理がいつも申
しておりますように、閣僚全員が復興担当大臣になった気持ちでこの復興に
当たってほしいということを、私も胸に刻まさせていただきました。

  長官にお尋ねします。情報技術解析の昨年の実施状況がまとまりました。
スマホの解析と不正プログラムの解析が大幅に増えておりますが、この結果
についての長官の所見をお願いします。

答  (長官)昨年の電磁的記録の解析総容量は5.4ペタバイトに上ります。
過去最高でございまして、5年前の平成21年には1ペタバイト程度であり
ましたので、5倍以上に急激に増加をしております。今お尋ねのスマートフ
ォンでありますが、携帯端末の解析の約6割がスマートフォンとなっており
ます。これも11,623台と過去最高でありまして、前年比約30パーセ
ント増ということになっております。不正プログラムにつきましては、中央、
警察庁におきましては標的型メール関係の解析、そして地方機関におきまし
てはネットバンキング関係の不正プログラムの解析というものが急増をして
おりまして、一昨年比4倍以上に上っているということでございます。警察
といたしましては、現在審議中の来年度予算で情報解析部門の体制の強化、
必要な資機材の整備等を図っているところであります。また、犯罪情勢の変
化等に合わせまして、民間企業や海外の学術機関等との協力関係を強化して、
最新解析技術やノウハウを蓄積するなどして、現実空間と並んで治安の第二
の戦場ともいうべきサイバー空間における脅威に対処できる情報技術解析体
制を確立してまいりたいと考えております。

  長官にお尋ねします。震災について古屋委員長の方からこれまでの警察活
動のお話がありましたが、改めて警察庁のトップである長官に東日本大震災
での被災地の活動に加えて、今後、南海トラフ、首都直下型というような大
きな災害が予想されるわけでありまして、そうしたことも含めて警察活動を、
今後どのようにしていくのか所見をお尋ねします。

答  (長官)東日本大震災への対応につきましては、先ほど古屋大臣からお答
えをされましたとおりでございます。警察からは発災以降、延べ120万人
弱の警察職員を被災地に派遣いたしまして、救出救助活動、行方不明者の捜
索、検問、交通整理、パトロール、御遺体の収容、検視等の各種活動に当た
ってまいりました。

   いまだ2,600人以上の方々が行方不明者となっているということを踏
まえ、今後も集中捜索等を継続することにより行方不明者の発見に万全を期
してまいりたいと思っております。身元不明の御遺体につきましては、DN
A型鑑定の活用等により、この半年間で18体の身元を確認したところであ
りますが、今後とも残る御遺体の身元確認に全力を挙げてまいりたいと思っ
ております。

   被災地の復旧・復興は、治安の確保が前提となります。従来の地域社会の
犯罪抑止力が弱体化していることに鑑み、パトロール、侵入窃盗等の犯罪の
取締りのほか、被災者の相談への対応等を引き続き行ってまいります。

   南海トラフあるいは首都直下型地震というものを想定して、警察庁におき
ましては、危機管理体制の再点検・再構築を進めてまいりました。様々な事
態、最悪の事態を想定して、警察の体制の整備及びその動き方についての様
々な準備を現在進めているところでありまして、今後起こり得ます大規模な
災害に対して万全の準備で動くことができるようにしてまいりたいと考えて
おります。