国家公安委員会員長記者会見要旨(警察関連部分のみ)

1 日時 平成26年3月28日(金)8:41~9:01

2 場所 内閣府本府1階会見室

3 概要

問  30日、31日に日朝の政府間協議が開かれます。古屋大臣は先日北朝鮮への制裁に関して、18日の記者会見で「拉致被害者が戻ってこなければ制裁解除はおろか1円の支援もすることはない」と、そういうふうにおっしゃいました。福田内閣当時の2008年の協議では、北朝鮮が拉致問題の再調査に応じれば、日本政府は北朝鮮との人的往来の原則見合わせと航空機チャーター便の乗り入れ禁止の制裁解除というそういう方針でした。また、去年9月の第二次小泉訪朝から9年での古屋大臣談話では、「拉致被害者の無事帰国の実現なくしては、更なる人道支援をも行わないことを改めて確認いたします」と、そういうふうに述べられていました。制裁解除に関する政府の対応方針というのをもう一度教えてください。

答  日本は、現在、北朝鮮に対しての制裁、2つの側面がありますね。一つは国連安保理決議の要請に基づいてやっているもの、それから、もう一つは日本は拉致問題を抱えていますので、これに追加して我が国が独自にやっているもの、この2つがありますけれども、後者については、北朝鮮の不誠実な取組、態度というもの、そういう意味合いも含まれておりまして、私のその発言の御指摘の趣旨は拉致被害者の帰国なくして措置のすべてが解除されるということは絶対にないと、そういう趣旨で私は申し上げました。今指摘があった昨年5月22日だったと思いますけれども、私が日朝首脳会談9周年に関しての拉致担当大臣談話ということで発言させていただいているのは、拉致被害者の無事帰国の実現なくしていかなる人道支援も行わないという趣旨の発言をさせていただいておりまして、そういうことであります。我々としては、今度、日朝協議が今御指摘ありましたように、おそらく拉致問題も含め議論されることになると思いますけれども、我々の基本原則は行動対行動ですので、もし今後は北朝鮮が拉致問題の解決、要するに帰国に向けて誠意ある前向きな取組をするということになってくれば、我が国の独自の措置というのは2008年にもそう言及していますので、段階的に解除されるということは当然あり得ますよね。これは交渉次第ですけどね。だから、基本的に考え方は変わっていないと思います。

問  関連して、段階的な解除というのは、交渉の進展によれば一部解除、全面ではなくて一部解除もあり得るということですか。

答  それはもう交渉の具体的なことですから、私から今言えるのはそこまでです。これは2008年にも人的往来やチャーター便の規制を解除するという趣旨、確かあの当時そんなような格好だったですよね。そういった発言を当時の内閣はしておりますので、そういった考えを今私の表現で申し上げたということであります。

問  今回の協議で拉致問題の再調査を求める考えかどうかとか、あるいは、まず解除されるとすれば人的往来の見合わせやチャーター便の解除となるかどうか、その辺についてはどうでしょうか。

答  これは、まだ交渉も行われておりませんので。今月末ですから。まだスタートもしていませんので、私からコメントはできません。

問  昨日、静岡地裁が袴田事件で再審を認める決定をしました。それによって袴田さんは48年ぶりに釈放されたわけですけれども、決定の中では、捜査機関の証拠のねつ造の疑いということも指摘されておりますけれども、今回の決定に関して、国家公安委員長としてどのように受け止めていらっしゃいますか。

答  お尋ねの件については、今、検察庁で適切に対応されると思いますので、私からコメントは差し控えさせていただきたいと思います。

問  捜査の部分でどうであったのか検証すべきだという指摘もあるかと思います。その点についてはどうでしょうか。

答  そういったことも含め、今、検察で適切に対処されると思いますので、私からコメントは差し控えます。

問  日朝協議に戻るんですけれども、先ほど大臣がおっしゃった北朝鮮による誠意ある前向きな取組ということは、拉致問題の再調査の実施も含むというふうに理解してよろしいでしょうか。

答  そういったことは、まだ日朝協議がスタートもしていない段階なんですよ。これから交渉というか日朝協議が始まるんですから、今からそういったことは私の口から申し上げるわけにはいきません。先ほど申し上げたとおりです。

問  それはこれまでも聞いているんですけれども、北朝鮮側の変化というのが出ている中で、改めて日朝協議の期待をお願いします。

答  そういう協議に応じてきていることは、北朝鮮の変化ですよね。客観的な変化だと思います。

問  期待するということですか。

答  もちろんです。そういうふうにさせないといけないと言った方がいいのかな。進展をさせるふうにさせないといけない。それを北朝鮮にもしっかり理解をさせるということなんですよ。そうしないと北朝鮮は、あの国は立ちゆかなくなりますよということです。